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大事なこと、伝えたいこと

遊覧飛行に羽根を持つ

作者: ヒョードル

――もうダメだ


この言葉が浮かんだ時、旅人は空を捨てる


一日の始まりをその青に覚え、一日の終わりをその橙に嗅ぐ


変わり映えしない群青の宇宙を撫でて、寝る


数え切れない星も、太古から同じ光を揺らす


永遠に近いときを奏でるのは、大地を踏む音


それら日常を壊す時、人は空を捨てる


――なぜ?


胃が破れ、血を吐き、骨が砕かれ、肉が裂け、


脳が腐り、足が折れ、手が曲がり、髪は落ち、


頬は痩け、目が溶ける


その時旅人は空を捨てる


地の底しか見ない 空は消える


ただ一面の黒い塊 稀に紅蓮 寒い


空はない



――ダメじゃない


捨てた筈の上から何かが叫ぶ


声 言葉 言霊を秘めた意思


風が頬を叩く


――いいじゃない


草が尻を叩く


――いいんだよ


熱が背中を叩く


――顔上げろ


体が浮く 上から引っ張られる 首根っこを掴まれる


上を見た


いつもの空 青く蒼く群青い空


体は軽い 雛鳥の羽毛のよう


下を見る 黒は見えなかった


あの時聞こえた言葉はなんだろう


空の彼方まで飛ばした言霊 一つではなかった


言霊たちは、決して地面に突き刺さらなかった


体を軽くして、遊覧をさせてくれた 翼をくれた


切符は手に持つ一枚の羽根


『これで――を描こう』


旅人は思った


星の光と果てない空があれば何でも描ける


羽根が踊り出した


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― 新着の感想 ―
[一言] 胸が締め付けられる感覚。 一瞬、大地の精霊と繋がった気が。 どういうことか。
2018/12/28 22:20 退会済み
管理
[一言] 何という素敵なタイトル。こういう綺麗なタイトル思いつくの羨ましいです。 事情がよく分からなかったので割烹にはお邪魔しませんでしたが、創作意欲がある事、諦めかけたような詩の内容の最後に希望が…
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