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港町から船へ

「ねぇねぇ、精霊王ってどんな人だったの?」

「活発で、姉御肌?」

「多分……」

「なんだそれ……なんで多分なんだよ……」


プルカを見送った後、私達はそんな会話をしつつとりあえず必要なものを買い揃えて国を出ることにした。変なのに付けられたら困るし、何かあったとしても国の外なら対処しやすいと考えた結果である


「主様、次どこ行くんだ?」

「どこがいいんだろうな……」

「東は危険だと思うから、もっと北の方行ってみる?」

「海、渡るのか……?」

「楽しみだね、船乗ってみたい!」


国を出たあと、地図を見ながら北に向かう。港町があり、海を渡ることが可能のようだ。楽しみ楽しみ


「それにしても、あいつらまだ着いてくんの?」

「……耳障り……」

「何もしてこない分にはこちらからても出せないし、確かにちょっとウザイよな……」


私達の後ろを隠れてながら着いてくる集団を尻目に口を開く。魔物じゃないだけまだいいと考えるのか、脳ある分厄介だと考えるのか……


「もういっその事飛んで撒いちまおうぜ完全に……」

「……それもそうだな。面倒ごとは今のうちに片付けよう」

「承知」

「飛ぶの楽しいんだよね!」


バサッと羽根を出す私達の横でラルクが走る準備を整えた。それが終わるのを合図に一気に空中に飛びあがり、目的の場所である北の港町まで飛空する


「なんでアイツら私たちに目をつけたんだろうな」

「わかんない。でも何となく精霊王が関わってるんじゃないかって思うよ。ほら、最近目とか欲しがる人いるじゃんか」

「恐ろしいなこの世界……」

「そんなもんだよ」


この世界も世界観なりに物騒なもんだと考えながら港町に到着。そこまで離れていなかったがあいつらは私たちを見失ったことだろう。方向的にすぐにバレそうなので船に早く行きたいところだ


「次どこいく?」

「なんか西の諸国が気になる形してる」

「形で選ぶの……?」

「形で選ぶ」


若干自分の元いた世界の国の形と似ている場所を発見し、次はそこに行くことを決意。三人とも仕方ないなぁって感じの表情してるが、こういう決め方もたまにはいいだろ?


「よし、しゅっぱーつ!」

「ガルマン様たまに子供っぽい所あるよね」

「うぐっ」


もっと大人っぽく振る舞います……はい……

なんてやっていると船も簡単に見つかり、船に乗るための部屋のチェックインと色々行ってお部屋に入室。二人ずつしか空いてなかったので隣同士の二人部屋2つを使うことになった。で、ここで喧嘩


「僕がガルマン様と寝るよ!僕の方が絶対いい!二人共唸り声といびき煩いし!」

「俺は主様に安眠を与えてやれんだよ!」

「……俺は体温が暖かい……」

「いや、喧嘩するなよ……」


私と寝るんだって煩い我が子らにどうしたもんかと頭を抱える。こりゃくじ引きした方が早そうだなぁ……


「はい、くじ引きしましょうねー」

「絶対勝つ!」

「ぼ、僕だって……!」

「……」


簡易的な魔法で作った不透明な風の渦の中に、水で膜を張った球体に魔法で作った石を入れた。水の球体に石が入ってなかったらハズレ、入ってたら当たりだ。わざわざ水の中に入れた理由は石だからバレるんだよ、当たりが。今インクないから仕方ない


「おし!これに決めた!……って、ハズレかよ!くぅーん」

「よしよし、ブラッシングしてやるからな」

「くぅーん……」


意気揚々と球体を取りだし、中に石がないのを確認すると一気にしょげたラルクをヨシヨシしながらキールに渦を向ける。意気込んで手を突っ込んだキールは、直ぐに決めたのかポンっと取ったものを上に向けた


「……あっ!当たりだ~!わーい!」

「……不覚……」

「よしよし」


あたりが確定した為オウガのハズレは確定となった。しょんぼりする二人を他所にキールはこれでもとかと飛び跳ねて喜んでいる


「えへへ~!ガルマン様と一緒~♪」

「ちぇ!俺ブラッシングしてもらうからいいし!」

「撫でて……」

「よしよし、拗ねない拗ねない」

「「むー……」」


可愛いなぁ、なんて撫で回していると今度はキールがそれに気付いて後ろに突進レベルのハグをしてきた。地味に痛いタックル


「ガルマン様、今日はいっぱい一緒に寝ようね!」

「血ぃ吸うなよ」

「ラルクの言うこと聞かなーい」

「あぁん?」

「喧嘩はよしこちゃんだぞー」


喧嘩し始めそうになる二人の頭を撫で、撫でられなくなったショボン顔のオウガの頭も順番に撫でた

腕が4本くらい欲しいなぁとか思ったのはここだけの話なんだが、3人も可愛い子がいたら全員撫でてあげたいよな……?


《夜》


キールと使う部屋で久々のベッドを堪能していると、キールが私の布団の中に入ってきた。フルフルと震えていて、外を見るとどうやら嵐の海域に入ったようで雷が鳴っている。初めてだからか怯えているのだろう


「キール、もっとこっちにおいで」

「う、うん……」


ギュっと私に抱きつくキールを抱きしめる形で耳を塞ぐ。自然と音は途絶え、キールは安らかな寝息を立てて次第に震えなくなり、そのまま眠りについた


「……やっぱり、まだまだ子供だな」


十六歳とはいえ、やはりまだ育ち盛りで怖いものも多いだろう。初めてのものは怖いし、ドキドキするし、慣れるにも時間が掛かる。だから、今はこうやって誰かに頼ることが大事だ。一人で抱えては行けない


「……あっちは大丈夫かな……」


隣の部屋を見ながら私はそう呟いた。オウガも大人の男に見せかけて怖いものが多いし、ラルクは精神面がまだ育ち切ってないから不安だ。まぁ、何かあったら私の所に来るだろう


「主ざま~!カミナリごわ"い"~!」

「……」

「早い」


そうこう考えているうちに二人とも枕を持って部屋にやってきた。仕方ないなぁと苦笑いして私は音魔法で外からの音を遮断した

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