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いけない遊びに誘われて
朱鷺が道場の外にでると辰次が待っていた。
「帯、よこせ。持ってんだろ?」
ぶっきらぼうな口調の辰次は、めくら娘の補助用の帯をふたたびにぎった。
辰次に引っ張られるままに朱鷺はついていく。
「今度はどこへ行くのですか?」
「賭場」
「とば?」
「博奕しに行くぞ」
「ばくち?それは、金銭を賭けて勝負をするという、あの博奕ですか?」
「それ以外なにがあんだよ。もうどこへ観光とやらに行けばいいかわかんねぇからな。だったら遊ぶしかねぇだろ」
「遊ぶ……人は博奕で遊ぶのですか?」
「なんだよ、博奕遊びしたことねぇの?」
「はい。大丈夫でしょうか?博奕は、わたしでも遊べますか?」
「小銭一枚でも持ってりゃ誰だってできんのが博奕遊びだ。金、持ってるか?」
「はい」
朱鷺はふところから財布をとりだし、金の小判数枚をチラつかせた。
「足りるでしょうか?」
ニヤリと辰次は悪い笑みを浮かべた。
持ち合わせがさほどない悪童は、めくら娘をうまく使おうと考えている。
「十分だ」
「ではぜひ、博奕遊びのご教授をお願いいたします」
「オウ、いいぜ。江戸の賭場での遊び方、教えてやるよ」
不浄の金が集まる遊びの場へ。
悪童はめくら娘を連れ、浅草寺へと向かった。




