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第一話 冒険者として生きていく

長らくお待たせ致しました。

ようやく1話が完成したので投稿致します。

音哉と冒険者4人組は森を抜け街道を歩いていた。街までは2時間程で着くらしく徒歩で談笑しながら進んでいた。談笑していたと言っても、音哉の頭の中は相変わらず混乱しており曖昧な返事しかできずにいた。


「…門…見えた…」

シノブが街の門が見えたことを告げ、音哉は混乱する頭をハッと切り替えた。


「俺が衛兵と話を付けるから安心してくれ!」

「わ、わかった…」

音哉はクラウスの言葉で少しだけ気持ちが落ち着いた様な気がした。


「身分証を提示してくれ。」

門の手前で入場確認をしている衛兵が冷めた声でそう言ってくる。


「すみません、彼はノルンの誘い人の様で、身分証を所持していないのです。」

「ノルンの誘い人? はぁ、身分証がないなら入場料銀貨2枚だ。」

クラウスが衛兵に説明するが、ノルンの誘い人ってだけでは通してくれそうもない。


"そういえば俺、金貨っぽいの持ってなかったっけ?"

音哉は自分のポケットを確認して金貨を1枚取り出す。


「あのー、こいつは使えます?」

金貨を出した瞬間、衛兵の顔付きが変わった。


「では、銀貨13枚を返す、通っていいぞ。」

衛兵は釣りを手渡し、クラウス達の身分証を確認してから門を通した。


「いざとなったら俺が持っていた銀貨を渡そうと思ってたけど、まさかあんな上等な金貨を持っているとはね。」

「目が覚めたとき、何故かポケットの中に入っていたんだ。」

「ポケットに金貨が勝手に入ってるなんて、珍しい事もあるもんね。」


クラウス、キーラと話しているうちに門をくぐり抜ける。そこには中世ヨーロッパの様な街並みが広がっていた。この街の名はティアという街らしい。


「とりあえず街まで来ましたけど、これからどうするの音哉?」

キーラに問われ音哉は街に着くまでに決意した事を話す。

「そうだな、俺が本当にノルンの迷い人なら元の場所には戻れそうにもないし、この世界で生きてくつもりだよ。」

「何かの縁だ、良かったら俺たちと一緒に来ないか?この世界のこともある程度教えられるしな。」

「い、いやぁ、さすがに何から何まで世話になるわけには…」

「もちろんタダじゃないぞ、シノブのクナイを避けたぐらいだ、その腕を見込んで冒険者として俺たちに着いてきて欲しいってだけさ。」

クラウスにそう言われ音哉は考える。


"この世界で生きてくには仕事が必要だし知識もいる、メリットしかないな。"


「俺にとっても良い話だが、他の皆は納得するのか?」

「クラウスは一度言い出すと曲げないからな。」

「…問題…ない…」

「私も問題無いですよ!」

どうやらクラウスは度々我儘を言って聞かない様だ。


「そうと決まれば、まずは冒険者ギルドへ行くか! 依頼の報酬も受け取らなきゃならないしな!」

クラウスは俺の腕を引っ張り歩き出した。


しばらく歩き街の中腹辺りまで来た。周りには弓や剣を持った者や鎧を着込んでいる者がかなり目立つ。

一際目立つかなり大きい建物が目に入った。どうやらあれが冒険者ギルドらしい。中に入ると酒場が併設されており小説で読んだことがある、よくある冒険者ギルドといった感じである。


「私とシノブは依頼の報告をしてくるので音哉はクラウスに任せますよ。」

キーラはそう言うとシノブと別のカウンターに向かって行った。


「さて、まずは冒険者登録を済ませようか。受付嬢さん、すいません!」

「あら、クラウスさんじゃないですか。今日はどういったご用件で?」

かなり美人の受付嬢が対応してくれる様だ。というかどのカウンターにも美人の受付嬢がいる。


「彼の冒険者登録をしたいんだよ。」

「ではこちらの紙にお名前をご記入下さい。」

音哉は渡された紙に名前を書いて受付嬢に渡した。


「えーと、オトヤ・アマイケさんですね。身分証はお持ちですか?」

「すまない、身分証は持ってないんだ。」

「でしたらこちらで発行致しますので、このルーン石に触れてください。」

カウンターの上にルーン文字が刻まれた直径10cm程の石がある。音哉はそっとその石に触れた。すると石から紋様が浮かび上がる。


「お名前はオトヤ・アマイケさんで間違いないみたいですね。それからレベルが……え、ご、ごじゅう!!?」

受付嬢が驚愕の表情を浮かべる。クラウスも少し驚いた様だ。


「な、レベル50だって!? 俺でもレベル32だってのに!」

「え、レベル? 50ってのはそんなに凄いのか?」

「Aランク相当のレベルに値します。この街で一番ランクが高いのはクラウスさんのパーティーでCランクですよ! 」

音哉は自分のレベルが高いという事よりもルーン石が気になる。


「そもそもこの石はなんなんだ?」

「これは鑑定のルーン石でして、真名とレベルを示してくれるんです。というかルーン石のことなんて誰でも普通は知ってますよ?」

どうやらこの世界ではどこにでもある石の様だ。


「彼はノルンの誘い人でね、この世界の事はほとんど知らないんだよ。」

「なるほど、ノルンの誘い人ならレベルが高いのも頷けますね。」

ノルンの誘い人と聞いた瞬間受付嬢は落ち着きを取り戻した。


「それはいったいどういうことなんだ?」

「100年に1度現れるというノルンの誘い人はこの世界に来た瞬間からレベルが高いことが多いらしいのです。それでもレベル50は高過ぎますけど…」

ノルンの誘い人の平均的な初期レベルは30程らしい。

クラウスはその事を知っていたらしいが、まさか50もあるとは思っていなかった様だ。


「取り敢えず身分証の発行は完了です。後これを渡しておきますね。」

音哉は受付嬢からルーン文字が刻まれた小石程のルーン石を受け取った。


「これも鑑定のルーン石なんですが、ご自分のレベルとステータス、スキルを見ることができます。その石に触れて『ギューフ』と唱えてください、そうすれば頭の中に浮かんできますよ。」

音哉は受付嬢から言われた通り『ギューフ』と唱えた。




アマイケ・オトヤ 19歳

Lv50

MP 630

スキル:<短刀術A><狙撃術A><格闘術B>

<気配察知><暗視><銃騎士>

STR:B

VIT:B

AGI:A

DEX:S

INT:A

LUK:B


頭の中に自分のステータスが浮かび上がる。


"なるほど、ステータスはアルファベット表記なのか。ん、19歳? 俺は今年で24のはずだぞ?"

そんなことを考えていると、受付嬢から話しかけられた。


「す、すいません、こちらに戦闘系スキルの記入をお願いしたいのですが…」

「あ、あぁ、えーと、戦闘系スキルってのはなんだ?」

すかさずクラウスが説明する。


「戦闘系スキルっていうのは右側にランクが付いているものだよ。ギルドはそのランクで強さを判断するのさ。その強さによっては飛び級でランクがつけられたりするのさ。」

「なるほど、わかった。」

短い返事をすると音哉は自分の戦闘系スキルを書き込んだ。その紙を再び受付嬢に渡すと、また驚愕の表情を浮かべたが、今度はぐっと堪え呑み込んだ。


「どうやらスキルまで凄いのを持っていそうだね。」

クラウスが嬉しそうに笑みを浮かべる。


「守秘義務があるのでスキルについては口に出せません。知りたいのなら御本人聞いてください。」

「わかってるよ。彼をパーティーに入れようと思ってるんだから、その辺は大丈夫さ。」

受付嬢はなぜかかなりの汗をかいている様だ。


「それでは、これが冒険者の証のプレートです。ランクはFのものですが、支部長が査定してランクを決めますのでそれまでお待ち下さい。」

「ありがとう」

音哉は礼を言って受付カウンターから離れていく。丁度キーラ達も依頼報告が終わったらしく合流してギルドから出るのであった。



最後まで読んで頂きありがとうございます。

気まぐれ投稿なので、次回まで気長にお待ちください。

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