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第九話:騎士と魔王

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「・・・・・旦那。ただいま戻りました」


フォカロルとチェスをしていると副長のゼオンが帰ってきた。


「ご苦労だった。それでどうだった?」


労いの言葉を掛け命じていた仕事の結果を尋ねた。


「はい。やはりヴィス公爵は境界線を越えて魔界の資源を強奪していました」


やはりあの狸、そんな事をしていたか。


「さらに事実を知った村人達を皆殺しにしようとしていました」


もっと早く兵を挙げていたら・・・・・


自責の念に刈られて握り拳をつくった。


「気に止むな。飛天」


フォカロルが励ますような口調で言った。


「幸い生存者がいたので連れて来ました」


ゼオンが後ろを向くとドアから薄汚れボロボロになった衣服を着た十二、三歳の少女が出て来た。


「生存者のリア。両親は戦火で死んだそうです」


リアという少女は小刻みに震えていた。


「・・・・・」


俺はリアに近づき片膝を着いて小さな頭を撫でた。


「お前の家族にはすまなかったな」


「心配するな。仇は取ってやるからな」


リアは暫く呆然としていたが涙が出て来た。


「よしよし。ゼオン」


俺はリアの頬を伝う涙を指で拭きながらゼオンに命令した。


「フレアに言って風呂と温かい食べ物を用意させろ」


ゼオンは分かったように一礼して部屋を出て行った。


「やれやれ。相変わらず女子供には甘いな」


フォカロルは溜め息を吐きながら呆れ果てていた。


「うるせぇな。別に良いだろ?」


俺が少し不機嫌な表情でフォカロルを睨んだ。


「誰も悪いとは言ってないだろ?」


フォカロルも睨み返してきた。


「・・・・・お取り込み中の所、失礼します」


横を振り向くと鵺が片膝を着いていた。


「・・・・何かあったのか?」


こいつが来るって事は何か遭った訳だな。


「はっ。あれから軍上層部に動きはありませんが別の人物に動きがありました」


「別の人物?」


俺とフォカロルは顔を見合わせた。


「子爵令嬢の婚約者であるユニエールが単身でこちらに来るとの事です」


「・・・・・ほう。囚われの姫君を助けに行く騎士じゃないか」


「って事は俺が魔王か」


フォカロルの言葉に冷静に取った。


「だろうな。現に婚約者を幽閉してるんだからな」


「・・・・・我が殿を愚弄するか?」


殺気を込めた瞳でフォカロルを睨む鵺。


「止めろ。鵺」


「・・・・・はっ」


俺の制止の命令に鵺は直ぐに反応した。


「そんなに怒るなよ。鵺」


フォカロルは苦笑しながら言ったが


「黙れ。我が名を気安く呼ぶな」


鵺は怒り浸透だった。


「・・・・・はぁ」


言い争う二人に気付かれないように溜め息を吐いた。

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