約束
「はーい、シュウジ様出来ましたよ!私特製、ビーフカレーです。ほらほら、ヨダレ出てますよ?ほらほら食べてください。」
美味しそうだ。見た目、香りどちらも文句のつけようがないほど完璧だ。不覚にも、よだれが出てしまった…
「じゃあ、食べようかな?」
僕は、空になった胃袋にこの光り輝くビーフカレーを口へ運び込む。
「おいしい、これいける!」
皿を持ち、必死になって口へ掻き込む。その時、僕はふと疑問に思う。
「メイさん、少しいい?」
僕は、目の前でビーフカレーを上品に食べているメイさんに質問をする。
「メイさんの親御さん、心配しないの?もうあたり真っ暗だけど…」
夕日は完全に沈み、月が昇っていた。
別に僕の方は問題ないが、メイさんの親御さんが悪い方に勘違いして警察沙汰になったらとんでもないことになる。
「大丈夫ですよ。私、今日まで一人暮らししてたので。」
一人暮らし?高校生が?まぁ、僕も一人暮らしなんだが。
何か事情があるのだろうか?
カレーを口に入れる動作を止め、色々な可能性を考えていたらメイさんは、にやけた表情で聞いてくる。
「ははぁーんシュウジ様、もしかして期待とかしてました?私がシュウジ様、のこと好きなんじゃないかって?」
「そ、そんな訳ないだろ?こ、このビッチ!」」
「ひどっ!」
あっ、やってしまった。
まったくの的外れだったが、恥ずかしすぎて、ついきつい口調で言ってしまった。
メイさんの方は、意識がどこかへ行ってしまっているようで「処女なのに」と連呼している。
これ100%僕が悪いやつじゃんか…
「メ、メイさん。ごめん、僕が悪かったよ。」
僕はすぐさま謝ったのだが、メイさんは意識をどこかへやってしまってから上を見てそこからビクともしない。
「なんでも言うこと聞くから機嫌直してくれよ…」
そう言った瞬間だった。どうやらメイさんの意識は戻ってきたようだった。だが、一つ問題が………
「なん、でも?」
まずい。
「なんでもと言いましたね?」
やっと意識が戻ってきたかと思えば、次は不敵な笑みを浮かべる。
何か良からぬことを考えていることは手に取るように分かったが、僕自身が言った言葉を取り消すなんてことはしない。さあ、こい!どんな要求でも聞いてやる。
「じゃあ、要求しますよ〜。そうですね……今週の日曜日、一緒に買い物にいきましょう!」
「なんだ、買い物か。ならいいよ。」
「えっ?」
なぜかメイさんは驚いた表情をする。だって買い物じゃないか?食材買って、服買って、趣味の物を買う。それだけだろ?よしっ!無理難題を言われなくて良かった。
「じゃあ、食べ終わったし、風呂入って寝ようかな。ごちそうさま。うまかったよ」
そう言ってシュウジは、今週の疲れを取るために、風呂に入る準備をしに二階へ上がるのだった。
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