みのり
紅茶色に染まってゆくきみのノイズ
気が向けば檸檬を浮かべるさ
ハッとして振り向けば
ビブラートが眠りに誘う
さざなみがとけてゆく
何もないけれど祈ることは罪じゃない
ささやかな魔法にかかったみたい
きっと間違いなんだと
とっくに気付いていたのにね
輪郭がぼやけてゆく
育むことはどんなことでも実りあること
たとえそれが残酷さを孕んでいると
知っているとしても
明りとは何を基準に照らすのだろう
目を瞑れば平等な闇
実りとは祈りの魔法を含んでいる
それは強い想いを忘れないこと
神にすがるのではなく
もっと確かなものとして刻みを込める
それが実りと気付かないうちに
いくつも小さな’'みのり”がそこに
赤蜻蛉の群れが遠くに見える
夕焼けは頼りない色で空笛を吹く
美味しい匂いがする
それが寂しいと感じられる幸せ
秋はこんなポエムもいいよね
隣のきみに寄り添って紅葉