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揺れる世界で僕たちは

作者: T.S.

私は最近電車に乗るようになった。別に電車が好きになったとか、電車で観光したくなったとかそういうのではない。いわゆる通学だ、そんな私のほんの小さな体験談をここにつづる。

 九月も終わりに近づき、秋が本格的に夏を飲み込もうとしていたある日。私も終わらされようとしていた。テストだ、オンライン授業という名ばかりのずさんな授業をサボった上に課題も真面目に取り組まなかった私は本格的に終わらされていたのだ。そのためいつもよりちょっと早めの電車に乗り込んだ。そこにはいつものように、目から光を失ったサラリーマンたちが椅子に体重をゆだね、抗うこともなく揺られていた。何駅かすると人が増えてくる、私と同じように何のために学校に行くのかわからない学生、目を焼くように光り輝く希望を持った小学生たち。そんな中で私は揺られ続けていた。電車の中では特にすることもないので私はおもむろにカバンからイヤホンを取り出し、絡んでいるのを雑にほどいていった。その後スマホに突き刺した。最近ハマっているVoundyの「不可幸力」を聴くためである。そしてまた揺られ、その駅に着いた。そこでは十数人が乗ってきた。その内の一人の女性が私の隣に座った。私の中でそれっぽいBGMが流れた気がした。思春期という名の発情期、関ヶ原の戦場のど真ん中にいる一高校生男子としてはとても大きな出来事だった。それに、私には残念ながらそのような縁がないのだ、現在進行形で。そのため余計大事だ、関ヶ原で豊臣軍の小早川が裏切った時並みの衝撃が走った。そして電車は走り出した。そして我々を揺らした。しかし、彼女は違ったのだ。睡魔という社会によって生み出された悪魔に揺らされていたのだ。が、私にとってその悪魔は天使、あるいは本田翼にも見えた。そしてそいつは俺の肩に頭が当たるか当たらないかというあの悪魔的遊戯を始めたのだ。揺られている姿に私はむしろ某ウイルス発祥の地の当たり屋ばりに当たっていこうかと思った。しかしそれは私のポリシーに反していた。エロとは常に流れによって生まれるもの、そんなポリシーだ。内心とても当たりたかったが、俺はそんなことを考えながら揺られ、彼女を視線の端の方に置いていた。そしてそれは鳴り響いた、「次は△駅次は△駅から」テレビゲームの最中にテレビのリモコンをいじってバイキングをかけた母と一瞬重なった。そして私は揺れから解放された、しかし彼女は揺れ続けていた。

 「行雲流水」という言わざがある、これは流れに身を任せるという意味だ。しかしあの時の私を表すなら「幸雲流水」だろう。幸せを流してしまったのだ。そしてこれからも社会という荒波に、学校や会社という不確かな船に乗り揺られ続けるのだろう、彼女も。

 最後まで読んでいただき誠にありがとうございました!作中登場したVoundyの「不可幸力」はhttps://youtu.be/Gbz2C2gQREIから飛んで是非聴いてみてください!文章ががつたない部分がたくさんあったと思いますがその辺は許してください、お願いします!これからもこんな感じの変なのを描きたいのでよろしくお願いします!本当にありがとうございました!

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