雪うさぎ
雪がね、ちょっとだけ積もったの
だから頑張って集めて作った、小さな雪うさぎ
南天の実を目にして、完成
そして私は神様にお願いをする
「ゆきちゃんを本当のうさぎにしてください」
疲れた私は暖かい家の中で眠る
ゆきちゃんは寒い外。まだ本当のうさぎじゃないから、暖かいところにはいられない。
本当のうさぎになったら、暖かい部屋の中で何して遊ぼう?うさぎはままごと遊びは好きかしら?おもちゃの野菜は嫌いかしら?
目が覚めて外に出ると青空。
ゆきちゃんは?本当のうさぎになったかしら?
「耳がとけちゃってる」
私は日影から雪を集めて耳を治す。
「大丈夫だよ。ゆきちゃん」
次の日、幼稚園から帰ってゆきちゃんに会いに行くと、ゆきちゃんはいなかった。
「ゆきちゃんは?」
「ゆきちゃんは春をさがしに行ったのよ」
ママはそう言って小さなうさぎのぬいぐるみを私の手のひらに置いた。
「忘れないでね、ってゆきちゃんからのプレゼントよ」
忘れないよ。ずっと忘れない。