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第五話:男爵の気紛れ

また短くてすいません!!

「まだかー?」


気の抜けた声で自分の髪を櫛で梳かすフレアに尋ねた。


「もう少し待って下さい。男爵様の髪の毛って剛毛だから大変なんですよ」


フレアは夜叉王丸特性に作らせた象牙の櫛を使って必死に夜叉王丸の髪を梳かしながら答えた。


「そんな剛毛なのか?」


「そうですよ。ずっと髪を手入れもしないで伸ばし続けたからこうなったんですよ」


「・・・・・・・・・・・」


夜叉王丸はぐうの音も出ずに黙った。


「さぁ、終わりましたよっ」


梳かし終えた髪を黒い紐で後ろに結って終わった。


「おう、さぁてフォカロルの野郎はまだ居るかな?」


椅子から立ち上がった夜叉王丸は腕を伸ばしやっと覚醒した。


「恐らく食後のコーヒーを楽しんでいるかと」


「雅な事だな」


それだけ言うと夜叉王丸は部屋を出て行った。















「よぉ。フォカロル」


フレアの言う通りフォカロルは食後のコーヒーを楽しんでいた。


「よぉ、ではない。遅いぞ」


コーヒーを飲みながら半眼で夜叉王丸を睨んだ。


「仕方ないだろ?フレアに髪の手入れを念入りにされたんだからよ」


フォカロルと向かい合うように席に座りながら言い訳をする夜叉王丸。


「男爵様。コーヒーで御座います。勿論、最高級のミルク入りです」


二人の間に執事と思われる白髪の老人が夜叉王丸の座った席にコーヒーを置いた。


「おぉ。ありがとう」


嬉しそうに笑いながら礼を言う夜叉王丸。


「いえいえ。感謝の極みです」


老人も笑顔で答え去って行った。


「それで何か吐いたか?」


コーヒーを飲みながら三日前に捕まえた男の事を尋ねた。


男は屋敷の牢に閉じ込められ拷問をされながらも口を割らなかった。


「いや、まったく吐かない」


「子爵令嬢の部下達は?」


「あいつらなら個室で寝ている。お前の指示通りだろ?」


「あぁ。あいつらの忠義は見事だからな。丁重に扱わないとな」


「ふっ、これが隻眼の天使殺しの異名を持つ男のする事か?」


愉快な笑いを漏らすフォカロルに


「ただの気紛れだと思ってくれれば良い」


ぶっきら棒な口調で答える夜叉王丸にフォカロルは更に笑った。


まったく。この男ほど心身共に捻くれている悪魔は存在しないだろう。


しかし、捻くれているが同時に本当の意味で優しく尊敬できる相手は魔界広しと言えど中々いないだろう。


「なんだよ。人を見て笑いやがって」


「いやいや。何でもない」


夜叉王丸の睨みを受け止めながらフォカロルは湯気を出しながら優雅な香りを漂わすコーヒーを口にした。






今度からはもう少し長く書きます!!

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