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捏造エッセイ  作者: 里見
2/10

2.モーターショーについて

※このエッセイは捏造です。

 実在の人物・団体・動物・行動・自然現象等には一切関係ありません。


 TVでモーターショーのニュースを見るたびに思うのだが、公共交通網の発達した都会で開催しているにも関わらず、一般人にアンケートすることに意味はあるのだろうか。

「興味ありますが買う予定はありません」

「電車しか利用しません」

「買っても維持費がかかるだけで、運転する機会がないですね」

といった意見しか集まらないだろうと想像してしまうのは、地方在住者のひがみではない。ないぞよ。



 都会での開催自体については、主要輸出品目に車関係が大きな割合を占めているから、世界に向けてアピールするため必要ではあるのだろう。

 一般客がいるかどうかは分からないが。

 もっと地方の都市で開催した方が、集客力があるのではないかと思うのだ。

 どことは言わないが私の住む町で。

 農閑期に小規模に。ぜひとも。

 娯楽施設と言えばホームセンターか隣町の大型ショッピングセンターしかない我が町ならば、会場は毎日満員御礼になるに違いない。


 但しくれぐれも農閑期に限る。

 我が町において黄金週間などは存在しない。

 代わりに第一次産業専従期間ならば存在する。期間明けにはこんがり小麦色になっている。

 他地域の人に旅行先を聞かれた場合は、日本人らしくあいまいに微笑んで、

「いい汗かいたよ」

とごまかすよう代々言い伝えられている。

 今もいい汗をかいている。

 目から汗が出ている。汗が止まらない。ちょっと水で流してくるので待ってほしい。



 洗顔してさっぱりしたような気がするので話を続ける。

 地方都市では公共交通機関があまり充実していない(少し謙虚に表現してみた)。

 これは国内における暗黙の事実である。

 移動手段は徒歩か自転車という地域もあるのである。

 最寄りのバス停は2キロ先である。いい汗がかける。すまない、もういちど洗顔してくる。



 例にもれず、我が町も公共交通機関の充実度が低い。

 このあたりでは1家に2台以上は常識である。

 1台目は軽トラ、2台目以降が普通乗用車。

 ヘビーユースされるのは当然ながら軽トラである。

 コンパクトなのに荷物がいっぱい乗せられるという優れもの。全開にした窓から流れ込んでくるさわやかな風。荷台で揺れるみずみずしい緑色をした苗。

 軽トラ素敵!引っ越しにも使えて超便利!


 近所(山ひとつむこう)の自動車販売店に勤める知人によると、その店の年間売上第1位は軽トラである。

 ワースト1はオープンカー。ここ数年1台も売れていないらしい。

 地元の語り部によると、その昔、都会に出てオープンカーを買ったのはいいが、帰郷するとき峠で猛吹雪に見舞われ、あわや凍死しかけたワカモノがいたらしい。


 かつては挑戦者魂あふれるワカモノがいたようだ。

 うむ、いつの時代であろうと未開の地に踏み出す勇気は必要だ。

 私と私の身内を除いてどこかの誰かが挑戦してくれることを望む。



 なお、スポーツカーは全般において売上低迷が続いている。

 積雪の多いこの地域においては、車高の低さが致命的欠点であるとのこと。

 私としては、誰かが、改造スポーツカーで除雪してくれた道路を運転したいものである。




 ここまで書いておいてなんだが、モーターショーから遥か彼方にきてしまっている。申し訳ない。

 モーターショーでは、未来の購買層に向けた最新モデルを発表しているわけだが、確かに心惹かれるデザインと機能をしている。

 実際に行ったことはない。

 ニュースを見た妄想いや感想である。

 いちど行ってみたいが、大人の経済的な事情(妻に怒られる)で断念している。

 これからはハイブリッドだけでなく、電気や水素を燃料とした車が増えるようなので、エコや燃費の良さが前面に押し出されている。

 ふっ、私もそのうち買うつもりでいる。そう、宝くじが当たったら。きっとそのうち買えるはず。



 だが車に関して、低燃費などよりも先に、声を大にして言いたいことがある。

 近所にガソリンスタンドを造ってほしい。

 一番近いスタンドまでの往復で1リットル必要なのだ。


※上記の文章は全て捏造です。


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