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終章 東京

気がつくと、芝公園に立っていた。


夜だった。


空には星が少ない。


だが、街灯が明るい。


背後には


東京タワー


が立っていた。


赤い光が夜空へ伸びている。


悠人は振り向いた。


門は、ただの門だった。


静かに立っているだけだった。


江戸の気配はない。


だが悠人には分かっていた。


この門の向こうに、江戸がある。


東京の下に、江戸がある。


悠人は境内を歩いた。


授与所の前で、足が止まった。


そこに一人の巫女がいた。


白衣に緋袴。


若い女性だった。


悠人は思わず言った。


「あなたは……」


巫女は微笑んだ。


「お守りはいかがですか」


普通の言葉だった。


だが、その目を見た瞬間、悠人は理解した。


同じ目だった。


江戸の夜で見た目。


町の時間を知っている目。


巫女は小さなお守りを差し出した。


そこには、こう書かれていた。


町守


悠人はそれを受け取った。


巫女は静かに言った。


「町は続きます」


風が吹いた。


木々が揺れる。


遠くで鐘が鳴った。


ゴーン……


悠人は空を見上げた。


東京の空だった。


だがその下には、江戸がある。


町は続く。


形を変えて。


名前を変えて。


それでも続く。


悠人はゆっくり歩き出した。


芝の夜は、静かだった。

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