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「最低っ!」
女に水をかけられた男。
女に別れを告げたらこのようになった。
その女と交際していた時、周りからお似合いだと言われていた。俺は、あの女が嫌いだ。
なぜ、付き合ったのか? お見合いでそうなっただけ。
紹介が遅れた。俺は、神山慎吾。27歳。
世界でも有名な企業である、KAMグループに勤める社長である。
祖父が創った会社であり、誇りを持っている。
2年前、社長に就任してから俺に近づく女が増えてきたのだ。目的は、財産しか考えられない。
−ジリリリッ−
「もしもし…」
「また別れたのか?何人目だ?もういい加減にしろ!」
「…親父は関係ないだろ!俺の結婚相手は、俺が決める」
「会長の私の立場も考えろ。明後日、お見合いだからすっぽかすな」
「またかよ?行かないからな」
「慎吾…」
舌打ちしながら電話を切った。
親父のせいで目覚めたから早めに出勤した。
社長室に入ったら1人の清掃員が掃除をしていた。
−コンコン−
「あっ…社長。まだ出勤する時間ではないですよね?」
「仕事があったので。掃除終わりましたか?」
「は、はい」
「ありがとう」
清掃員は社長室を後にした。