55 高速登校
どうも、ヤタヌスヲノヌスです!
HIFI!!をお読みくださりありがとうございます!
HIFI!!はアクションコメディー(のつもり)です!
楽しんでお読みください!
それでは、 55 高速登校 です!
「うーん。」
紫帆が目が覚めると四人全員がベッドで寝ていた。
寝ぼけながらも右手を使って人数を数えた。
「んんぅ?
いち、にい、さん、よん。
いつも通りだね~。
また寝よ。」
ベッドに寝っ転がった反動で紫帆はまた起き上がった。
「よん?!」
私、お兄ちゃん、μちゃん、…。
あー、はいはいはい寝よ。
ふて寝ふて寝~。
紫帆は再度寝た。
今度は紫帆と入れ違いで俺は起き上がった。
しょぼつく目で朝日を確認して言った。
「朝か。」
「朝です。」
μちゃんが俺の自問自答に答えた。
目こそ閉じているものの起きているようだ。
微笑んでいるのがその証拠。
「6時30分。
うーん、普通ならギリギリ遅刻だな。」
そう言って恵鷹に声をかけようとしたが……。
「いない?!」
待てよ、俺の近くに八本の足が見えるってことは。
思いっきり毛布をめくった。
「なっ。」
何故だ。
まず、なぜμちゃんは下着なんだ?
流石に四人は暑すぎたか?
そして恵鷹はいったいどんな寝相してたら俺の腹までこんなに器用に来れるんだよ。
とりあえず起こそう。
「恵鷹~。起きろ~。」
起きないだろうと思っていたので揺さぶってみた。
だが、想定とは少し違い恵鷹はすぐに起きた。
「ふぁぁぁ、体が揺れるな~って?!
楠木くん?!」
ば、れた?
あの眠りの深さでは最強を誇る恵鷹が起きたのか?
「いや、そのだな。」
説明はしない方がいいな。
「おはよう。」
恵鷹はすっかりまどろみが消えたようだ。
「おはよ~。」
何となく今の話題を掘り下げられると困るので話題をそらした。
「なんで俺の真下に陣取ったんだ?」
質問返しで俺にとって不味い雰囲気をさりげなく打破した。
「私寝相悪いのよね~。
時間大丈夫なの?」
恵鷹も質問返しか。
「いや。
だけど登校には時間がかからないからね。
能力で行くから。」
恵鷹はうつむいた。
「衝撃波…。
ってことは飛ぶの?!」
俺は人差し指で恵鷹を指した。
「正解~。
詳しく言うと俺の能力は衝撃波を強める、だから垂直抗力と左右に移動する衝撃のバランスを崩すのが正解だがな。」
俺が精一杯考えた衝撃波の発生の原理だ。
なんだかんだで三人同時に家を出た。
「あれ?紫帆も今日から学校か。」
「うん。
私は歩いても間に合うからね。
まだ8時00分くらいだから。」
8時00分か。
まだ早いな。
向こうまで推定三分で到着するしな。
「いってらっしゃいませー。」
μちゃんが玄関から朗らかな笑顔で手を振ってくれていた。
俺はμちゃんの笑顔に答えて手を振り返した。
「ありがとー。」
行くしかないな。
このオーラは。
「飛ぶよ。
せーので前にジャンプして。
せーのっ。」
手をまず真上に操作し俺と恵鷹の体を上空に飛ばした。
あまりのスピードに首を傾けたらそのまま折れてしまいそうだ。
「ひゃー。」
次に奥の方に指を指して、前にかかる力を一気に崩した。
「いやッほォ~!!」
最高速登校最高だ。
ジェットコースターの数倍の速度だろうか。
超スタイリッシュ。
だが、横に目をやると恵鷹が涙目で目をつむっていた。
うわ…、なんか罪悪感。
すると、何者かが話しかけてきた。
「十騎ぃ~!」
…?
誰だ?このスピードの上空で。
恵鷹じゃあなかったしな。
神か?飛べるし。
「十騎?聞こえてんの?」
俺に話し掛けた人間の正体は貴志だった。
メチャルギアのサイラァーみたいなもので飛んでいる。
「おう貴志。
お前もスタイリッシュ登校か。」
貴志は苦笑いで言った。
「俺は実験飛行だよ。
最悪死ぬからこわいこわい。
っと、そうじゃなくてな、どうだ?
二人で充実した夜は過ごせたか?」
くっ。
充実させることはできたたけど、布団に入ってから早く寝てしまった。
おまけに、紫帆がけっこうイタズラしてたな。
まぁ、期待通りの返事をしておこう。
「おう、楽しかったぜ。
夜はな。」
恵鷹は半泣きで顔が赤かったが、それとは違う顔の紅潮が見られた。
せっかくだから貴志にも話を振ってやろう。
「お前こそどうだ?
字とは仲良くいってたか?
あのあとそのまま瑠璃川河川敷ホテルまでつれていったか?」
貴志は少し俺を嘲た。
「お前バカだな~。
あいつが俺で釣れる訳ないだろ。
俺の見る目が正しければあいつが今その気がある人間はお前か榛夜だよ。
せいぜい頑張って取り合うことだな。」
バカと言われてムッとして目線をそらした。
すると貴志は皮肉を言ってきた。
「良いねぇ~。
天性で女にモテるってのはさ。」
俺は一応反論した。
「それでもハーレムってのは地獄だぜ?
悪い気はしないがな。」
貴志は驚いたようだ。
「お前やっぱりハーレムだった?
妹ブラコン癖まだなおってないのか。
それでもな、ハーレムの方がいいぜ。
お前のそのハーレム具合が感染すれば良いんだけどな~。」
俺はニヤリとして言った。
「いいぜ、少しなら。
…、とか言っちゃって?(笑)」
貴志も俺に合わせるようににやけて、やがて笑い声をあげた。
その様子を小耳に挟みながらも恵鷹は泣きじゃくっていた。
「早くついて~!」
やがて恵鷹にとっての長い長い三分が終わり、学校に到着したので屋上に着地した。
恵鷹は着地と同時にフニャっと座り込んだ。
俺は恵鷹に聞こえない程度の声で言った。
「ハーレムってのは決して楽しいもんじゃないがな。」
貴志はフッと笑った。
「わかってるよ。」
俺はちらっと時計を見た。
うーん、学校到着8時04分。
早すぎるな。
「んじゃあ、教室で話して…。」
その時だ、突然下に通じるドアが開いたのだ。
「今から暇なら私も少し話に混ぜてくれない?」
その語り口調が字っぽいからそうだと思っていたが違った。
永連雪菜。
俺らの担任だ。
貴志曰くアクチノール所属の黒幕らしい。
その永連先生は普通に話し掛けてきた。
「あ、そうだ。
悪いんだけど職業体験あなたたちだけ体育祭前になっちゃった。
ごめんね。」
先生はそう言ってどこからかコーヒー缶を取り出して飲みながら近付いてきた。
「あ、そうなんですか。」
恵鷹は鈍く反応した。
ん?
そういえば職業体験なんてあったな。
俺らが行くのは…アクチノール産業、か。
相手の情報を知るいいチャンスかもしれないな。
貴志とお互いに表情を渋らせて顔が合った。
その様子を見て先生は缶コーヒーに目をやって言った。
「私はあなたたちの敵じゃないのよ。
敵だけどね。」
なんつー意味深発言。
絶対敵だろ。
俺は必死に思考を凝らして話をそらした。
「いつ…なんですか?
職業体験は。」
先生は朗らかめに微笑んで言った。
「10日後よ。」
恵鷹は驚いた。
「10日後?!
体育祭の二日前じゃない。」
最近はハーレム現象だけではなく急激な物語的展開もあるもんだ。
こわいこわい。
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