戌年の野良犬。
今年は 『戌年だ!』
でも...僕は野良犬だ!
どこにも行けない。
たまに、エサをもらうかな?
僕の見た目が汚いから【人間】で
物凄く僕を嫌がる人もいるよ。
逆に、物凄くわしゃわしゃ撫でて
くれる【人間】もいる。
僕は行き場がない。
たまに、僕を保護しようとする
人間と会うかな?
でも、僕は自由がいい!
雨の日は、出来るだけ濡れないように
大きな木の下にいるよ。
僕は野良犬だ!
正直、人間に飼われている犬を見て
羨ましいと思う事もある!
でも、好きな時に好きなだけ外に
いれないでしょ?
それに、【飼い主と言う人間】がいる。
僕にはいない分、自由を手に入れている。
ただ、毎日生きていくので必死だけどね。
生きるって? 大変なんだよ。
それに、僕は誰にも飼われたくないしね。
◇
...でもそんな時、僕は病気になってしまった。
そこに【1人の大きな体の人間】が現れた。
僕はもう、朦朧としていた。
殆ど途切れ途切れで記憶がなかった。
気が付いたら? 物凄く明るいところだった。
なんか? カラダが変だ?
痺れている。
僕が見上げたら? その【大きな体の人間】がいた。
そして、この大きな体の人間が僕を抱えてこの人間の家に行った。
僕は、この日から【この家の子】になった。
僕がずっと拒んでいた場所。
ずっと僕は、 『自由』がいいと思っていた。
......でも違ったんだ!
このお家の子になってからは...毎日ご飯も、もらって
散歩にも連れて行ってもらって、そして優しい飼い主。
僕の汚かったカラダも綺麗にしてくれた。
でも病院と言うところは嫌いだ!
この【大きな体の人間】がたくさんの愛情を僕に注いで
くれているのが、僕は嬉しいんだ!
『初めての事だから。』
...はじめは戸惑ったけど...?
今は幸せだよ。
愛されるって? こういう事なんだね!
『戌年の野良犬から、僕は飼い犬になったよ。』
最後までお読みいただきありがとうございます。