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55・体育祭の計画

とある9月の月曜日

今日は担任の授業の時間を使って今月末にある体育祭について話し合いました。私達、1年生が出る種目は学年リレーと二人三脚と借り物競争。そして、体育祭の最後の競技には各部活の代表5名がそれぞれ部活のユニフォームとバトン代わりのアイテムを持ってリレーをするらしい。


例えばバスケ部ならバスケ部のユニフォームを着てバスケットボールを持って走る。それで、バトンの代わりにバスケットボールを渡す。勝った部活は部費が上がるとかで、毎年たくさんの部活が参加するみたい。


「委員長、後は任せた」


今日決めるのはリレーの順番と二人三脚のペア決めと借り物競争の順番。


「まずは、二人三脚のペア決めから。身長が近い同士ペアになった方が良いと思うんだけど」

「委員長!」

「どうした、水戸部?」


水戸部さんが何かを期待した目で勢いよく手を挙げながら席を立ちました。


「ペアは男女混合ですか⁉︎」

「男子は男子、女子は女子。混合はないよ」

「なんだと!これじゃぁ、気軽に女子と触れ合えないじゃないか」

「それでは、ペアを決めて下さい」

「えっ、スルーしないで」


相変わらず、委員長と水戸部さんは仲良いよね。部活も同じだし、これは委員長から聞いた話だけど委員長と水戸部さんは幼稚園からの付き合いみたい。流石、幼馴染。


2分後

「それじゃぁ、ペアはこれでいいかな」


意外にもペア決めは早く終わり、二人三脚はあやのちゃんと一緒に走ることに決定。こんな感じのノリでサクサク他の競技のペアを決めようと先生の意見でリレーの順番と借り物競争の順番は決まった。


「リレーの順番、最初の方だよ。うわー。私、足遅いから自信ないよ」

「そんなこと言ってゆいちゃんって意外と走るの早いよ?」

「えっ!そうかな」


えへへー、と笑うゆいちゃんは褒めて伸びるタイプだね。リレーとか走る競技は割と得意かな。だって、私が知り合いのお坊さんのお寺に住んでいた頃、毎日のように幽霊とか妖怪に襲われて、でこぼこした山の中を走ってたからね。その培われた足腰が今、実力を発揮するのだ!


「借り物競争の時ってさ、変なのを引いたら嫌だよね。例えば『カツラ』とか」

「確かに、あとさ『好きな人』とか」

「ゆいちゃんは好きな人いる?」

「もちろん!」


おおっ!ゆいちゃんに好きな人がいるだなんて驚きです。今まで好きとか恋愛の話なんてこれっぽっちも話題に出たことが無いから。誰だろう気になるな。


「もえちゃん、あやのちゃん、ほのかちゃん、めいちゃんと、お母さんとお父さんと…」


うん、今のところ恋愛はしてないみたいだね。それにしても、さっきから女の子の名前が多いな。


「隣の家のおばちゃんに、八百屋の」

「たくさんいるんだね」

「そうなんだ」


なんだかんだと雑談していると授業が終わるチャイムが鳴った。




* * *




放課後

今日もゆいちゃんは数学の補習で一緒に帰れない。だから、一人帰り道の体育館の前を通り過ぎようとしたら、ふと体育館の外にある水飲み場で委員長を発見。あっ、そうだ委員長に言わないといけないことがあったんだ。


「委員長、部活お疲れ様です」

「宮川さん⁉︎」


遠くから話すのは失礼なのでちゃんと近くに寄って話しますよ。


「前に、遊びに行こって誘ってくれたよね」

「うん」

「私、今週の土曜日からならいつでも空いてるよ」

「分かった。それとさ、遊びに行く場所なんだけど、もし、宮川さんが行きたい場所があったら言って。それも遊びに行く日に組み込もうかなって考えててさ」

「了解です」


その時、体育館からバスケ部の部長さんが鬼のような形相でこちらへ歩いて来ました。すると、委員長の頭を鷲掴みにして、私に笑いかけると、委員長を引きずるように体育館の中に入って行きました。


「委員長が拉致られた」


委員長は部長さんに連れられて行ってしまったので、ぽっつーんの私は我楽多屋のバイトに行くため、体育館を後にしました。

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