いつも通りの朝
ようやく書けました~。
書きたい話はいっぱいあるのに時間がなかなか作れない・・・・・・解せぬ。
ガラガラガラッと音を立てて教室の扉を開く。
もうほとんどの生徒は教室に着いていて、何人かのグループで集まって談笑していたり、野球の朝練終わりなのだろう坊主頭の生徒が、眠そうに机に突っ伏していたりする。
そんな教室の中を僕は特に挨拶などすることも無く自分の席へ向かう。
自分で言うのもなんだが、新学期が始まって3ヶ月ほどたった今でも、僕はまだクラスに馴染めていなかった。
話せる相手も少なく、基本教室の隅の席でボケーっとしている。
ちなみに七海も同じクラスだが、前の教卓辺りで女友達と談笑しているため、とても話しかけられそうにない。
「はぁ、なんかとても寂しい高校生活を送っている気がするなぁ」
そうひとりごちりながら、自分の席に荷物を下ろし、今日の時間割を確認する。
「さてさて、一時限目はーっと」
朝から沈んだ気持ちをすこしでも盛り上げようと、声を出しながら支度をしているとーーー
「よぉ、何朝からしょぼくれた顔してんだ?」
と、後ろから声をかけられる。
振り向くとそこには洸輝ーー八神洸輝がいた。
身長は185センチぐらいでガタイがよく、髪はオールバックをワックスで固めていてワイルドなかんじが出ている。顔立ちも良くまさにイケメンと言った感じのやつだ。
洸輝とは七海と同じく中学からの友達で、話せる数少ない友人である。
ちなみに七海とは幼馴染らしい。
「おっす。てかさ、僕そんなにひどい顔してる?朝七海にも同じような事言われたんだけど」
「してるしてる。なんつーの?いつもより増して死んだ魚のような目をしてるぜ?」
「え、僕はいつもそんな顔してる様に見えるの?」
「見える。つーか自覚あってそんな顔してるのかと思ってたわ。いつも無気力そうだからな。」
そうかぁ、僕はいつもそんな顔してるのかぁ・・・・・・なんか凄くショックだ。
うん、今日からもう少し明るい顔になるよう心がけよう。
「暁ももうちょっとシャンとすれば、カッコイイ部類の人間に入りそうなのになぁ」
「うるさい。余計なお世話だ!」
「はははっ。そーゆーツッコミが出来るならまだ大丈夫そうだな。何はともあれ、もう少し元気だせよ?そんな顔されてるとこっちまで暗い気分になりそうだからな!」
笑いながらそう言って洸輝は自分の席へ向かっていった。
ああやって気さくに話しかけてくれる洸輝にはいつも助けられている。
心の中で洸輝に感謝しつつ席へ座る。すると間もなくチャイムがなり始め、先生がやって来て
「皆さん座ってくださーい。ホームルームを始めますよー。」
と、担任の先生ーー春川日向先生から号令がかかる。
しかしまぁ、いつ聞いても気の抜ける声だと思う。
妙に間延びしていて先生の雰囲気もとても柔らかいので声を聞いているとついつい気が緩んでしまう。
朝はいいが、授業となるととてつもない強敵だ。
「それではぁ、出席をとりまーす。青木さん、赤羽さんーーー」
いつものように出席を取っていく。いつもと何ら変わりない朝だ。
そうぼんやりと考えていると、ふと床に妙な黒いシミがあるのが見えた。
あんなの昨日まであったっけ?と、思っていると
ゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!
突然地面が揺れだした。「なんだ、地震か?」「少し大きくない?」「だんだん強くなってきてねぇか?」と教室がにわかに騒がしくなる。
そうしている間にもどんどん揺れは大きくなっていきーーーー
「な、なんだこれ!?教室の床が光ってるぞ!?」
と、誰かが声をあげた。つられて下を見ると、さっきの黒いシミのような物が、金色の光を帯びていた。
「えっ、これってーーーー」
見覚えがあるが、実在しないはずのソレをみて思わず声がでる。
しかし次の瞬間視界が暗転し、意識が闇の中へと落ちていった。
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その日、とある高校の1クラスから忽然と人が消えた。
当初はただどこかへ皆で行っているとおもわれていた。
しかし、彼らの持ち物と思われる物や、椅子や机は綺麗な状態で残っており、また40人近い生徒が一斉に失踪したことから、世間では大きな波紋を呼ぶことになる。
次回から本格的に入っていきます