表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

【ホラー 怪異】

ゆうれい

作者: 小雨川蛙
掲載日:2023/04/15


峠ですてんと私は転んだ。

木の根っこでも出ていたのだろう。

ひょいっと両目に空が映る。

青くて、明るくて、大きな空。

私はそれを見上げていた。

大きな空に見惚れていた。


覚えているのはそこまで。

気づけば皆に囲まれていた。

村中の人、皆集めたくらいに人が居る。

ふと、その中におとうが居たのを見つけた。

おとうは声を殺して泣いている。

その隣でおかあは大声をあげて泣いている。

小さな弟が二人を見てぽかんとしている。

もっと周りを見れば皆泣いている。

いつも遊ぶあの子も、いつも喧嘩するあの子も、やっぱり皆泣いていた。

私はただ転んだだけだというのに。

皆しくしくと泣き続けている。


だから、私は気をつける。

二度と転びはしないぞと気をつける。

今日も峠で独りきり。

木の根に気をつけて歩いている。

峠の上へ、下へと何度でも。

何度も何度も上へ、下へと気を付けながら。

飽きることなく歩ている。

二度と皆を泣かせるもんかと今日も一人歩いている。

もう皆を泣かせたくないから。

今日も今日とて歩いている。


峠を行ったり来たり。

今日も一人で行ったり来たり。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ