麦茶
淡い恋の始まりを書いてみました。
とくとくと注がれた麦茶を
ごくごくと飲む彼の横顔を
気づかれないように見つめていた
昨日まではただの友達だったのに
夏の暑さのせいでしょうか?
さっきまで大勢で駆け上がった坂には
もう誰もいない
息があがって
空を仰いで
声援と自分の鼓動だけが聞こえた
何のために走りだしたのか
この苦しさは何なのか
走り終えたのに
まだわからない
だくだくと流れる汗も
だんだんと惹かれていく心さえも
夏が終わる頃
注がれた麦茶は溢れ出すのか
空になってしまうのか
まだ夏ははじまったばかり
ありがとうございました。