表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
らく〜にいこうよ  作者: 観音空
5/5

暗転

今から15年以上前のことなので、はっきり記憶していないこともありますが、当時の認知症の診断では、脳のCTやMRIなどの画像診断が大きなウェートを占めていました。もちろん、今でも診断には重要な手法だと思います。

たまたま実家の母の友人に総合病院に勤務する脳外科医がいたので(ドラマのご都合主義みたいですね)、診断を受けに、新幹線を使って、家族総出でお出かけすることにしました。


さすがに孫たちと一緒にお出かけするのは楽しかったらしく、何とか連れ出すことに成功。ただし、その時はかなり初期だったのか、大した診断結果にはならなかったのです。

一つだけ気がかりな結果としてわかったのは、ばーばの脳内に、脳動脈瘤が発見されたことでした。


もしも若い頃に見つかれば手術で取り除くことになっていたでしょう。その時の先生の話としては、破裂する確率は1年で1パーセント程度(だったと思います)。手術をして、ベッド上の生活をしばらくするとによる色々な身体の衰えと、破裂して亡くなる危険とどちらを選択するのがいいか、ということでした。

破裂しない方に賭けて、脳動脈瘤についてはそのままにすることにしました。


まあ、その時は、今後の様子で治療をすればいいんだ、くらいに感じていました。その後、特に何か治療をするでもなく、日常が過ぎていきました。ただし、相変わらずばーばの物忘れはあるし、だんだん酷くなっていきました。


初めの診断から1年くらいだったか経過した頃、ばーばを母のように慕っていた姪の方ですらもおかしいと感じるようなレベルまで進行してきました。


今度は、我が家の地元の病院で診断することになりました。


総合病院の待ち時間は長く、ばーばの機嫌を損ねないようにしているのはかなり大変でしたが、姪の方にも来ていただいて、誤魔化しながら診察をし、結果を待ちました。そして、出た結果は、思っていたよりも、今度は酷いものでした。


海馬の萎縮は大きくなっており、既に初期状態とは呼べない状況。とりあえず当時処方され始めていた認知症の薬を頂き、在宅治療がスタートしました。


薬を飲み始めてしばらくした頃、事態は大きく動き出しました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ