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58 積極性

どうも!ヤタヌスヲノヌスです!


今回はμちゃん回となります!


次回もμちゃん回を予定していますので期待してくださいねー!


それでは 58 積極性 です!

「神に双子かぁ。」


未だにそう呟いていた俺は帰宅し、玄関のドアを開けた。


「只今。」


その直後、家の奥からドタドタと足音が聞こえた。


この走り方は俺の中での天使、μちゃんだな。


家の奥から姿を見せたのはやはりμちゃんだった。


玄関に着くとスライディングをして正座になった。


「お帰りです~。」


表情に妙なひきつりが見てとれた。


そういうことか、今のでスネが熱いんだ!


きっと物凄い摩擦に耐えていたんだ!


わぁ、でもこの表情可愛いなぁ。


「おいおい、大丈夫か?」


と言いつつもμちゃんに手が伸びて気がついたら()でていた。


あぁ、またか~。


こーゆーことになると無意識が広がっちゃう系男子。



え~っと、紫帆は学校からまだ帰宅していない…か。


俺はμちゃんから手を離した。


「出迎えご苦労様。」


μちゃんは首を横に振った。


「いえ、当然の事です。」



俺は納得したように言った。


「そうか、義務なんだな。


偉いな、ちゃんと守って。」


μちゃんはいきなり褒められて驚きつつも照れた。


「偉いだなんて、ありがとうございます。」


μちゃんの周辺50mぐらいまでにいる人が全員釣られて思わず微笑んでしまうような笑顔に逆に俺まで照れ臭くなってしまった。


「そんなにお礼を言われてもな。」



μちゃんは照れて一度そっぽを向いたが、やがて真面目な顔でこちらを向き直した。


「あのっ…。


お願いがあって、少し付き合ってくれませんか?」



俺はμちゃんからの頼みに目を丸くした。


「付き合う?


いったい何にだい?」


μちゃんはあっさりと即答した。


「私にです。」


俺は顔を強張らせた。


「それって、恋愛的な?」


μちゃんは残念そうに答えた。


「それが出来るなら一番なんですけど、紋章を消していただいてから能力を一度も使用していないので、お付き添い願えないかなと。」


俺はμちゃんがちょくちょく挟んでくる爆弾発言に目を丸くしながら答えた。


「あ、うん。


全然構わないよ、暇だから。」


続けて俺は言った。


「能力を使うならこの辺では(たん)(とう)※《地名》の山の辺が良いかな。


あと、紫帆がハブってのが可哀想だから一緒に行こうか。」


μちゃんは満足みを帯びきった笑顔で頷いた。


「はいっ。」


瞬間、μちゃんは聞いた。


「その間何してます?」


何してます?か。


暇人オールTHEピーポーな俺には寝っ転がるしか言えない気がするなぁ。


「俺は寝っ転がってるよ。」


そう言うと俺は俺の部屋に高校の荷物を置いてリビングに寝っ転がった。


それをμちゃんはチャンスと捉えたようだ。


「では、せっかく二人っきりなので…。」


μちゃんは寝っ転がっている俺に寄り添う形で寝っ転がった。


「一緒にいましょう。


二人で、仲良く。」


俺はなんとなく予想していたが想像以上の興奮にかきたてられた。


だが、それを行動ではなく質問で抑えた。


「μちゃんってさ、この世界がどんなんだったらいいと思う?」


μちゃんはしばらく無言になったが、答えた。


「負けない、自慰や反省のおきない平和な世界がいいです。」


俺は哲学的な事をぶつけた。


「μちゃんの意見は合ってると思う。


大正解だ。


だけど、大前提があると思うんだ。


それは、争わないこと。


人間は争うから勝ち負けが決まり貧富も決まる。


そもそも無駄な争いは避けろって言いたいね。


難民になった人だってそうだ。


一般的な生活から戦闘に巻き込まれて高確率で死に至る。


神が決めた道って言うならそれまでだが、争わないと起きないことだ。


勝ち負けが無いってのはなかなか幸せな事だと思うんだがな、平穏ってやつが。


人間は戦争人形じゃないだろ?」



μちゃんは少し俺の顔の方に這い寄った。


その距離およそ5cm。


「じゃあ、十騎さんは争い事が嫌いなんですか?」


十騎さんと呼んでくれたのは一途の勇気だとしておこう。


「いや、俺は争い事をするのは別にいいと思う。


だがな、それによって傷付く人間の惨めさ、悲しさが頭から離れない時があるんだ。


戦闘とかの経験じゃなくて、口論とかの経験だけど。


中学校の頃よくあったから。」


と、玄関のドアが開く音がした。


紫帆が帰宅してきたのだろう。


「只今~。」


走ってリビングまで来た。


「あ~、予想通り。」


μちゃんが離れる素振りを見せなかったので俺も抵抗はしなかった。


そのためμちゃんが俺に抱きついている状態である。


「家は二階建ての一軒家なんだから、固まってないで広く使えばいいのに。」


意外にもここで紫帆は効率的な発想をしていたらしい。


そんなことを小耳に挟んで俺は起き上がった。


「お帰り~。


ちょっとμちゃんに付き合うから紫帆もいくぞ。」


紫帆は首を傾げながらも陽気に返事をした。


「はーい。」


家を出て南に1分ぐらい飛んだ頃だったろうか。


短頭の山に到着した。


「えぇっと、神秘壁が出てくるんだよね?」


μちゃんは不確かそうに頷いた。


「そういう名称らしいですけどね。」


「ちょっと木があるけど、ここで出してみなよ。」


μちゃんは両手を前に出し、力を込める素振りをした。


すると、丸で青、三角で赤、四角で緑、星形で紫色のステンドグラスのような壁があらわれた。


いずれも発光している。


「これが能力か。」


紫帆は目の前で起きたあり得ない現象とそれによってできた壁の綺麗さへの感情の混ざった変な気持ちになった。


μちゃんは右手を前に何度も出すが、何も起きない。


「あれ、できない。」


「どうしたの?」


「ひとつの形の壁が複数個出ないんです。」


俺はμちゃんに近づきながら言った。


「能力って最初に使ったのいつだか覚えてる?」


μちゃんはどこか不確かそうに答えた。


「はい。


何かをつけられたすぐ後、です。」


何か、は多分破壊の紋章のことだろう。


俺はそれに対して言った。


「その何か、は能力の強化作用もあるらしいから弱まっちゃたんじゃない?」



俺がそう言うとμちゃんは残念そうに目線をそらした。


「成る程、弱くなった。


信じたくないですね。」


μちゃんはそう言うと俺の方を向き直した。


「少し、相手をしてくれませんか?」


μちゃんが本気の目でそう言ったので許可した。


「いいよ。


紫帆はどうする?」


紫帆は狼狽えた。


「私は、刃物がないと…。」


俺は冗談だよ、と笑った。


「じゃあ、傍観でもしてて。」


紫帆は木にもたれかかった。


「はーい。」



「さぁ、来い!」


俺vsμちゃん、始まりだ。

ここまでお読みくださいましてありがとうございます!


もしよろしければ感想やご指摘を下さい!


Twitterやっています!


是非話し掛けてくださいね〜!


次回、十騎vsμちゃん 久々の戦闘です!


期待してくださいね〜!

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