#13 2日目
ジリリリリッ
いつの間にか部屋の真ん中に置いてあった目覚まし時計が鳴り、僕は起きた。
「ふぁ~、もう朝かぁ?」
砕の声が背中側から聞こえてくる、隣を見ると、もう2人は起き上がっていた。
「みんな~!僕の置いておいた目覚まし時計ビックリしちゃったかな~!おはよ~!」
部屋の天井の隅に付いてるスピーカーから声が聞こえる、ウコイックの声だ。
「とりあえずみんな1階に降りてきてね~!眠いと思うけど頑張れ~」
僕はハシゴを降りた。
「行くよ砕!」
「えぇ、眠いんだよぉ稗田っちぃ」
「もう引っ張っていきましょ」
子供のように駄々こねる砕の体をみんなで引っ張り下まで連れてきた。
そこにはウコイックと、隣にキイックがいて、もうみんながぞろぞろと集まっていた。
「やあ~久しぶり!と言っても昨日ぶり~、敗者側は完全にアオイックに任せてるけど、こっちは勝利側だから、優遇対応で僕が来ました~みんな嬉しいかな~?」
ちょっと嬉しいような嬉しくないような、複雑な気分。
「早速だけど、僕とかキイック、アオイックは制服着てるのに、みんなはまだ赤ちゃんの服だよね、ここに来させる前にみんなを着替えさせたかったんだけど~、ちょっと用意ができなくてね~、やっと配ることができるよ」
やっと着替えれるってことか。この服ずっと着てるから少し臭くなってるしちょうどよかった。
「こことは別のとこに風呂あるからそこまで移動ね~、そこで僕と同じ服配るから~」
お風呂も入れるのか、これは嬉しいぞ。
「ちなみに、大きさは全部統一してあるから、小さかったらごめんね~!特にそこのでかいバカ!」
砕は寝ぼけて反応すらしなかった。
「ってことで、じゃ、またね~」
ウコイックは部屋を出ていった。
「よし、あとは僕がみんなをお風呂場へ連れていくね~」
キイックは一列に並ぶように指示し、キイックを先頭にお風呂場へ向かった。
「ここがお風呂場だよ~、みんな昨日は頑張ったね~、今日も頑張ろう~」
キイックは優しくそう言うと僕達のいた部屋へ戻った。
お風呂場までの距離はそんなに遠くなく、ドーム型の部屋の中にあった、最初は遠くて気づかなかったけどお風呂場なんてあったんだな。
「じゃ…入るか」
僕達は男女ののれんをそれぞれ潜りお風呂へ向かった。
脱衣所には赤ちゃんの時と似たように幼稚園の制服が置かれていた。
「稗田っち、脱ぐの手伝ってくれないかぁ?」
パツパツなため、僕が手伝わないと脱げないらしい。僕は砕の服を脱がせた。
「ありがとなぁ!」
そうすると、制服に着替え始めた。
「またキッついなぁ…」
制服に着替えていた砕がポツリと呟いた。
たしかにまたパツパツだけど、それより…
「なんでもう着てるの?お風呂入らないの?バカ?」
小柄の少年が近づいてきた、対抗戦の時のリーダーだ。
「あ、そうか忘れてた、稗田っちまた脱ぐの手伝って」
「稗田っちか、そうだ、名前聞いてなかった、君なんて言うんだっけ?」
「対抗戦の時はまだ思い出してなかったんだけど、稗田利人って言うんだ、君は?」
「僕は古谷京、そこのデカいのはうちのデカいのから名前は聞いてる」
「そうかぁ、よろしくなぁ!京!」
「お、おう」
僕と砕と京君はお風呂に入った、お風呂は広く、まさに温泉みたいな感じだ。
「なんか仲良さそうだな」
京君のチームのデカい人も入ってきた。
「おぉ!お前じゃねえかぁ!名前なんだっけぇ!」
名前忘れてるんだな。
「対抗戦の時はまだ名前忘れてたからな砕、俺は北条吉信だ」
名前忘れてたのはこっちの方だったか。
「じゃあ、なんて呼ぼうかなぁ…北条…じょう…ジョーとかどうだぁ?!」
「おお、いいんじゃないか?」
僕達はなんとなく仲良くなった。




