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Tanaka-KOZO 短編小説集

最後の夏

作者: Tanaka-KOZO

  長いようで短かった夏が終わろうとしていた。

学生時代、夏休みだけの住み込みのアルバイト。


8月最後の日の夕暮時、僕は君とおしゃべりをしていたら駅に向かうバスに乗りそこなった。


次のバスが来るまで、だいぶ時間が空いてしまった。


 僕たちは2人で出かける事は無かったが、休みの日にはバイト仲間らと、鎌倉へ出たり、花火大会を見に行ったり、海へ泳ぎに行ったりとした。


そんな思い出話を、名残り惜しくて君といろいろしてたんだ。


 バス停に僕が東京へ戻るバスが来た時、僕は心の中で早く君に何か言わなくっちゃ…と焦ったんだけど、結局大事な事は何も云えずにバスに乗り込んでしまった。


ただひとこと笑顔で「また…」とだけ言い残して…。


本当はもう2度と会うことが無いのだと2人とも分かっていた。


バスの後部座席から、ただひとり見送りに来てくれた君の顔を最後に見た。

その顔がさみしそうに見えたのは、僕の気のせいだったのだろうか?


 携帯電話の無い時代、東京とこの地では2人の距離は遠すぎたかも知れない。


 お互い、もうずいぶん年を取ってしまったね?

君は元気でやっているのかな?


 夏が終わろうとしている夕暮時の海を見ると、あの時のシーンが今でも思い起こされる。



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