第八話:これからの事
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紅茶の用意を済ませたフレアは用があったら呼べと言って部屋から出て行った。
「副長、貴方たちの行動は上層部は了承していたの?」
紅茶を飲みながら私は副長だった男に尋ねた。
「いえ、私達の独断です。上層部は体長を助ける動きがありませんでした」
「・・・・・そう」
恐らくはそうではないかと思っていたが、実際に言われると落胆を隠せなかった。
「・・・・・隊長がいなくなった部隊は解散。俺たちは軍から追い出されました」
「・・・・・・・」
皆の嗚咽が聞こえてきた。
「隊長を護れなかったから当然だと思いました。だけど、隊長は生きてるのに死んだ事にされたのが我慢できなかったんです」
「だから、処罰は覚悟の上で俺達は隊長を助けに来たんです」
副長の言葉に皆が頷いた。
「・・・・・・ありがとう」
私は溢れ出す涙を止められずに暫らく嗚咽が止まらなかった。
「・・・・・・・・・」
ドアの前で暫らく立っていたフレアは足音を立てずに静かにドアから離れた。
彼女は無表情のまま廊下を歩いていたがよく見れいれば身体が震えているのが判る筈だ。
着いた場所は夜叉王丸の寝室だった。
「・・・・・・・・」
数回、ドアノブを叩くとドアが開いた。
「・・・・失礼します」
中に入ると刀の手入れをしている夜叉王丸が視界に入った。
「・・・・どうした?」
血を吸い歪んだ光をまぶし出す刀の刃を眺めながらフレアに尋ねた。
「はっ、ヴァレンタイン様と部下の事についてです」
「・・・・・話してみろ」
夜叉王丸は刀を鞘に収め壁に立てた。
「あの方達を如何なさいますか?」
「・・・・・天界に帰す予定だった」
「だったとは?」
首を傾げるとくしゃくしゃになった書類を渡された。
「これは・・・・・・・・・!?」
書類に書かれた内容を見てフレアは固まった。
「・・・・・それを見て予定が変った。もう暫らくこちらに留めて置く」
怒りを押し殺した声で呟く夜叉王丸。
「・・・・畏まりました」
フレアは一礼すると夜叉王丸に書類を渡した。
「・・・・・・・ふん」
書類を受け取ると乱暴に机に叩き付けた。
「・・・・・これからもあいつらの世話は頼んだ」
窓を開け葉巻を銜えながらフレアに命令する夜叉王丸。
「・・・・畏まりました」
フレアは一礼して夜叉王丸の寝室を出て行った。
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