プロローグ
どうも、HIFI!!作者のヤタヌスヲノヌスです。
まず、HIFI!!ですが、完全オリジナル小説です。
主人公楠木十騎が敵組織的会社「アクチノール」に敵対し、奮闘する物語です。
グダグダと描きますので、見守って下さい。
«それじゃあ、貴方は今、何者でもない状態から解放されたわ。»
語りかけられたようなその言葉は正しく夢であった。
それもかなり妙な。
「何を?」
目が覚めてそれに応答してしまったのは俺、楠木十騎である。
恥ずかしさと共に「を」の発音の余韻が頭の中で響く。
時計の針が短い方が6丁度真上を示しているのを確認した後に、朝はこんなものだ。変な夢を見たのだからそれに対して突っ込むために起きてもなんの異議もあるまい、と変な理由をつけて寝室から未だにしょぼつく目を掻きながら起きた。
リビングへ向かうと、そこには俺の妹の楠木紫帆がいた。
紫帆は朝からキッチンに立つしっかりもので助かっている。
「おはよう。」
ズッ、と朝は少しだけ重く感じる椅子を引き、そこへ座った。
それと同時に紫帆が言葉を返した。
「おはよう!自称ポジティブにしては結構うなされてたよ??」
俺はいつも思う。
紫帆はこの若干煽りともとれる一言さえ無ければ完璧なのに、と。
「マジで?それはスーパーポジティビストにとってエラいことだな。」
俺の発言に紫帆が思わず首を傾げた。
「スーパーポジティビスト?」
そう、もう一つ紫帆の良くないところを思い出した。
少し理解力に欠けることだ。
普段から俺が未知の日本語を使う事は分かっているだろう。
せめてそのひとつまみだけでも理解はしてほしいものだ。
「いや、なんでもない。」
たぶん、今の会話の中だけで見ると悪いのはは俺なのだが。
「ふ〜ん、それで……、今日お兄ちゃん帰り遅くなる??」
紫帆は持っていた菜箸の先を上げ、振り向いて言った。
「なんないよ。」
そう言うと、紫帆の唇の端が若干上がるのが見えた。
それに対して俺は、妹に溢れた«和み»の感情を抑えきれずに思わずニヤついてしまった。
「え、何??何か面白かった??」
口を閉じてやや焦り気味に首を傾げる紫帆に可愛げを感じて、思わず落ち着いた声が出てしまった。
「なんでもないよ。」
そんなやりとりがあった後、俺は紫帆の作った朝食を食べてちゃんと歯ブラシをして、身だしなみを紫帆に見てもらってから家を後にした。
よろしければ感想を残していって頂けると、今後に繋がるというか何というか…
とにかく閲覧ありがとうございました!