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逸話:影の軍団

今回は少し映画のタイトルが出てきます。

「おい。飛天」


自分の部屋へと続く廊下を歩いていると後ろからフォカロルが追って来た。


「何だよ?今から昼寝するんだよ」


低血圧で頭が上手く回らないから苛々した声を出す。


「俺にあそこを任せるなよ。無責任だぞ」


立ち止まった俺に腕を組んで叱り付けるフォカロル。


「俺が無責任なんて今に始まった事じゃないだろ?」


踏ん反り返った口調で答えるとフォカロルはため息を吐いた。


「・・・・・そうだな。お前に説教をしようとした俺が馬鹿だった」


がくっと肩を落とすフォカロル。


「あまり気を落とすな。見た目より老けて見えるぞ」


振り向き様に言い残すと再び歩み始めた。


さぁて、早くベッドで心地よい夢をみよう。


「って、何を自己完結してるんだよ」


背後から立ち直ったフォカロルが追って来た。


ちっ、しつこいな。


「しつこい男は嫌われるぞ」


「うるさい。お前こそ捻くれ者は女に嫌われるぞ」


「余計な世話だ」


「そっちこそ余計なお世話だ」


互いに一歩も引かずに睨み合っていると


「・・・・殿」


横を向くと黒い服に身を包み黒いスカーフで口元を覆った男が片膝を着いていた。


「鵺か?」


俺が尋ねると男は無言で頷いた。


「遅くなり申し訳ありません」


「いや、お前らに限って仕事をさぼったりはしないだろ?」


こいつらは俺が考案して創立した隠密部隊。


まぁ、分かり易く馴染みのある言葉で言えば忍者だな。


アラストールや秘密警察長官のネルガルなんかは影の軍団とか言っているな。


まぁ、実際に映画を見て思い付いたんだけど・・・・・・・・・・・・


従者の一人、鵺が隊長を務め情報収集、謀略などを主な仕事にしているが、稀に暗殺もさせている。


こいつらは他の部隊とは違い俺の直属の命令しか聞かず命令実行率も100%だ。


「はっ。誓って仕事を怠慢するなどという事は致しません。しかし、ダハーカ殿が仕事を怠けておりました」


はぁ、またあいつか。


「分かった。後で給料から引いて置くか」


「それで何か分かったか?」


「はっ。ヨルムンガルド様からの報告を受け上層部の奥まで調べた所・・・・・・・・・・このような物が見つかりました」


懐から書類を取り出して俺に渡した。


「・・・・・こいつは・・・・・・・・・・」


「おいおい。この書類って・・・・・・・・」


フォカロルも俺の書類を見て眉を顰めた。


鵺が俺に渡した書類は


“魔界侵略”


と書いてあった。


詳しく見てみると内容は天界に帰還できなかったヴァレンタイン子爵令嬢は飛天夜叉王丸男爵の慰み物となり雑兵に殺された。


「・・・・・なるほど。奴らの狙いはこれか」


俺は我慢できずにその場で書類を握り潰した。


「・・・・天界の貴族を殺した。それの弔い合戦。大義名分付きでこっちは不利な戦だな」


フォカロルも機嫌が悪そうな顔で毒づいた。


「これを考えた奴は?少なくとも熾天使達のような奴らではないだろ?」


あいつらは性格は理想主義者で悪を許さないが、こんな手は使わん。


「はい。一部の軍上層部が殿を殺そうとして考えたものです」


「俺を殺す為に下らん戦をまた始める気か?」


ふざけるな。俺を殺す為に関係ない民を巻き込むな!!


「・・・・・・鵺」


「・・・はっ」


「・・・・戦を起こそうとする奴らのリストは?」


「既にアップしています」


「・・・・・これ以上、妙な動きをしたら・・・・・・・・・」


俺は親指を下に向け首筋を切った。


「・・・・・御意」


鵺は音もなく姿を消した。


「・・・・・流石は影の軍団。主人の言おうとしている事を分かっているな」


フォカロルは面白そうに笑った。


「楽しそうだな?」


「まぁな。情報が筒抜けでそれを知らずに計画を進めるなんて滑稽としか言えないだろ?」


腹を抱えながら笑うフォカロル。


「・・・・・そうだな」


俺は苦笑して再び廊下を歩き始めた。



千葉真一さんの作品は殆どが大好きで使わせて頂きました!!

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