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使い魔は魔族のお姫様!?  作者: 白面銀毛九尾
1/2

プロローグ 前半


国立魔法学院〈アニヴェス〉


今日も昼時の食堂は人でごった返していた

こうも多いと妹と友人達を探すのは大変だな。

こういう時は大概2階に居るはずだな


周りに気をつけながら2階への階段を上がり

周りを見渡すと手を振りながら俺を呼んでいる声が聞こえた


「お兄様こちらですわ〜」


2階へ行くとテラスの方で手を振るのは俺の可愛い妹だ。

妹の方へ行くと四人掛けのテーブルには既に食事の準備がされ正面には親友が左右には妹と妹の友人が既に座っていた


「遅れてすまない、準備までしてもらって」


「あぁ気にしないでくれ、先生に呼ばれていたんだろう?」


「えー何がしたんですか?先輩」


「お兄様がするわけないですわ」


ワイワイと話しながら食事を始める

今日は魚がメインの様だ、流石王都の学食いい物を使っている


「そう言えば…お兄様達は今日の午後は召喚の儀ですわね?」


「ん?あぁ、そうだな…俺にはどんな召喚獣が出てくるか楽しみだ、父様の様なドラゴン種なのか母様の狼種なのか」


「僕は猫種系になるかな?父様も母様もそうだったからね」


「それだとウチも兄さんと同じ猫種になるのか〜猫好きだからいいんだけどね」


2年の夏休み手前に学院では召喚の儀が行われる

召喚の儀はこれから先パートナー、相棒となる使い魔を召喚し契約する儀式だ。

夏休み手前にやる理由としては休みの間に使い魔との親睦を深める為だ


学院の課題もあるが効率的でいいと俺は思う

気難しい使い魔の場合は根気が必要だしな、使い魔と面と向かって分かり合えるのはいいことだ


食事を終え四人で紅茶やコーヒーを飲んでいると下の方が騒がしい

下を覗き見て見れば5人を囲む様に人だかりが出来ていた


「なんだろ?」


「何かあったみたいだね」


「あ、クラスの…」


「本当だ…大丈夫かしら…」


女生徒二人と男子生徒三人、女生徒の方は妹達と同じクラスメイトの様で…

男子生徒達が女生徒達に絡んでいる様だ、男子生徒の方は見た感じ1人は3年生で残りは1年だろう


「やめてください!迷惑です!」


「いいだろ?少しくらい俺達に付き合ってくれてもよ」


「あんまり怒らせないでくれよ、なぁ〜兄貴」


「そうだな!この俺様が誘ってるんだ!光栄だろう!」


「あなたが誰かなんて知りません!いい加減にしてください!」


やれやれ…学院で揉め事を起こすなよ…

ここはそういう事をする場所じゃないのによ、魔法を学ぶ場所だっての

そんな事してるくらいなら魔法の勉強をしろって話だ


俺は呆れながらもその様子を見守る

妹達は助けに行くか悩んでいるが、相手に3年がいる以上あまり手出しが出来ない

それは純粋に魔法の制御の問題があるからだろう

ここは教師を呼んで解決するしか他に無い


「なんだこの俺様を知らないのか!俺様は雷魔法の使い手、ブラッディ・ノーチェス様だ!」


「え!?あ、あの…」


その名前を言った途端に周りは騒めく

女生徒達は顔を青ざめる

嘘だろ…、まじがよ…、あの有名な…、初めて見た…

などと周りは騒いでいる

もちろん、俺たちもだが…しかし俺達は別の意味である

俺は立ち上がりテラスから下へ飛び降りる

その様子を見ていた三人も飛び降りてくる


「その名前は本当か?」


「なんだお前は」


周りの騒がしい声は消え俺の方を全員が見つめる

俺は気にせずに3年生の前へ

俺を見る3年と1年の男子生徒は首を傾げているがそんなことはどうでもいい

俺はもう一度問いただす


「もう一度聞く、その名前は本当なんだろうな?」


「ふん生意気な奴だな!俺様がブラッディ・ノーチェス様だ!」


俺はあまり社交会等には参加してない為か俺の人相は殆ど出回っていない

まぁ…人の名前を勝手に使う輩がいるのは知っていたが…ここで会うとは…


「あーぁ…お前死んだわ、兄貴に逆らうからだ」


「そんな奴さっさとボコしてくださいよ兄貴!」


一年の男子生徒が息巻いて言い始める

その様子を見て女子生徒は俺に謝る様に言ってくるが無視


「大丈夫ですよ」


「そうだね、あの人だし…寧ろ相手の方が気の毒かな?」


「可哀想に…手加減はしてやりなよ」


「少しは俺の心配をしないものか?」


妹達が後ろで女子生徒を宥めながらも俺の心配よりも相手の心配をしていた

少し悲しくなったよ俺は…


「まぁそんな事より…さっさとお得意の雷魔法でも使ったらどうだ?」


「生意気言ってんじゃねえぞ!雷は…」


3年は詠唱を始めるが…


「遅いぞ」


俺は無詠唱で魔法を唱える、もちろん魔法は最も得意とする雷魔法だ。

バリバリと音と共に激しい光が辺りを照らす


「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!」


黒焦げとまでは行かないが口から煙をあげて3年が倒れる

身体に帯電した電流がバリバリと音を鳴らしている


「え?」


「あ、兄貴!?」


1年の男子生徒が3年の男子生徒に駆け寄り触れてしまう、そのまま帯電していた電流が1年にまで流れて感電し倒れてしまった

そんな事はさておき聞いていようがいまいが俺は話し始める


「まだ俺の名前を言っていなかったな、俺の名はブラッディ・ノーチェス…俺の名前騙るな偽物」


「お疲れ様ですお兄様」


「おーよく焼けてる焼けてる」


「本人がいるとは思ってなかっただろうね彼等は」


この光景を見た者達は俺が本物であるとわかったであろう

(彼が…)(すげぇ…)(あれが滅雷の…)

(なんて制御力…)(ありゃ天才だろ…)

等周りが話してるのが聞こえる

周りが騒がしいのにも理由がある…それは魔法の発動、周りへの配慮、全て制御出来るのは実力が無ければ出来ない事だからだ


「何ですか!これは!?」


「あ、ミレディ先生」


「教師の許可なく魔法の使用は禁止ですよ!これの説明を要求しますよ!ブラッド君!」


俺が説明するのかい、まぁ現状を見れば俺が説明するしかないか…


「先生ブラッド様は私達を助けてくださったんです」


「あの人達に無理やり迫られて…」


「ミレディ先生、相手がブラッドの名前を騙りそれに対してブラッドは自身の名誉と公爵家の名誉が汚されない為に魔法を使用しました。それに先に使用したのは向こうです正当防衛で使用しただけですよ」


流石親友、俺への助け舟は最高だ

周りで見ていた生徒達も教師に説明をしてくれたおかげで俺へのお咎めは無しになった。






「なるほど…事情は分かりました。ここアニヴェスでは王族でも平民でも平等です。しかし…他の家名を名乗るのは相手の名誉を汚す行為です。彼等には厳しい罰が与えられますので安心してください…ですが…少しやり過ぎでしょう」


「も、申し訳ありませんでした」


「ブラッド君、君はノーチェス家の方です。手加減はしていた様ですね流石です、今回は証言があったのでお咎めは無しですが…次からは教師が来るまでは我慢してください」


「はい…気をつけます」


俺は頭を下げる

今回の件は家には伝えない事になった…助かった…

ミレディ先生は溜め息を吐きながら倒れた男子生徒3人を医務室へ連れていたのだった

その後俺は妹達と合流し女子生徒から感謝され、丁度なった鐘の音で妹達と別れ親友と共に午後の召喚の儀へ向かうのだった


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