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『arcana casus』  作者: るいゆ
2/3

MMOを始める4人

 会議が終わると同時にダッシュで家路を駆け抜ける。理由はもちろんarcana casusをプレイするため。家に着くなり何よりもまず最初にパソコンを起動しarcana casusをインストール。インストールには時間がかかるため、待つ間に飯とか風呂とか済ませてしまおう。そういえば、風呂入った時に確認したんだが強打した尻は青痣になってた。でも見た目ほど痛くなかったりする。頑丈に生んでくれてありがとう。そして尻は2つのままで4つになってることもなかった。

 腹を満たして自室に戻ればarcana casusのインストールは終わっており、ニューゲームの文字が眩しく光っていた。ワクワクしながらゲームパットを繋げてニューゲーム!


 最初に出てきた画面はキャラクリの画面。種族から決めるのか。えっと…種族はえっと…人間(ヒューマン)鬼人(オーガ)獣人(ビースト)妖精(フェアリー)有翼種(エーラ)地精種(ドワーフ)森精種(エルフ)…そうだな……人間じゃ味気ないしな…パワータイプなのは鬼人と獣人…地精種。んー……地精種はちょっと小さいしな…獣人がパワー&スピード、若干スピード寄り…んー剣士なら人間?いや…剣士やるつもりだしここはパワータイプの鬼人だな!


 次は容姿。アバターとはつまりプレイヤーの化身!鬼人は角がついてるのか。そうだな、角は2本で色は黒がいいかな。髪は白で目は……赤!あとはいろいろ調整して、と。できた、そんで名前…(ゆき)だな。ずっと使ってるキャラネーム。冬に生まれたからって安直だよなぁ…最後に職業選択で剣士を選んで決定。


 いざ、arcana casusの世界へ!ロード画面を過ぎるとそこは、白基準の綺麗に整備された城下町だった。arcana casusはそこそこ人気のあるゲームで街中はプレイヤーでにぎわっており、その中に3人が固まって談笑していた。彼らは俺を見つけるなりチャットを飛ばしてくる。


「遅いですよ!」


 ピンクの髪に薄い緑の目の四枚羽の妖精。キャラネーム(さくら)


「とんだ遅刻魔だな」


 黒髪にオレンジ色の目、三角にピンとたった耳にもふもふの尻尾…狼の獣人だ!キャラネーム(もみじ)


「やっぱり剣士選んだんだね」


 金髪紫眼の尖った耳が特徴的な森精種、キャラネーム(ほたる)


「やっぱりと言うと…まぁ、だいたいこうなるよな」


 キャラは武器を携えていて、ぱっと見で職業が分かる仕組みになっている。まず寛人こと椛、獣人はSTRとAGIに長けた種族。職業は銃士。徹こと蛍、森精種はMNDの伸びのいい種族で尚且つMATも高い、職業は魔法使い。優こと桜、妖精はDEFが低く、VITも低いが屈指のをMAT誇る種族。修道士。…えっと、ヒーラーか。


 んで俺こと雪、鬼人はSTRが圧倒的に高い!…といっても他種族よりちょっと上なだけだ。そしてDEFもMDEも高い。しかしMNDとMATが低い。剣士。因みにそれぞれの名前は生まれた季節にちなんでいる。


「揃いも揃って変わり映えのない…」


 名前も好む職業もいつも通りだ。変わり映えはしないが慣れ親しんだパーティ構成。やりやすくていい、と俺は思う。立ち回りのクセとかわかってるしな。


「んじゃ早速pt組んで戦ってみようぜ」

「リーダーは雪でいいな?」

「あいよー」


 メニューから周囲のキャラで椛を選択。pt招待pt招待…あった。蛍と桜も招待して、よし!


『立ち回りや動きも確認しつつ行くか』


 椛がptチャットを飛ばしてきた。たしかに普通にチャットしてたら周囲にも表示されるもんな…会話筒抜け。


 さっそく街を出て森林に入る。最初のマップはここしかないようだ。植物系や昆虫系のエネミーが道の上をうろうろしている。動きの確認ということで出合い頭に殴りかかってみる。ボタン入力でスキルが打てるのか、MPはあまり多くないから連打はできないな。目に入る敵大体倒して一通り確認終了。操作性のほかに確認できたことは、討伐報酬は個人、経験値はパーティ組むと均等配分されるようだ。


『あそこ、道になってませんか?』


 森の中を歩き回っているとマップに表示されていない小道を発見、言われたところを見ると確かに道になっていた。マップばっか見てたから気付かなかったな。道の先には少々古びた小屋が1件建てられていた。

 小屋の中には老けた女性と寝込んだ幼い娘がいた。話を聞くところによると、孫が流行り病にかかってしまったが、薬がなくて助けられない。材料があれば作れるのにっという感じだ。つまりこれはあれだ、クエスト。取ってこいってことだよな。必要アイテムは一つ目の角、龍の心臓。


 採取クエストかと思いきやがっつり討伐クエストだった。あと龍の心臓ってこんな序盤から必要とされていい代物なんですかね。

 まあ気にしても仕方がない。話しかけたら強制らしく、受けた以上はやるしか無い。

 マップを確認すると親切なことにマーカーが表示されている。これを目標に移動してみるか。全員考えは同じのようで、まっすぐマーカーの元へ向かった。向かう途中に一つ目が大量に出てきて角の量が凄いことになったが気にしない。


『なぁ、角ってこんな必要だったか?』

『それが実は量が表記されてないんだよな』


 んー、一応集めとくか。余れば換金すればいいし。そんなこんなでマーカーのところに。どうやらイベントらしい。そこには一つ目が3体いたが、地を揺るがすような咆哮が轟き、次の瞬間にはドラゴンが降りてきて一つ目を食い散らかしていく。おぉう、結構リアルでグロいな。えっと、龍の心臓はドラゴン系の魔物から採取可能のレアアイテム…レアアイテム!?出ない可能性もあんのかこれ!!しかしドラゴンか、見るからに強そうだけど…俺らは6レベ、やれるか?…やるしかないか。


『桜、回復頼む』

『任せて』

『前衛1人は心細いぜ…んじゃ、やるか!』


 近づくとドラゴンの名前が表記される。ファイアドラゴン。属性も弱点もわかりやすいが…剣士にはまだ属性の概念がない。残念。ドラゴンにまず通常攻撃を仕掛ける。するとHPの表示が出た。なるほど、ボスだけは体力ゲージが表示されんのね。つーか攻撃通んねえな!1ミリも動いてねぇぞ!試しにスキルを使ってみたが、長いバーの3ミリをやっと削った程度だった。


『魔法もあまり効かないっぽい』

『射撃も同様に』

『耐久戦になりそうだな…』


 と、戦闘中にチャットしたせいで攻撃を喰らった。おい、ちょっとまてよ…


『一撃で2/3持ってかれましたねー』


 火力高すぎねぇか!?桜のヒールにより体力は回復したが…攻撃はあまり喰らえないな。幸いドラゴンの動きはそこまで早くない。タイミングさえ間違わなければ回避できる。


『MP回復アイテムも持ってないので、僕の魔力が尽きたら終わりと思ってください』

『なるほどな、いわゆるボスエネミーってやつか。このレベルで勝てるかどうか』


 苦しい戦いになりそうだな。ドラゴンを注意深く見て予兆を確認して的確に回避しないといけない。


『おい、クエスト情報見てみろ、適正レベル大分離れてるぞ!w』


 見れねぇぇぇぇええええ!!見てたら死ぬわ!!!


『あ、まじだ。適正レベル15だってよ』


 はぁ!?即死しなかった俺よく頑張ったな!?剣士でこれならお前ら食らったら即死じゃねぇか!


『逃げます?』

『逃げれないぞ、隔離フィールドになってて死ぬしか道はないようだ』

『死ぬのはごめんだね、頑張ってたおそー』


 喋れないが同意する!!っつかお前ら攻撃しろよ!!!

 俺は画面端のチャットを横目にしつつ、ドラゴンの鋭利な爪…さっきこれで2/3持ってかれたんだよな。あとは尻尾の水平振りを回避しながら攻撃していく。

 ミリしか動かないから凄い苦行だが…まあ、まだなんとかなっている。攻撃モーションがこれだけとは有り得ないからな、ブレスとか使ってくるだろうし…まあどうあっても攻撃は受けられない。


『下がれ』


 そのチャットがあるや否や画面に火の海が広がった。

 あっぶね、間一髪で回避成功。回避時の無敵状態を駆使して火の海を脱出。


『助かった』

『たぶんあれ初撃くらったらダメージで怯んで動けなくなって全部食らうやつだ』


 こわっ


『おさまったな行け』


 血も涙もないやつだな!行くけど!!今一番有効なのは蛍の水魔法なんだが…


『MP切れたw』


 ですよねっ!所持金0だしどうにもできないことだがなんか辛い!戦い続けて10分。やっと半分削ったところか…


『レベル上がりました。回復魔法使うことで経験値が入ってたらしいです。MP回復したので少しのゴリ押しでも多分大丈夫です』


 それは有難い。しかし、火力が出せない状態じゃ地団駄踏むだけ、ダメージ受けるものデメリットしかないしな…


『よし、お前ら俺の指示に従え』


 急のことだったが俺はチャットする暇もないので従うほかない。そして椛が打ち出した考えは、回避と攻撃を繰り返し高速で動く俺の指を解放してくれた。


『蛍、ちょっとドラゴンのタゲとって逃げ回ってろ』

『なんで!?』

『働け無能』

『はい…』


 蛍は言われるまま、俺以上に火力の出ない杖で殴打し始めた。ん?あれ、MP回復してんぞアイツ。


『MP回復したら戻ってこい。ったく、自分のスキルくらい把握しとけって…んじゃ、俺らは隙だらけな尻尾を狙いましょうかね』


 椛の言う尻尾は、ファイアドラゴンの尻尾の先端の方にあるゴツゴツした突起だろう。


『そこが弱点だ。雪が正面で頑張ってた間いろいろ検証したがそこが一番きく』


 なるほど、そりゃ俺が気づけないわけだ。ドラゴンは俺に向けば蛍が殴る、蛍に向けば俺が殴る。そんなことを続けていれば、蛍のMPが回復しきった。


『下がって攻撃しろ、雪はMP温存』


 椛の指示で蛍が水魔法を打ち俺がタゲを取るのに専念する。そうしているうちに大分固かったが尻尾が壊れた。怯んでドラゴンの動きが止まり頭が下がる。


『角だ叩け!』


 伏せた頭についている角。そこにスキルを叩き込み全力で削りにかかる。そしてついにHPバーが真っ黒に。


『っ勝った!』


 勝利に喜ぶと同時にレベルアップの知らせが届く。一気に4も上がって10レベル、新しいスキルも覚えてるな…肝心の心臓は……手に、入ってない………


『龍の心臓ドロップしなかった』

『僕もです…レベルが少し上がったくらいで…あ、お金もいっぱい貰いました。』

『上に同じ』


 若干絶望。もう一回は遠慮したいな…指がもう疲れた。打ちひしがれる俺らをよそに椛が涼しい顔で言った。


『俺がドロップした。小屋に戻って報告するぞ』

『gj』『gj』『gj』

『レンジャーのluk舐めんな』


 そっか、レンジャーってluk高いのか、いやぁ椛様様ですわ。


「こんなに沢山!ありがとうございます!これで娘を助けられます。お礼にこちらをどうぞ。」


 小屋に戻って報告を済ますと、心臓は1つだったが一つ目の角を大量に持っていたために報酬+ボーナスで武器を貰った。鉄の剣、初期装備の木刀に比べると一気に強くなった。


『シルバーブレッド、魔族特攻の銃だ。めっちゃ強いんだがいいんだろうか…』

『僕は精霊の杖…回復魔法の威力アップらしいです』

『マジックステッキ。可愛い杖。魅了効果』

『これもらうアイテムにもluk関係してそうだな!?』


 俺だけ鉄の剣って弱くはないが他と比べると随分と見劣りする。


『元気だせって、どうせ進めばもっと強いもん手に入るんだからよ』

『それでもなんか、ずりぃよ』

『回復上昇は序盤でかなりいいものに巡り会いました!』


 鬼人も剣士もluk低いよぉぉぉぉ…


『んじゃ、国に戻って今日は落ちるか』


 時間を見ればもう24時近かった。


『もうこんな時間か、んじゃそうすることにしよう』


 フレンド登録をしあってその日は落ちた。


 翌朝、昨日が金曜日で今日が土曜日。つまり!朝からゲームだわっしょーい!!取り敢えず敵を狩ってレベル上げするところからだな…まだ誰もinしてないだろうから…1人でクエストは辛いか?いやでも昨日のは適正レベルじゃなかっただけで全部が全部あの難易度ってわけでもないか?とりあえずinするとチャットが飛んできた。


【よう、朝からゲームとは暇人だな】


 椛からだ。


【おはよ、人の事言えねぇだろお前】

【ははは、まあなんだ、取り敢えず行くか】

【どこいく?】

【そうだな…クエストを勝手に進めたら怒りそうだしな…森でレベリングがてらマッピングでもしとくか。ついでに俺さっき転職した】

【まじか】

【おう。盗賊になってきた】

【はやくね?もうレベル上げ切ったのか?】

【いや?レベル20になったら転職できただけだぞ】


 昨日10になったところだろ、どれだけやってんだ。


【上限は50だけどな、あと上げた職業の分ステータスに補正がかかるようだから転職するなら上げ切ってからにした方がいいらしい】


 へえ…やりこむほど強くなれるのか。


【んじゃ俺はレベマになるまで剣士つづけるかな】


 せっかく入ったのに会話し続けるのもあれだが、会話しながら移動ってできないな。…あ、そうだ。


【通話しながらやんね?やりづらい】

【そうだな…ココアトークでいいか】


 瞬間寛人から電話がきた。ココアトークはチャットアプリでグループで通話できたりもする。


『話しやすくなった』

『これグループ通話できるしウィス飛ばすよりいいよな…』

『んじゃマッピングすっか』


 話しながら森に行ってバンバン敵を倒しまくった。んで、2人だから経験値が若干美味しいのでマップボスを召喚してみよう。

 森のマップボスは祭壇に金色の葉と生きた根を投下すれば召喚される。この間のクエスト同様隔離空間に飛ばされる。そしてポップの表示。


「マップボス世界樹の精霊が現れた」


 よし、やるか!世界樹の精霊…見るからに火が弱点だけど…


『属性攻撃できねぇ』

『同じく』


 ………


『『火力でゴリ押しだな』』


 世界樹の精霊vs剣士Lv.18&盗賊Lv.12、流石にいけるべ。これで負けたら笑う。

 世界樹の精霊の攻撃は地面から枝を棘のように出してきたり、枝を鞭のように振り回したり、上から林檎…林檎か?を落としてくる。パターンがわかりやすいので攻撃を食らうことは無い。枝をすべて壊すと世界樹の精霊は気絶する。


『世界樹の精霊って見た目ウィスピー〇ッズっぽいな』

『あー!確かに!!』


 太い幹に広範囲に広がる枝…降り注ぐ林檎…ボス戦を思い出すね。あ、ウィスPが動き出した。林檎?を降らせてくる。ん?


『おい、この林檎アイテム化して回収できるぞ!』

『まじか』


 攻撃してみるとその場でアイテム化できた。回復アイテムかなー?


『そろそろ死ぬな』

『止めは俺だぁぁぁぁあああああ!』

『うるせぇ』


 勝ったー!

 ドロップ品は…「世界樹の種」と「世界樹の果実」と「世界樹の材木」か。世界樹の種…不思議な力のある種。世界樹の果実…あの林檎だな、結構大量に取れたぞ。上級回復アイテム的な効能の林檎っぽい。

 材木は…素材だな。


『世界樹の種、虹色に輝いてるんだが』

『なんだそれ』

『あれ、椛は出なかったのか?』

『俺が落ちたのは熟した果実と世界樹の蜜だ。熟した果実は果実の上位互換だな。蜜は…レア素材っぽい。何に使うんだろうな…』

『…料理?というかさらっとレアアイテム出すのな!lucの差かぁ?』


 まあ種も一応レアドロだけども。なんだ、ドロップ量が違うな。羨ましい。


『んなことより種はなんだよ?素材なら素材って書いてあるはずだ』

『んー…素材とは書いてないし…換金アイテムっぽくもないなぁ……』


 あ、備考見れんじゃん。詳細が書かれてる。


『ギルドに植えることが出来る?ギルドあるのか。4人集まった時に話すかな』

『おう』

『んじゃ待つ間に次のマップも開いたこと出し様子見に行くか』


 森では植物系とか昆虫系のモンスターが多かったが、高原には動物が多い。兎やら豹やら…毛皮がわっさわさ、角に牙に爪がどっさり。


『アイテムに困らねぇなぁ…』

『肉とかは何に使うんだろうな』

『…料理?』

『料理好きだな、流石主夫。っと、アイテムが揃ったな、サクッとボス召喚するぞ』


 高原のマップボスは百獣の王、ライオンでした。ちょっと大き過ぎるけど。


『殺るか』

『右来てるぞ』

『あぶね』


 二人で連携しながらさくっとライオン討伐完了。さっきみたいになにか特別なアイテムが出ることを期待したが特に何も出ず、アイテム整理のために街に戻ると蛍が待ち構えていた。


【ちょっと、高原ってクエスト2人だけでやっちゃったの?】


 ウィスが飛んできた。拗ねてるっぽい…


【ごめんごめん、レベリングしてたら好奇心が収まらなくて。今椛とココアトークしてるから蛍も参加しろよ】


 返すとグループ通話に即座に入ってきた。


『椛も雪もいけずー!』

『開口一言目がそれか。まあまあ、これ以上は進まねぇから桜がインしたら森のクエストみんなでやろうぜ。俺らも全部やったわけじゃねぇからよ』

『レベル上げすぎでしょ…なに24って。椛の職変わってるし…』

『アンロックとトラップサーチが欲しかったんだよ。盗賊万歳。銃を使えないのは不便だけどな』

『椛も街で武器新調したら?盗賊は初期のままでしょ?』

『解放クエストしてねぇから何も売ってねぇぞ』


 まあ確かに…アイテムとか一応買いたいし、いらないものは売りたいしな…


『…桜来るかわかんねぇし、やっちゃうか』


 椛の一言により俺らは先に進むことにした。ごめん桜。進む時は手伝うからな!クエストを受けるために店に向かうとそこには見慣れたピンクの頭が…


「あれ、みなさんお揃いで」

【桜もインしてたのか。とりまココアトーク繋いで】


 というか今桜、店で買い物してたような……?


『3人でこれから解放クエストですか?』

『おう、アイテム整理のためにもな』

『桜はもう解放してるのか?』

『はい、昨日みなさんが落ちたあとに1人で解放しました』


 …殴れるヒーラー。


『ゴブリン退治でしたから、ぼっこぼこに殴っておきましたよ』


 脳筋ヒーラーだ!


『じゃあ解放クエスト終わったら皆で森のマップボス倒すか』

『了解です』

『マップボスは結構弱いからあっさり倒せると思うぞ』

『え、もう倒しちゃったんですか!?』


 驚いたように桜が言う。そして拗ねる。最初のボスは皆で倒したかったらしい。可愛いかよ~!

 高原のボスを倒したことも言ったら呆れられた。てへっ


『マップボスはそれぞれのマップにヒントがあるからそれを解いて必要アイテムを揃えれば召喚できる。ボスは「世界樹の精霊」見た目ウィスP。世界樹の種っていうアイテム拾ったらギルドで使えるらしいんだよね』

『ギルドあるの?つくろつくろ!』

『建設条件は30レべからだそうなので頑張ろー』

『とまあ、進んだのはこれくらいかな。さくっとゴブリン狩って森と高原のマップボス倒すか!』


 では参ろうぞ!お店の主人が項垂れているので話しかける。


「ん?冒険者か…わりぃが何も売れねぇんだ。くそ、ゴブリンどもが商品をすべて持ってっちまったんだ…あいつらから商品を取り戻すことが出来たら…」


 露骨な取り戻してアピールをもらい、もう一度話しかけると自キャラが「取り返してくるよ!」と返事をしてクエスト受注。


「本当か!助かるよ!!ゴブリンは森の東方に逃げていったよ」

『さて、行きますか』


 森には親切にマーカーがついているので迷うことなくゴブリンの元へ。


「ぐぎゃぎゃ!」

「ぐぎゃー!」

「侵入者だと!?く、何故邪魔をするんだ!!」


 喋るゴブリンだと…!?


『『雑魚風情が喋ってんじゃねぇぞ!!』』

『なwかwよwしwww』


 ゴブリンの巣に入っていくと床に伏せるゴブリンがいた。


『あれ、こんなイベント僕の時ありませんでしたよ?問答無用でぼっこぼこでしたよ?』


 このヒーラー暴力的だなっ!?


「この薬があれば仲間は助かるんだ、邪魔させねぇぞ人間!」

『たわけ!!ここに人間はいねぇ!!』


 鬼人、獣人、エルフ、フェアリー…確かに人間はいねぇな。うん。


「交渉する

 問答無用で倒す」


 なんか選択肢出てきた上にエゲツねぇな下。


『交渉するか』

『問答無用だろ』

『なんかアイテム貰えるかもだろー』

「交渉する」


 薬は置いていくからアイテムを返してくれ、自分たちに君たちを害する気は無い。とキャラが喋り出す。たしかに道中のゴブリン倒しまくってたらおこなさそうなイベントだ。


『道中の敵殺してないからな、嘘は言ってない』

『椛迷わず突っ込んでったもんな』

『道中の敵は倒しても何も落とさない、こういうのは最奥のボスがドロップするもんだろ?』


 確かに!交渉の末、袋と命を交換することになりました。普通に喋るゴブリンが結構ツボなんだよなぁw


「この袋を返せば見逃してくれるのか?…ありがとう!」


 爽やかなんだよなぁwwwゴブリンなのにwww


『薬減ってんのかな?』

『とりまクエストクリア~』


「称号 ゴブリンと友達 を取得しました。」


『なんか称号貰ったwwwwww』

『どんな意味がwww』

『称号報酬薬だぞwww』


 ゴブリンと友達になったよwwwわぁーいwww

 この称号なんなの?www


『親切ですね。って僕もなんか称号貰ってる!クエスト受けてないのに!』


 そっか、桜はもうクリアしてるんだっけ。国に戻ってアイテム返してお店を解放!


「おお!ありがとう!これで店が開けるよ!お礼だ、受け取ってくれ!」


 報酬は傷薬だった。


『しょっぱい。商売道具取り返してやったんだから一番高値のもん寄越せよ』

『まあまあwアイテム整理して森と高原攻略しようぜw』


 換金アイテムを売ると所持金ががっぽり増えました。でも使えるアイテムがまだ売ってないという事実。


『武器をやっと新調できたがシルバーブレッドの後には全て弱っちく感じるな』

『はははwまたドラゴンが出ていいアイテムドロップさせてくれればいいのになぁw』

『そんな都合のいいこと起きるわけないですよ』


 いま出てこられても微妙だしなぁー金色の葉と生きた根を再採集のために森を駆け巡る。

 ちなみにこのアイテムは採取アイテムなので敵からはドロップしない。宝箱に入ってるかもしれんが掘ったほうが早い。


『おい、生きた根が全然出ねぇぞ』

『掘っても掘ってもって感じだ』

『アイテム回収だけで日が暮れるぞ…』


 変なキノコしか出てこないのはもう鬱になるわ…

 なんで変なキノコ?何に使うんだよこれ…売っても50Gだし……なんのためのアイテムですか?


『変なキノコが増え続ける。……ぁ』

『ぁ?』


 生きた根持ってた…いや、今ドロップした風を装えばいい。俺は出来る子俺は出来る子、よし!


『生きた根ドロップした』

『じゃあ祭壇行くか。…雪、あとでしばく』


 バレたぁぁぁあああああああああ!俺もいつドロップしたかわかんなかったんですーっお慈悲を!


『時間返して欲しいですー』

『今度なんか奢るから許して』

『じゃあ駅前の焼き鳥屋のもも串をお願いします。あ、10本ですよ』

『21のアイスクリーム3段!』

『お前の作った弁当で』

『わかりました…ん?最後だけなんか違ったような…』

『よしいくぞー』


 椛ー??俺の問いかけも虚しく、スルーされたままちゃっちゃとウィスPも巨大ライオンも倒してしまう。


『弁当まじなんぞ』

『奏汰君のご飯ってそんなに美味しいんですか?』

『めっちゃ美味い。俺の母さんより美味い。月曜まじ作ってこいよ、んで食ってみろ、美味いから』


 寛人がすごい俺の弁当を推してくる…たしかに昔からよく家きて食ってたけど…月曜日か。


『なに?四人分作ればいいの?』

『そうだな』

『そうだなじゃないよwお前は俺のなんだww』

『2人分でいいですよ、僕は少しでいいので』

『俺もーかなちゃんのご飯ひとくち食べてみたーい』


 こいつら…主に寛人だな、くそっ


『はぁ…好きなおかず言えよ』

『奏汰が作るもんは全部好きだ』

『そうかい』


 別に嬉しくなんかないんだからねっ!


『僕は唐揚げですかね、あんなに美味しいものを食べたのは生まれて初めてでした』

『小学校からずっと言ってるね…感激だったんだなぁ』

『はい、僕は食べるという行為を好きになったきっかけです』

『無駄に壮大w』

『俺はねーポテトサラダが好きかなー、あのね、人参とコーンとベーコン入ってるやつ!』

『はいはい…君たち面倒臭いの頼んでくるね…』


 唐揚げね…早めに仕込んで味しみるようにしないと…ジャガイモはゆでたのを潰してってするとやっぱ時間かかるし前日に作るしかないかな…朝に作るのは面倒くさいわ…


『あ、俺クリームコロッケで』

『てめぇわざとだろ!そいつがどんだけめんどくせぇかわかってて言ってんな!?』

『wwwwww』


 徹と優はいい…だが寛人、てめぇはダメだ!絶対作らねぇ!!


『じゃなくて、アップデート情報読んだかお前ら』


 そうだよ、別に弁当の話がしたいわけじゃないんだ。


『俺読んだ、だからこその転職よ』

『話についてけないぞよ?』


 アップデート内容は3次職の開放とあった。職業には現在1次職と2次職があって、条件の職を一定のレベルまで上げると職業が解放されていく仕様になっている。だから椛は20レべで転職したんだよな。


『とまあそういうわけだよワトソンくん、俺は剣士を50にしてからにする』


 このゲーム、上限レベル50までなんだよなぁ…


『必要経験値エグイですね』

『思った!ほんとそれ!』

『補助職の育ちは他より遅いみたいですし…50までの道のり長いなぁ…』

『というわけでマップどんどん解放してどんどんボス殺してどんどんレベル上げよう!おー!!』


 結果から言おう。俺は剣士50、斧使い8、寛人は弓使い26、銃士20、盗賊20、徹は魔法使い50、優は修道士47になった。

 うん、修道士遅いな!


『明日もやるか?』

『そうですね、3次職気になりますしアップデート来るまでにやれるだけやっちゃいましょう』

『俺とりあえず魔術師になるけど…』

『それ上げ切ったらもう職ないな』


 そう、法撃職実は魔法使いと魔術師の2つしかない。


『3次職がほうふなんじゃないですかね』

『そうきたいすることにする…』

『がんばれ魔術師w』

『魔術師を卒業出来ないw』

『40歳までですか?w』

『賢者になれw魔法使いと来たら最終賢者だろwww』

『還暦までです?w』

『アラカンだww』

『一生○貞貫くしかあるまいwww』


 ひでぇwwwいやほんとw優から言い出すとはwww

 でも…なぁ……思春期だぜ俺ら…なんで男子校通ってんの?家から一番近い高校だからって…安直すぎた…だめだ…女子がいねぇ、出会いがねぇ…


『俺ら高校2年だぜ…』

『女性経験どころか?』

『彼女すらできたことがない』

『悲しいなぁ』

『ひろくんモテそうなのに』







『え、何今の間』

『徹知らなかったか…』

『寛人は毎週告白されてるよ』

『へぇ、すごいじゃん!』

『毎週だぜ?うちの高校で』

『俺らの通う高校は?』

『…男子、高校……』


 全てを察した空気と共にスピーカー越しに響く寛人の絶叫。


『あああああああああああ!!!男にモテても嬉しくねぇぇえええええっ!!』

『ちゅ、中学の時は!?』

『ファンクラブはあった、でも抜けがけ禁止とかいうルールで告白されたことねぇわ!バレンタインにチョコを押し付けられるだけで名前も名乗らねぇの!なんで!?』


 寛人が荒ぶってるwww毎年大量にチョコを前に嘆いてたなぁ…いや、去年は恐怖してたな。


『でもまだいいじゃないですか。僕、女の子みたいだからって生まれてこの方女子に好かれたことなんてないですよ。男子からからかわれて…』

『俺なんて女子より女子力高いから好きになった女子に自身なくすからやめて、って言われたことある…』

『カワイソウ』


 ゲームしながらこんな会話、楽しいのか悲しいのかもうわけがわからないよ。微妙な雰囲気になりながらエネミーを狩り続けそして翌日日曜日!朝からゲーム!優のレベルを50に、徹も魔術師を50に、寛人は弓50に、俺は斧を50、槍使いを30近くまであげたよ!やったね!


『しかしこうずっと狩り続けるのもマンネリ化してきましたね』

『どうする?クエストも消化したし…』


 うーん……なんか、あるか…?ただレベル上げするのも疲れたし…


『そういえばギルド作るんだよね』

『ああ、そうだな、ギルドレベルとか、恩恵とか貰えるようだしな…』

『ギルマスはだれに?』


 ………


『椛』

『『『雪だな』』』

『なんでさっ!』

『リーダーってイメージあるから』

『人に押し付けようとしたから』

『面白いから』

『なんて理由だ』

『いいからやれって』

『でも』

『やれ』

『はぃ…』


 くそ、押し切られた…


『じゃあ名前はどうすんだよ…』

『arcana casus』

『却下だろ、ゲームタイトルは流石にダメだろ』


 んー


『じゃあ好きなものを上げていきましょう』

『ゲーム!』

『いうと思いました、バカですか?』

『奏汰飯!』

『アウトでしょ!なんで俺の名前使おうとしてんの!?』

『ちっ…』


 舌打ちをするんじゃない!


『俺、ゆーちゃんもかなちゃんもひろくんも大好き』

『うん、違う、そうじゃないんだ。』


 きっとニコニコしながら言ってんだろうなこのおバカ…しばらく言いたいことをずっと言い続けて、俺達は一つの結論にたどり着いた。


「奏汰ー?お餅焼いたんだけど食べるー?」

「おもちー?食べるー!」


『それだ!!』

『ふぁっ』

『おもちにしよう!』

『なんで!?』

『考えてみろ…俺達は常にもちと生きてきた』


 正直俺はこの時、寛人がついに壊れたんじゃないかって思った。


『桜餅やら柏餅やら、椿餅、蓬餅、ずんだ餅、磯辺焼き、べこもち、汁粉に雑煮、餅つき大会もした!毎年だ!日本人は縄文時代から餅を食べていたんだ…今だって季節の節目節目に、祝い時に食べるだろ?つまり俺達は餅に育てられたんだ!』


 疲れてるんだろうな……いっそ弁当に餅入れてやろうか?


『ま、まぁ、おもちでいいんじゃないですか?このまま話してても決まりそうにないですし…』

『そうだね、うん、俺もおもちすきだし、おもちがいいと思う!』

『餅こそ至高…』


 寛人……まぁいいか。

 ギルド名おもち 決定。個性的、かな。桜が餅に賛成すると…


『桜餅だ』

『美味しいですよね』


 美味しいね…さて……


『適当にエネミー狩るか!』

『じゃあ俺銃士に戻るわ、転職条件は20だけど時間あんなら50にしたい』

『じゃあ僕は踊り子になりましょうか』

『おれっすることっないっ!!!』


 魔術師を卒業出来ないwww俺は槍使いを極めるため、寛人は銃士、優は踊り子、徹は魔術師で、マップ攻略に乗り出す。


『森、高原、草原、竹林ときて海か』

『そろそろ夏だな』

『水着でスクショ撮りたい』

『男だけの悲しい風景をとって何が楽しいんですか?』

『甘いな優ちゃん!』

『あ?』


 怖いwでも徹はなんか楽しそうだな…良からぬこと考えついたような…ふんい…ふいんきだw海でエネミーを狩るのはいいけど…


『そろそろこの武器じゃきついな…』

『いつまで初期装備でいるつもりだよ』

『ドラゴン…いや海だから海坊主?とか出てこないかなぁ』

『そう言って出てきたら何も苦労しませんね』


 だよなぁ…強い武器ほしーっ!そこらの雑魚が落とす武器じゃあんま変わらん…


『やっぱボスエネミーがいい…』


 ドラゴン以降あってないなぁ…やっぱなかなか来ないんだろうなぁ…


「あの、すみません!」

『ふぁ』


 ゲームの中で話しかけられた!


「そこから先は危険なモンスターがいて立入禁止なんです」


 これは……


『きたか』

『きたぽい』

『僕まだレベル10なんですけど』

『そこに最強の魔術師がおるで』

『任せんしゃい』

「魔物の名前はクラーケン…あいつのせいで村はっ」


 話全然聞いてなかった。えっと、とりあえず倒そうぜ。


「えっあなた達が倒してくれるんですか!?ありがとうございます!」


 報酬は強い武器が欲しいです。マップに表示されたマークを頼りに向かうとそこにはやたらでかい水色のイカがいた。


『タコ?いや、イカ?』

『タコですかね』

『たこ焼き食べたい…あ、あとでたこ焼きパーティしよ』

『じゃあ…晩御飯はたこ焼きパーティでいいか。奏汰の家で』

『勝手に決めんな!』

『家に活きのいいタコがおるんや…』

『なんでだよっ』

『知り合いに昨日もらったから?』


 あ、いま戦闘中です。

 正直ドラゴンより弱く感じるね。推奨レベルは30か…うん、今適正だしそりゃそうか。

 そういや武器って追加報酬だったな?あ…あ……

(´・ω・`)


『この…たこすけ……』

『どうした?』

『いいから槍を落とせぇぇええええ!!』


 ゲイ・ボルグ!!あ、死なない。俺の目の前には触手…あふんっ


『…!雪が死んだ!!』

『この人でなしっ』

『タコでしょう』

『勝手に殺すな…』

『仕方ないので回復してあげます』


 癒しの舞だぁ


『その踊り可愛いね』

『踊り子の踊りは可愛いな』

『僕がマッチョキャラじゃなくてよかったですね』

『笑わせんなwww』


 攻撃の舞と防御の舞を踊る踊り子優…


『女じゃないのが悔やまれるな』

『紅一点』

『補助しねぇぞコラ』

『さぁっせん!』


 とかやってる間にクラーケンの触手に囚われてしまいました。徹が。


『俺にひどいことするつもりでしょっエ口同人みたいにっエ口同人みたいにっ』

『やめwww』

『いやぁやめてぇっだれかぁぁっ(裏声)』

『キメェwww』


 腹よじれるwww電話越しにwwwこのやろww耳に残るっwww徹がエロ同人みたいにされる前に救出しようかねww触手を切って救出するのかこれは…


『やぁwそこ、らwらめぇぇwww』

『笑うなやwww』

『w落ちたwww』


 攻撃してたら落ちてきよった。ついでにとどめ。


『チャージスパイク!』

『いまこそGAY♂ボルグするべきだろ』

『やめwww』


 いやぁ…楽しいw肝心のドロップ品は…

 クラーケンの牙、クラーケンの皮。素材かな?


『報告したら奏汰ん家集合な』

『まてw』

『たこ焼きパーティですね』

『まってw』


「本当にあの怪物倒しちゃったんですか!?ありがとうございますっこれで村は救われます!よかったら村を見ていってください!」


『ほう、武器屋があるな』

『防具屋もありますね』

『物色しましょうか』


 ぶっき、ぶっき

 戟売ってる…棹ってよんだことあるよね?戟。蜻蛉切だ!これ買う!!つかここで売ってるので一番つおい


『クラーケンの防具あるんですけど、この村本当に困ってたんですかね』

『ほんとだ、クラーケンの皮で作った丈夫な甲って書いてある』

『シルバーブレッドが強くて他の武器じゃぁな……一応ほか職で使えるように揃えとくか』


 テッテレー 鉄の剣がクレイモアになった!

 バトルアックスも買って…クラーケン防具買うか……


『全身水色かよwww』

『ステルス推奨防具w』


 優が鉄扇装備してる。徹?何も変わらないね。


『こんなもんか、じゃあ奏汰の家でまた会おう』

『まてこのっ!』

『また会いましょう』

『おちかれっ』


 あいつらっ!!

 ピンポーン

 はえぇよっ!

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