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10 大航海時代からアシエンダ制まで

「普通にテスト間に合わないよ!?」

「死ぬ気で覚えろ。」



大航海時代


「大航海時代の始まりはヴェネツィア商人のマルコ=ポーロの書いた世界の記述からだ。」

「黄金の国ジパングとか言い出した人だね。」


「海外進出の背景には三つの理由があった。一つはこの世界の記述からのアジアへの関心の高まり。もう一つは経済的動機で香辛料の需要の高まり。オスマン帝国の地中海進出により、東方貿易に障害が生じてきたからヨーロッパ勢はアジアと直接貿易がしたかった。もう一つが宗教的動機。国土回復運動、レコンキスタの延長で、東方にはヨハネの王国があるっていう伝説、プレスター=ジョン伝説があったのも一つの要因だろうな。」

「好奇心と経済と宗教。よくある動機だよね。特に経済と宗教。」


「で、まあこれとともに科学技術や思想の発展もあった。あげるなら羅針盤、造船技術、地球球体説。まずはアジアへの来航な。」




アジアへの来航


「初めはポルトガルの航海王子こと、エンリケのアフリカ西岸の探検。」

「わあ、航海王子ってなんかアホっぽい。」


「いうな、そんなもんさ。次にバルトロメウ=ディアスがジョアン二世の命で1488年に喜望峰に到着。1498年にはかのヴァスコ=ダ=ガマ=がインド西岸のカリカットに到着。こんな感じでポルトガルはガンガン航海していって経済区域や領地を増やしていく。1505年セイロン島、インドのゴア、マラッカ王国、モルッカ諸島を占領。1517年には清の広州で通商、マカオに来航。1543年には鉄砲を持ったぽるおがる人が漂流。1557年にはマカオに移住権を取得。一躍ポルトガルの首都リスボンは世界経済の中心になった。」



アメリカ大陸への到達


「次アメリカ―。アメリカ大陸に最初にたどり着いた人といえば?」

「コロちゃん!コロンブス!」


「友達か。ジェノヴァ出身のコロンブスはトスカネリの地球球体説の影響を受け、スペイン女王からの援助を受けてパロス港を出港。1492には西インド諸島と呼ばれるサンサルバドル島に到着。」

「なんで西インド?」


「間違えたから。16世紀になるまで新大陸ってことにだれも気付かなかったんだ。カボット親子はニューファンドランド・ハドソン湾を探検。1500年にポルトガル人のカブラルがアジア時に向かう途中でブラジルに漂流。四回目の南米探検の時、フィレンツェ出身のアメリゴ=ヴェスプッチが1501年にアジアではなく新大陸であると発見。ドイツの地理学者ヴァルト=ゼーミュラーはアメリカと命名した。」


「アメリゴ=ヴェスプッチ……!だからアメリカっていうんだ。」


「それから1513年。スペインのバルボアがパナマ地峡を横断し、太平洋に到着。で、まあここまで来ると球体の地球を一周してみたいって考える奴が出てくるわけだ。1519年、ポルトガルのマゼランがスペイン王カルロス一世の援助を受け、セビリャを出港。1520年にアメリカの南端に水路を見つけてこれがのちのマゼラン海峡になる。ここまでは良かった。だが1521年、フィリピンに到着するも現地のラプラプ王に負け、戦死。1522年、マゼランの死後、部下がパロスに到着し、世界一周が成功した。」


「マゼラン切ない……!」


「あと世界一周したのだと、エリザベス一世の命で、イギリス人のドレークが世界周航をしてる。」




スペインのアメリカ侵略


「今でこそアメリカは強いが、この時代文明力は低く、ヨーロッパから来た人間にあっという間に侵略された。キリスト教布教のもとに行われた侵略活動はコンキスタドールと呼ばれていた。んで、このコンキスタドールで、1521年にコルテスはメキシコのアステカ王国を滅ぼす。さらに1533年にペルーのインカ帝国をピサロが滅ぼした。」



ヨーロッパの変容


「まあそんなこんなでヨーロッパは変革を迎えた。」

「そんなこんなて……。」


「まず一つに産業革命。商品の産地や種類、量がヨーロッパ規模から地球規模に拡大。経済の中心は北イタリア都市から海に近い大西洋岸都市に移る。ポルトガルのリスボン、アントウェルベン(ベルギー)、アステルダム(オランダ)って具合にな。」


「次に価格革命。アメリカ大陸から大量の銀が流入、スペインが支配したポトシ銀山がその代表だな。さてここで常識的な質問だ。銀が大量に流入したら物価はどうなるか。」


「ええと……とりあえず銀が増えると、銀の価値が下がる。銀の価値が下がるから……数字的な物価は高騰する?」


「正解。この物価高騰のせいで、南ドイツの大富豪、フッガー家とかな、貨幣地代で生活していた領主は大打撃を受けた。」

「久しぶりに出てきたなフッガー家。」


「次に貿易。スペインによるメキシコのアカプルコを起点とするアカプルコ貿易やガレオン貿易が台頭するようになる。」

「つまり、どういうこと?」


「まあ一つの例を挙げるとな、この時代植民地を多く持つヨーロッパは銀の価値が低迷していた。だから下手に銀をヨーロッパ内で回すより他国にだした方が何かと都合が良かった。しかもこのとき中国も銀を国の硬貨として使っていた。マニラやアカプルコ、ポトシ銀山から中国へ銀を輸出、逆にヨーロッパでは中国の土器、景徳鎮の陶器や中国製品が流行っていたから絹や陶器を輸入していた。」



アメリカ大陸の変容


「この時期のアメリカ大陸は主にスペインに支配されていた。そのスペインが行った土地制度がエンコミエンダ制。スペイン国王が植民者に征服地の土地住人の支配を委託する制度だ。結果、植民者は先住民のインディオを酷使。そしてインディオはヨーロッパから入ってきたペストや天然痘も相まって人口が激減。そこで植民者はアフリカから黒人奴隷を輸入し酷使。」


「酷いなぁ……。」


「まあ当然白人の中にもこの現状に異を唱える人もいる。それがドミニコ教会の修道士ラス=カサス。『インディアスの破壊についての簡潔な報告』を発表し、インディオの酷使を批判した。まあ何かそれでかわったわけではないがな。今までは使い捨てのように奴隷を遣っていたが、病気やもろもろの理由で奴隷の数は減少していった。そこでエンコミエンダ制に変わるアシエンダ制。エンコミエンダとは違い、黒人奴隷を労働力とした大農園、プランテーション制度だ。」



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