50 テイクアウト2
どうも、ヤタヌスヲノヌスです!
今回は昼の投稿となりました!
ちなみに高校の野球応援をしていたため体内時計が狂っています。
それでは、記念すべき 50 テイクアウト2 です!
「起きろ~、恵鷹~。」
やはり微動だにしない。
疲れているのだろう。
「ほっとくか。」
紫帆に目をやって言ったが、紫帆はますます恵鷹を起こそうとした。
「いや。
このヒトとはちょっと話がしたいから。」
そう言って挙げ句の果てに下に手を回そうとしたので俺は急いで紫帆を止める。
「スト~ップ!」
紫帆は俺の言う通りに止まる。
「え?何で?これが一番早いじゃん?」
気持ちも身体も恵鷹のそういう反応を見たいのだが俺の中の何かが紫帆を止めたのだ。
「もっと方向性の違う起こし方はないのか?」
紫帆はそれなら、と部屋に行こうとした。
俺は一旦それを止めた。
「それもストップだ。」
「どうして?」
紫帆は疑問げに首をかしげた。
そこまで言われるとどうしようもないなぁ。
話題を変えるか。
「まぁ、それは置いといてμちゃんのこと忘れてないか?」
紫帆は動きを一瞬止めてからから言った。
「あ、うん。
…、私の服じゃ大きいかな?
しょうがないよね?」
俺は紫帆を急かした。
「速く持ってってあげなよ。
μちゃん風邪引いちゃうぞ。」
そういうと紫帆は
「ワー。」
と言って衣服の入っている棚まで走り
「ワーッ。」
と言って脱衣所に行き
「ワァー。」
と言って戻ってきた。
「出来るなら最初ッからやれよ。
他人に迷惑かけるのだけはダメだかんな?」
紫帆は興味無さげに右手をあげた。
「はーい。」
こうなった紫帆にはもう手のつけようがない。
「んで、速く恵鷹を起こしてくれ。」
あ、また話題を振ってしまった。
「はーい。」
紫帆は部屋に行った。
初めは振動器具でも持ってくるのかと思っていたが案の定洗濯バサミとタオルだった。
「ほいっほいっと。」
紫帆は素早く恵鷹の鼻を洗濯バサミで塞ぎ口をタオルで覆う。
「これって殺人の手口じゃあ…。」
途端に恵鷹が目を覚まし、勢い良く起き上がった。
「はっ!」
同時に紫帆の顔面と衝突し、紫帆が倒れた。
「ったぁい。どこここ?誰この子?」
俺は恵鷹に話し掛ける。
「よっ。」
俺の心拍数は急激な右上がりを示していた。
「十騎君?
え?ドコここ?
まさか。」
そうだ。俺の家…
「LVホテル?
しかも私入れて女子二人?」
その回答は俺の予想の遥か上をいった。
俺は皮肉紛れに言った。
「そんな綺麗に見えた?」
また脱衣所のドアが開きμちゃんが出てくるとμちゃんは恵鷹に頭を下げた。
それを見て恵鷹は何故かテンション高めに言った。
「えぇぇぇぇ!!
この前の子?!
まさかの三☆股~!?」
俺は都合の悪すぎる誤解に苦笑した。
「いや、そういう訳じゃないから。
聞いてくれ恵鷹。」
恵鷹はまたも俺の弁明を妨げた。
「しょうがなかったって言うの?
寝てたから?
いやいやいやいや。」
ここで恵鷹にある言葉が頭をよぎった。
(あなたは勘違いが多く感情に振り回されてる。)
シュミーシャさんの名言[恵鷹の中で]である。
いきなり恵鷹が停止し、思考したので少し驚いた。
「ええと、聞くわ。
なになに?」
俺は心臓を落ち着かせるために一拍置いて話した。
「まず、そこにいる(戦死した如く倒れているの間違いかもしれない)女の子。
その子は俺の妹。
んで、あそこにいるのがお前も知ってるあの子。
連巌さんに俺んちに来いって言われたっぽいよ。
そして、お前んち知らないし家に連れ帰ってきたって訳。」
「え、あ、そう。
なんか、眠りが深くて悪かったわね。」
謝る恵鷹に俺はすぐに恵鷹を慰める体制に入った。
「大丈夫だ。
どこにも迷惑はかかってないから気にすんな。
ところで親とか大丈夫か?」
恵鷹は頷いた。
「私最近独り暮らしになったから。」
俺は単純に驚いた。
「え?マジ?独り暮らし?」
恵鷹は嫌みな笑みを浮かべてこちらを見た。
「今日は暇だし泊まっちゃおうかな~。」
俺は軽々と言った。
「良いよ。」
今度は恵鷹が驚き、喜んだ。
「え?やったー!」
瞬時に俺は人差し指を立てた。
「但し、色んな条件がある。」
恵鷹は身構えた。
「え?どんな?」
俺は人差し指を立てて言った。
「そりゃあ、家に泊まるのに必然的な事に決まってんだろ?」
恵鷹の肩に入っていた力が多少抜けた。
「え、あぁ。
成る程ね。
で、どんな?」
俺は格好をつけて語り出した。
「一、親がいないから俺の料理で我慢すべし。」
そこへμちゃんが口を挟んだ。
「楠木さんは料理上手さんなので安心です~。」
素晴らしいフォローを小耳に挟んで次に行く。
「2、ベッドか布団か選択すべし。」
恵鷹は多少戸惑い選ぶ。
「うーん。
じゃ、じゃあベッドで。」
俺は顎に手を当てる。
「うーん。
μちゃんと三人だと狭くないかな?」
恵鷹は途端に間の抜けた声をあげた。
「ふぇっ?三人?!
ってか、みんな一緒?!」
「え?おう。
嫌なら俺は床に布団でも敷いて寝るぞ。」
「いやぁ、それは悪いからいいよ。」
μちゃんがさりげなく話を盛り上げた。
「皆で一緒の毛布を使いましょうね!」
俺と恵鷹は口を合わせた。
「いっ、一緒?!」
μちゃんは笑顔で頷いた。
しばらく間を開けて俺は話を変えた。
「つ、次だ。
三、明日は学校だが、どうする?」
恵鷹は右斜め上を見てからゆっくり視線をこちらに戻した。
「ここってどこら辺?」
俺は両腕を小さく広げた。
「翌空と瑠璃ヶ原の間ぐらいだ。
一応瑠璃川沿いだぞ。」
俺はどさくさ紛れに家を聞いた。
「家どこの辺なの?」
恵鷹はまた右斜め上をみてから唸り、こちらを向きなおした。
「大体クサロナルドの近く~。かな。」
と、インターホンがなった。
時計は9時30分を示していた。
「誰だ?
アクチノールかな?」
冗談紛れに言ったが紫帆はまだ目覚めてないので、今ここにアクチノールの理解者しかいないため白い目線が俺に突き刺さった。
「ほーい。」
ドアを開けた。
「お前ら。」
そこには字と貴志という想像すらできない二人。
「どした?」
「テイクアウトの学校の物をお届けに上がりました。
字が困ってそうだから鍵を開けろって俺に言ってきてね。」
なんかものすごい複雑な気分だ。
「おいおい。
まぁ、その。サンキューな。」
俺はそう言って二人を玄関の先まで見送った。
俺が部屋に戻ると恵鷹が身構えた。
「それ、私のだよね?
だって…。」
恵鷹の恐怖を消すために俺は先手を打った。
「字からだ。
必要そうだって言ってた。」
恵鷹もどうやら複雑な気分になったようだ。
「あ、そ。
なら良かった…。のかな?」
このマズイムードを転換すべく話を変える。
「μちゃん、洗濯した衣類片してね。」
「あー、はい~!」
パタパタと走り棚へ向かう。
「じゃあ、俺料理作ってるから風呂にでも入りな。
見張りは紫帆にでもやらせとくから。」
「え?うん。」
そう言って長い長い一日の6分の5が終わった。
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