プロローグ
「もし、私がシュウジ様に告白したら頷いてくれますか?」
暖かい日差しと心地いい風が吹きつける四月。桜が舞い散る校門前で、彼女は本気なのか、はたまた冗談を言っているのかわからない質問をしてくる。
僕は戸惑う。こういう時なんていえば正解なのか。そもそも、スルーするべきなのか。
スルーしちゃおうか。
そんな考えが一瞬脳裏を横切るが、そんなことをする度胸はない。
そこで、僕は答える。
「メイさん、そういうのは軽々と言っちゃいけない。好きな人ができたら、気を引くための手段として大事に取っておくことがベストなんだよ。」
どこかで聞いたようなセリフだと思った?当たり前だ、テレビドラマやギャルゲーで使われるようなテンプレワードを言っただけなんだから。
彼女ができたのは二次元のみ。普段、あの人を除けば女子とは必要最低限のことしか会話をすることがない非モテの代表例のような僕に、オリジナルのかっこいいセリフをいうことができるだろうか?
否!はっきり言おう。僕には生涯言えるようになることは絶対にないだろう。
できるのは、引用してきたセリフのみ。
こんなモテるような要素がない僕に江藤メイは、コミュニケーションをとろうとするのだろうか。
この疑問に僕は、毎日のように頭を悩まされていた。
だが、行動だけならまだ許せる。問題はもう一つの方だ。
普通、女子高生が学校で着るものといえば制服だ。それは校則で決まっているものであり、常識である。
なのに、この子はなんで...なんで...
「なんで、メイド服なんだよぉぉぉぉおおおお!」
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