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ゴミ箱は魔女の宝物 ~ゴミばかり集めてたら最強魔女っ娘になってました~  作者: 嬉々ゆう


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26/28

(26)初めてのクエストは、トイレスライム?

冒険者ギルドで、ルーナとサミが選んだ最初のクエスト。

それは、剣でも魔法でもなく――生活のための依頼でした。

トイレ事情の改善。

つまり、トイレスライムの捕獲です。

周囲が顔をしかめる中、

なぜか一人だけ目を輝かせる魔女がいて……。

今回も、ちょっと変わった冒険のはじまりです。

 


 ・⋯━☞ ハンドール公爵領 ☜━⋯・


   ・⋯━☞通称商業街マイーヤ☜━⋯・


 ・⋯━☞ 冒険者ギルド内受付 ☜━⋯・



 翌朝二の金の時、ルーナとサミは冒険者ギルドにいた。



「おはようございます!

 ルーナさん サミさん 」


「「おはようございます!、ペニーさん!」」


「本日は、どのようなご要件でしょうか?」


「ああ、スライムについて、聞きたいんだが……」


「!……」



 この時、ペニーの笑顔が一瞬だけ固まった。



「うんうん!」


「スライム……ですか?」



 ペニーの視線が一瞬下がった。

 



「スライムだと……」


「うわーマジかよww」


「……」

 (顔をしかめるサミ)


「ふふん~~~♪」

 (気づかないルーナ)



 あまり、好まれる依頼ではないようだ。

 他の冒険者達からの、ざわつきを感じる。

 サミの眉間にも深いシワが寄っていた。


 今日、冒険者ギルドへ来た理由は、

 ゴミ捨て場の衛生環境を改善するために、

 まずは、”トイレ事情”を解決したいと思ったからだ。

 もちろん、ルーナの強引な押し切りによってだが。

 結局、サミは折れてしまった訳だ。


 つまり、”スライムトイレ”を作るために、

 スライムを捕獲する方法について、

 他の冒険者たちは、どのようにしているのか?を、

 ギルド受付嬢のペニーに聞きに来たのだ。



「もしかして、トイレスライムの捕獲でしょうか?」


「「そうそう!」」


「トイレスライムの捕獲は、

 ”生活環境改善目的”として常時依頼されています

 このクエストを、お受けになりますか?」


「ふむふむ!」

 (頷くルーナ)


「……(訝)」

 (露骨に嫌な顔をするサミ)


「ああ、はいはい!

 トイレスライムは需要がありますからね!

 長生きしても、2~3年ほどですから。

 なので、常時依頼されているのです。」


「ほおほお」


「……」

 (既に知ってるサミ)



 トイレスライムの寿命はとても短い。

 それに、スライム種のなかでも、

 分裂するのが生涯で一度だけである。

 そんな理由から、常時依頼されているのだ。



「でしたら、まずは、

 トイレスライムをおびき寄せるための”エサ”と、

 トイレスライムを捕獲するための”器”を、

 ご用意する必要がありますね。」


「「エサと器……」」


「はあい! それと、気をつけなければならないのは、

 トイレスライムは、水がなければなりません!」


「「ほほぉ……」」


「ですので、トイレスライムを入れる器は、

 水が漏れない物でないとダメですよぉ?

 水が無いところでは、生きられない生き物ですから」


「「ふむふむ……」」



 やはり、ルーナの思ったとおり、

 トイレスライムとは、水が必須!

 そのためには、水を入れても漏れない物が必要。

 となると、網や麻袋などではダメだ。

 水槽、大きな瓶、もしくは壺がいいかも?



「そして、いくらスライムの最弱種とはいえ、

 一応は、魔物ですからね?

 水が無い場所に長い間放置し続けると、

 乾燥して死んでしまいますし、

 稀に暴れだすこともありますからね!」


「「はい・・・・・・」」



 そして、もうひとつは”エサ”の情報である。



「では、エサとは何がいいんだい?」


「はい。普通は、トイレスライムがよく好んで食べる、

 ”腐りかけた魔物の死骸”がいいですね!」


「「えっ……(汗)」」



 そうきたか!

 トイレスライムとは、生き物の死骸や、残飯、

 そして、汚物を食べる魔物として認識されている。

 その中でも一番は、”腐りかけた魔物の死骸”だそうだ。

 ”汚物”もいいのだが、(比較的手に入り易い)

 流石にそれは持ち歩くのには、勇気がいるというか。

 で、却下。


 ここでルーナはともかく、サミは困ってしまった。


 元々は、”トイレスライムの捕獲”という仕事は、

 ハンドール公爵が、元スラム街の人たちに与えた

 仕事のひとつであり、普通は冒険者には依頼しない。

 なぜなら、誰もやりたがらない仕事だからだ。


 なにせ、第一にエサが”臭い”……。

 トイレスライムの好んで食べるものは、

 腐りかけの死骸、残飯、汚物であるが、

 どれも”臭い”が誰も受けたがらない理由である。


 なので、ハンドール公爵は、

 定期的にトイレスライムの捕獲依頼を、

 元スラム街の人たち用として、冒険者ギルドに、

 委託しているというかたちである。



「ああ、それともう一つ!

 エサの臭気には気をつけてくださいね!」


「え?」


「……」


「トイレスライムが生息するのは水辺が多いです。

 ですから、生息地に着くまでは、

 できる限り臭気が漏れないように!

 でないと、生き物の死骸を食べる魔物が

 寄ってくる可能性もありますからね

 例えば、ビッグ・バルチャーとか……」



 ……と、いう話をペニーから聞いた。



「ビッグ・バルチャー?」


「でっかい、頭のハゲた怪鳥だよ」


「それって……ハゲタカ?」


「は? はげ?」


「うぅん! なんでもない……」


 

『確か、地球のハゲタカも、死肉を食べる?』


 ……と、ルーナは思い出した。


 地球とこの世界では、なにか共通点がある気がする。

 そう感じたルーナだった。



「ううむ……いきなりハードルが高いな」


「なんで? 簡単じゃない?」


「ええ? ルーナそれ、本気で言ってる?」


「うん! 本気」


「……臭いよ?」


「うん! 知ってる」


「……気持ち悪いよ?」


「うん! それも、知ってる」


「……それでもする?」


「うん! そのつもり」


「!……はぁ~~~わかったよ

 トイレスライムの捕獲、受けるとしよう」


「うん!」


「……まったく、俺はこんなことをするために、

 この街まで来た訳じゃないんだけどなぁ~~~」



 そうなのだ。

 サミが、この街に来たのは冒険者ギルドにて、

 ルーナがエアーツ鉱山へ入山するときに、

 同行する護衛を申請するためだった。


 エアーツ鉱山では、ルーナには作れない

 特殊な魔石が採れるからである。


 だが魔物が出るので”護衛依頼”を申請に来たのだ。



「でもさぁ、あのスライムちゃん

 トイレスライムって、正式名称だったんだね!

 あははっ 面白いね! なんだが可愛いね♪」


「面白いの? 可愛いってで(汗)」


「ほら! 魔物の死骸を探しに行くよ!」


「スライムを入れる容器はあるの?」


「それならもう、水の入った壺を、

 マジック・バッグに入れてるから。」


「いつの間に?!」


「ずっと前から」

 (いつかスライムトイレを造ると見越していた)


「?!……はぁ~用意のいいことで……

 はぁ……なんで、そんなに楽しそうなのぉ?」


「うふふふ……(楽)」

 (目をキラキラさせるルーナ)


「はぁ……これも護衛の内か

 結局、ルーナには負ける……

 ああ、待ってくれよ(汗)」



 ルーナとサミは、トイレスライムの捕獲のために、

 まずは、”魔物の死骸”を確保するために街を出た。




 ・⋯━☞ハンドール街南門前☜━⋯・



「身分証を見せろ」


「「はい」」



 ルーナとサミは、冒険者の証明となる、

 ”クリスタルプレート”を門番に掲示した。


 クリスタルプレートとは、

 ”クリスタルクラス”の証である。

 だが、最下位のクラスだ。

 ルーナとサミも、昨日、冒険者ギルドに

 冒険者登録したばかりだ。

 1番最低クラスなのは当たり前である。

 ルーナの感覚でだと、サミは”ラピスラズリクラス”でも

 不思議ではないのだが。



 ここで、冒険者クラスについて少し。


 これもまた、異世界あるあるではあるが、

 この世界の冒険者クラスを示すのは、

 全て、”魔石(パワーストーン)”製のプレートである。

 魔石をプレート状に錬成されたものだ。

 魔石プレートには、今まで受けた依頼に、

 依頼完遂または失敗記録だけでなく、

 討伐した魔物などの詳細も、自動的に記録される。

 

 冒険者クラスは、レベルによって魔石が変わる。

 (その詳細については、”後書き”に表記)


 クリスタルクラス=最下位なのだ。


 

「ギルドから依頼を受けたのか?」


「そうです」


「スライムちゃん、見つけるの!」


「そ、そうか……通ってよし!」


「「はい……」」



 ルーナとサミは、トイレスライム捕獲のため、

 ハンドール公爵領、通称マイーヤ街から外に出た。




第26話を読んでくださり、ありがとうございます。

今回は、冒険者ギルド回でした。

英雄的な依頼ではありませんが、

「誰かがやらなければ困る仕事」

そんなクエストを、ルーナは迷いなく選びます。

なお、本文中に出てきた冒険者クラスの詳細については、

世界観説明として後書きにまとめています。

物語のテンポを優先し、本文では最小限の描写にしていますので、

気になる方はそちらもどうぞ。

次回はいよいよ、

トイレスライム捕獲に向けて野外へ。

何事も、計画通りに進めばいいのですが……。

引き続き、お楽しみいただけたら嬉しいです。


・⋯━━☆★☆━━⋯・

冒険者クラスについて。


 ◇クリスタル

   レベル~10

 ◇アメジスト

   レベル11~30

 ◇ジェィド

   レベル31~50

 ◇ラピスラズリ

   レベル51~70

 ◇オパール

   レベル71~90

 ◇アクアマリン

   レベル91~110

 ◇サファイヤ

   レベル111~130

 ◇ルビー

   レベル131~150

 ◇エメラルド

   レベル151~170

 ◇ダイヤモンド

   レベル171~190

 ◇ブルーダイヤモンド

   レベル191~210

 ◇レッドダイヤモンド

   レベル211~


 と、こんな具合だ。

 ルーナとサミは、レベルこそ高いが、

 まだ冒険者に登録したばかりなので、

 ”クリスタルクラス”扱いとなっている。

 どんなにレベルが高くても、

 誰でも最初はクリスタルクラスなのは変わらない。


 また、レベルがいくら高くても、特別な理由がなければ

 一気にレベル相当のクラスに認定されることはない。

 地道に依頼(クエスト)を完遂して、実績を積む必要がある。


 クリスタルクラスから、

 次のアメジスト(紫水晶)クラスになるためには……


 素材採集クエストを10回以上。

 雑用依頼(掃除、運搬など)2回以上。

 クラス相当のレベルに達している。


 これらの条件をクリアして、初めて昇格される。


⬆本文に入れるつもりでしたがカット。

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