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ゴミ箱は魔女の宝物 ~ゴミばかり集めてたら最強魔女っ娘になってました~  作者: 嬉々ゆう


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13/27

(13)草刈り鎌が規格外すぎた件

今回は移動中のお話です。

ルーナの作る魔導具は、今日も平常運転で規格外。

そしてサミは、だいたいいつも振り回されます。

ほのぼの(?)草原編、どうぞお楽しみください。




 ・⋯━☞マイーヤへの道中☜━⋯・


 ・⋯━☞ 開けた草原地帯 ☜━⋯・



「ルーナちゃん! ルーナちゃん!」


「なんだよ? 今忙しいの!」


「あ、わかった! 手伝うから何でも言ってくれ!」


「そうか なら、コレを使って…」


 ガサゴソ…



 ルーナは、馬車から降りると、

 マジック・ウエストポーチから何かを取り出し、

 サミに手渡した。


 それは、見た限りでは、何の変哲もない

 使い古された、”草刈り鎌”だった。



「コレは…鎌?

 コレで、何をすればいいの?」


「何をって、それが何のために使う道具か知らないの?」


「も、もちろん知ってるよ!

 だけど…」


「だったら、する事はひとつだよね?」


「!…わかったよ」



 サミは、ルーナが言わんとすることを察した。

 「草刈りをしろ」ということだ。

 ルーナの言うことだから、

 きっと何か理由があるのだろうと考えた。

 そしてサミは、向きを変えると歩きだす。

 そこへ、ルーナがまた話しかける。



「ああ、そうそう!」


「なに?」


「できるだけ、柔らかそうな草をお願いね!

 それと、刈り取った草は、この麻袋に入れてね!」


「あ、うん…」


「あ、そうそう! 麻袋に入れたい草を指さして

 ”収納”って言えば収納できるから!

 また出す時は、”搬出”ね!」


「え? ああ、わかった…?」



 ルーナが、サミにして欲しかった事は、

 道具は草刈り鎌なので、”草刈り”である。

 しかも、柔らかい草という指示。

 草刈り鎌と麻袋を受け取ったサミは、

 なぜ今、草刈りをする必要があるのか

 理解できず、頭の中は、『???』であった。

 だが、今は言う通りにするしかないと、

 理由を聞くことを諦めた。。


 そして、ルーナはと言うと…



「御者さん! この廃材はもう要らない?

 あ、コッチの破れた(ほろ)も!」


「ん? え? ああ、うん!

 そうだね もう要らないよ?」


「そう? じゃあ、使っちゃうね!」


「あ、ああ…」


「「「「…?」」」」



 この時、御者もルーナの言動に、『???』だった。

 他の乗客たちも、『???』だった。


 ルーナは、馬車の中にあった廃材を、

 次々と外へ出す。

 それが終わると、また馬車の中に入り、

 座席部分の板の大きさをメジャーで測り、

 メモ帳にその計測結果を書き留める。


 この“メジャー”とは、

 目盛りのついた柔軟なテープで

 長さを測る道具だ。

 一般的には、”巻尺(まきじゃく)”と呼ばれる。


『こんな事もあろうかと、メジャーを作ってて

 マジ、正解だったな!

 コレも、白野菜を素材に、

 一から錬成したんだっけな』


 そして測り終えると、メモした通りの

 大きさに、板と幌を風属性魔法で、

 スパスパ切っていく。


 他の人たちは、そんなルーナを、

 ただ見守るだけだった。

 何をしているのか分からないのだから仕方ない。


 その頃の、サミは…



 ・⋯━☞草の沢山生える場所☜━⋯・


 サミは、少し離れた場所で草刈りをしていた。

 


「この辺りの草なら柔らかそうだ」



 サミは、鬱蒼(うっそう)と生える草に向かって

 草刈り鎌を振りかぶった!



「よっと!」


 ブォン! ザパアッ!


「………はあっ?」



 サミが草刈り鎌を水平に草に向けて振ると、

 サミを中心にして、半径8mもの扇状に、

 瞬時に草が刈り取れた!

 まさかの切れ味と広範囲による草の刈り様に、

 サミは、ただただ呆然。



「あわわ…あわわわわわ…」



 サミが今手にしている草刈り鎌は、

 ルーナが村のゴミ捨て場で拾ったものである。

 それを、風属性魔石のターコイズを使い生成し、

 広範囲の草刈りができる仕様の魔導具である。

 対象の草に向けて振ると、風属性の

 ”ウインド・カッター”が発動する仕組みだ。

 サミは、驚きのあまり、座り込んでしまった!

 なぜなら本来、魔剣だろうが聖剣だろうが、

 これほどまでの効果を発揮するものではなく、

 触れてもいない部分まで、切り裂くはずがないのだ。

 それを知っていたサミは、

 その規格外な性能に、チビりそうだった。


 だが、この規格外な草刈り鎌は、安全のため、

 草以外には、効果が無い仕様となっている。

 この様な制限をかけなければ、危なくて仕方がない。

 制限なしのモノを持ちながら腕を振って歩くだけで、

 大惨事まっしぐらである。(怖)

 


「な、なんなんだ、この規格外な切れ味は?

 マジ、ヤベェよ! ルーナちゃん…(震)」



 幸か不幸か、ルーナの気の利いた安全対策を、

 サミは、知らない。

 ガタガタ震えるサミだった…


 だが、規格外の鎌にビビりながらも、

 サミは夢中で振り続けてしまった。



 ••✼••馬車の休憩地••✼••


 その頃、ルーナが作るものには、

 既に形を表していた。

 だがそれは、木の板で囲んだ枠であり、

 もう片方は、ほぼ木の枠と同じほどの大きさの

 袋状のモノであったが、

 正方形のモノと、長方形のモノがあるのだが、

 他の人たちには、いったい何なのかすら

 分からない代物であった。

 でも人々は、その真剣な表情で何かを作る

 ルーナに声を掛ける事が出来なかった。


 そこへ、サミが戻って来る。



「ルーナちゃん 草、刈ってきたよ」


「ありがと! ご苦労さま!

 コッチも、後は草を入れるだけだよ」


「草を入れる? いったい…」


「ふぅむ…ちょっと待って?」


「へ?」


「これだけだと、伸縮性に欠けるなぁ?」


「え? え? しんしゅ…?」


「枯れ草だけだと、すぐに潰れちゃうかも?」


「へえ?」


「「「「…???」」」」



 ルーナは、そう独り言を言いながら考え込む。

 だが、他の人たちには、ルーナが言うことに

 何一つ理解できなかった。

 もちろんルーナも、ただの独り言である。

 誰かに理解を求めての発言などではない。


 だが、そこへ突然魔物がエンカウント!

 木の陰から、狼のようなものが現れた。



「グルルルル…」(魔物の唸り声)


夫婦女性︰

「きゃあーー! 魔物よ!」


夫婦男性︰

「まさか、こんな場所で?!」


「え? 魔物? 嘘っ! 狼?!」



 ルーナは、狼と言われてビビった!

 日本では狼は既に絶滅しているので、

 生で実物の狼を見るのが初めてだったのだ。

 大きい! 大型犬よりも一回り大きい!



「ルーナちゃん! 俺の後ろへ!!」


「う、うん…(汗)」



 ルーナは、サミにそう言われて、

 慌ててサミの後ろへ身を隠す!



「なんでフォレスト・ウルフが居るんだ?

 もっと森の奥にいる奴らだろ」


「そうなんだ…(汗)」


 ガクガクブルブル…



 ソイツは、森に生息する、

 フォレスト・ウルフという魔物らしい。

 ルーナは、めちゃくちゃ怖かった。

 サミの後ろ腰にしがみ付き震えていた。

 なにせ、今のルーナは魔女とはいえ、

 見た目は、小さな少女だ。

 攻撃魔法なども覚えていない。

 たとえ中身が55歳のオジサンだとしても、

 空手や柔道などの経験もないし、

 男だったから護身術も習ったこともない。

 普通にそこら辺に転がっている小石のような

 普通のただのオジサンに何ができると言うのか。

 


「ルーナちゃんは、俺が絶対に守る!!」


「サミ…?」


「これでもくらえ!!」


 シュパァン! バサッ!!


「キャイン! キャイーン!」


 バタバタバタバタッ…


「あ、あれれ?」


「…(汗)」


「「「「…(汗)」」」」



 一瞬、何が起きたのか誰も解らなかった。

 サミが草刈り鎌をフォレスト・ウルフに向かって

 振り回すと、周囲の木々がバッサリ切れて、

 バタバタ倒れたのだが、

 フォレスト・ウルフは傷一つ負わず、

 逃げ去ってしまった。

 だが、危機は去ったようだ。



「なんで?! なんで切れない?!」


「そりゃあ、そうだよ」


「え? どういうこと?

 だ、だって、コレ…

 すんごい切れ味だったよ?!

 だったら、魔物だって真っ二つに…」


「いやいや、有り得ないってば!

 だってその鎌は、草を刈るための道具だよ

 草以外は切れない設定なんだよ」


「はっ?!…嘘? そうなの?」


「「「「…(汗)」」」」



 そうなのだ。

 ルーナは、争いなんて真っ平ごめんだ。

 ましてや、いくら魔物でも、

 生き物を殺すなんてとんでもない!

 たとえここは異世界であり、

 ”魔物は狩るもの”だと理解はしていても、

 生き物を殺すなんてできないルーナだった。

 なので、規格外な切れ味の草刈り鎌でも、

 どんな生き物でも、傷つけられない設定なのだ。



「当たり前でしょ!

 なんでもスパスパ切れる草刈り鎌を持って

 手を振って歩くとどうなる?」


「!…危ないよねぇ?」


「そう! 危ないでしょ?!

 もし、サミがそんな危ないモノを

 持って街中を歩くだけで、何でもスパスパ

 切れちゃってたら、サミあなた、

 無差別連続通り魔殺人鬼にっちゃうよ?」


「?!…た…確かに(汗)」


「「「「…(汗)」」」」


「そんな事になったらサミ、

 ”切り裂き魔”って通り名が付いちゃうよ?」


「そ、それは嫌だなあ…あはは(汗)」


「「「「あははは…(汗)」」」」



 何はともあれ、サミのお陰で、

 危機は去ったのだった。

 ルーナもちょっとだけ、サミを見直した。

 サミは身を挺して守ってくれたのだから。



「それよりサミ、見直したよ!

 守ってくれて、ありがとう!」


「え? あははっ! いやぁ~(照)」


「「「「わあ~~~!!」」」」


 パチパチパチパチ!



 皆で、サミに対して拍手をしたのだった。

 この時、ルーナのサミに対しての

 好感度が上がった。


 そして、気持ちはクッション作りへと戻る。



「あ、サミ! 草を出してくれる?」


「え? ああ、わかった!

 えっと…搬出! だっけ?」


 ドスーーーーーン!


「きゃあ!!」


「「「「?!…」」」」


「……へ? なにこれ?」



 サミがルーナから借りた魔導具の麻袋を、

 目の前の開けた場所へ向けて

 ”搬出”と言った瞬間!

 山の様な膨大な量の刈草が現れた!

 いや、これもう山だよねぇ!



「なに…これ?」


「なにって、草?」


「サミ…」


「…なに?」


「君…バカでしょ?」


「な、なんだよ急に」


「いくらなんでも、この量!!

 有り得ないでしょ!!」


「いやだって、どれくらいの量かまでは

 聞いていなかったからさぁ?」


「だからって、何事にも限度ってあるでしょ!」


「…ですよねぇ~~~(汗)」



 この時、ルーナのサミに対しての

 好感度が下がった…。

 



草刈り鎌は、あくまで草刈り用です。

魔物は切れませんし、人も切れません。

それでも、いろいろ大惨事になりかけるのが

ルーナクオリティということで……。

次回も引き続き、道中のお話になります。

もうしばらく、旅のお供をしていただけたら嬉しいです。

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