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第4話:良友


引き続き、風邪を引いてます。

文章はご勘弁を。

 キーンコーンカーンコーン、チャイムが鳴る。


 もうすぐHRの始まりを知らせるチャイムだろう。


 俺もとうとうここまで来たか。遅かったようで早かった。


 昔を懐かしむ。


「……ねぇ、聞いてるの!?クロト!!」


「うぉッ!?」


 すぐ耳元で聞こえる声にビックリする。


「おお、聞いてるぞ。テルミット反応ってのは危ないから気をつけろ、って奴だろ?」


「違うわよ!!私が話していたのはTERUMIYAって店の、スイーツの話しでしょ!!」


 怒ってくる同じクラスの女子生徒、鈴原亜美すずはらあみ


「まぁまぁ、落ち着いて亜美ちゃん。ここは話し合いで……」


「…………ッ!!」


「は、はぅぅぅぅぅ」


 どうにか穏便に済ませようとして入ってきたもう一人のお淑やかな女子生徒、山本麻里やまもとまり


 だが、亜美にひと睨みされてしぼんだ。


「オイオイ、麻里ちゃんに当たっても可愛そうだろう?」


 この場を収めようと水谷が入ってくる。


「うっさいわ!!このナナシやろう!!」


「はう、傷跡をえぐるような言葉を……だ、だが、俺にもちゃんと水た……」


 自分の名前を言おうとすると、水谷にさらにもう一言。


「お前なんてね、名前いじられ役しかないんだから、どっかで勝手にくたばっときなさい!」


「う、うぁぁぁぁぁあああああ!!それ以上聞きたくなぁぁぁぁいぃぃぃぃ!!」


 止めの一言が効いたのか、アホ面丸出しで教室から出て行った。


 もうすぐHRだったよな?


「で、そこのテルミットヤがどうした?」


「TE!RU!MI!YA!!」


「ああ、テルミヤな」


 これ以上ない位に睨みつけてきた亜美に、これ以上ない位引きつった顔で俺は言った。


 亜美は肩を落とし「まぁ、良いわ」などと言ってくる。


 何故、上から目線なのかが気になるが、これ以上聞くとさすがにヤバイので、なんとか飲み込む。


「それでさっきの話しなんだけど」


 亜美から今日の帰りに、俺と亜美と麻里、あとお情けで水谷の四人で、そのTERUMIYAという店に行かないか?という誘いを受けた。


 俺は正直どっちでも良いのだが(多分、飛んで喜ぶように「行く、絶対に行く」などと言ってくる水谷とは違って)、今は金欠だ。


 つい最近、入ったバイト代も、ある理由で無くなった。


「それなら俺はパスだな」


 二人の顔の表情が曇った。


 うっ、何故か罪悪感を感じる。


 この頃、色々な金銭関係で付き合いが悪いせいだろうか?だが、それでも行きたい時も行けないのが貧乏人の辛い所だ。


 しかし、ここでは友人をとっておくか、それとも金か?


 俺の理性と欲望が戦う。


(オイオイ、別に良いじゃねぇか?)


 悪魔が俺に語りかける。


(金ってモンは使う為にあるんだろ?なら今使え。今、使わなければいつ使う?)


 俺の中で欲望の存在がでかくなる。


 だが、ここで天使が反論してくる。


(いえいえ、ここは金を大事にしなければなりません)


 天使は理性なのでまともなことを言う。


(金は使う為にありますが、貯めることも必要です)


 まぁ、必要と言っちゃあ必要だな。


(ああ?ぬりぃこと言ってんじゃねぇよ。この真面目君がよ!)


 欲望が理性を上回るほど、存在が大きくなってくる。


 ぐっ、少し欲望が有利か?


 いや、ここで理性は逆転の必殺技を出してくる。


「そういえば」


 麻里が不意に口にする。


「ナナシ君が今回は俺の奢りだって言ってたよ?」


「ああ、そうだった。今日ヒマだったんだよな〜。だから、俺も行くぞ」


 ワザとらしく言う俺を見て、彼女達はお互いに親指を立てていたのは気にせずにおこう。


 でも、感謝だな。良き友人に。


 亜美に麻里、そして……………あれ?アイツ、名前なんだっけ?









――――――――――ああ、そうか。ナナシだったな。

第4話にして、やっと主人公の名前が登場です。

まぁ、呼び名なんで本名ではないんですけどね。

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