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第七話:部下との再会

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「・・・・・ふー」


刺されてから一週間後、ようやくベッドから起き上がる事を医者から許可された。


本当ならベッドから起き上がれても脱出した私は部屋から出られず監視役が付くはずなのだが監視の兵も部屋からの外出も禁止されずに許可された。


今はリハビリとして屋敷の中庭を歩いていた。


この屋敷の庭は天界からも近いからか天界に咲く花が多数あり心地良い香りが鼻を刺激した。


「この花は・・・・・・・」


花畑に咲いていた一輪の白い花に視線が止まった。


真っ白で汚れを知らない純白の天使の色。


折らずに近くで見てみる。


『この花言葉は可憐。まさに君の事を表しているね』


天界にいる婚約者、ユニエールから婚約を申し込まれた時に渡された花。


「・・・・・ユニエール」


貴方は今、どうしているの?


元気にしている?


私は白い花の前に跪いて涙を流し始めた。


「・・・・帰りたい。あの人のいる、天界に帰りたい・・・・・・・・・」


「ここにおりましたか」


ばっと背後を振り返るとフレアが静かに立っていた。


「・・・・貴方様の部下がお会いしたいそうです」


私の涙を見ても反応せずに用件を述べた。


「・・・・分かりました」


涙を拭き立ち上がった。


「・・・・これをお使い下さい」


歩こうとした時にフレアから紺色のハンカチを渡された。


「涙をちゃんと拭かないと部下の方々に示しが着きませんから」


それだけ言うとフレアは反対側を向いた。


「・・・・・ありがとう」


「・・・・・・礼には及びません」


無愛想な言葉も今の私には優しく聞こえた。














「・・・・・こちらになります」


涙を拭き案内された場所は大広間で私を救出に来た部下達がここで待っているらしい。


「・・・・ヴァレンタイン様をお連れしました」


フレアがドアノブを叩くとドアが開いた。


「・・・失礼します」


フレアに続き中に入ると包帯を巻いた数人の部下と将軍のフォカロルと黒一色の服に身を包んだ男爵がいた。


「・・・・・隊長っ」


部下達は私を見ると安堵のため息を吐いた。


「・・・・・ご無事でしたか」


「貴方達も無事で良かったわ」


互いに無事を祝った。


「傷を負った私達を夜叉王丸男爵様が助けてくれました」


部下達の言葉を聞いて椅子に座り脚を組みテンガルハットを深く被り腕を組んでいた男爵に近づいた。


「・・・・部下を助けてくれてありがとうございます」


私は男爵様に礼の言葉を述べ頭を下げた。


「・・・・・・・・・」


しかし、男爵は無言だった。


「おい。飛天。何か喋れよ」


一緒にいたフォカロル将軍が男爵に話し掛けた。


「・・・・何を言えと?」


暫らくの間を空けて男爵が口を開いた。


前に聞いた声と同じく威圧的な声色だった。


「んー、そうだな?例えば、気にするな、とかお前らは全員、天界に帰してやるとか、言えよ」


「・・・・・・そう言うのは将軍のお前が言え」


それだけ言うと男爵は椅子から立ち上がり部屋を出て行った。


「・・・・やれやれ。筋金入りの捻くれ者だな」


「そうでございますね」


フォカロル将軍とフレアはどうやら男爵様の事で笑っていた。


「まぁ良い。フレア、客人に茶を出しなさい。私は仕事に戻る」


「畏まりました」


フォカロル将軍とフレアも席を立ち後に残されたのは私と部下だけだった。


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