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2・発見したこと

後書きにキャラの容姿設定を載せてます

お暇でしたら見て下さいね

6月の半ば


203号室に住み始めて早1ヶ月が経った。そして最近、鬼さんのことでわかったことが3つある。


まずは1つ目、それは金曜日の夜だけ部屋から出て行き土曜日の朝に帰って来ること。偶然にも私は、土曜日の朝、鬼さんが外から帰って来る様子を見ることに成功したのだった!



時刻はとある土曜日の朝5時を少し過ぎた頃。ガチャリ、玄関が開いた音に目を覚ます。ベッドから薄目でドアの方を見ると、ここの203号室に住んでいる鬼さんが顔を赤くして帰ってきた。顔を赤く、足がふらついているのを見ると多分、どこかでお酒を飲んできたのかな?そして、そのまま鬼さんは。


「うっ!」


うつ伏せに私のベッドに倒れこんできた。重い、重いよ。倒れこんだ本人はそのまま寝ちゃってるし、どうやら、退く気はないらしい。

仕方がない、えいっ!私は鬼さんの肩を掴んでベッドから床に落とした。重いしお酒臭いし、もうなんなの。そうだ、私はちょっとした出来心で鬼さんの頬に油性ペンでグルグルと渦巻きを書いた。しかも両方の頬に。

どうせ酔ってるし他の妖怪と一緒に飲んでいたのだろう。だってさっきから。


「いぬがみ〜もう飲めんぞ〜」

だの

「かっぱだからモテねーんだよ」


あぁ、いぬがみさんとかっぱさんと鬼さんで飲んでたんですね。じゃぁ、この頬の落書きは、お供さんのせいにして私はもう一眠りと行きますか。




* * *




2つ目、 意外と悪戯っ子。

いや、外見は19歳くらいで黒髪黒目の品行方正な爽やか青年だけど、お風呂に入っている時に電気を消すのはどうかと思う。

だって、頭を洗ってるのにいきなり電気が消えるんだよ!別にね、電気が消えても暗闇は怖くないから慌てないんだけど、やっぱり、びっくりするよ。

しかも電気を消してこっちの反応がないと。


カチ

明かりが付いた

カチ

明かりが消えた

カチ

付いた

カチ

消えた

カチ

付いた

カチ

消えた



って、電球が壊れるわっ!

シャンプーの容器を掴み、お風呂のドアを開けて鬼さんがいるであろう、電気のスイッチ方面に思いっきり投げつけた。


「痛っ!」


当たり前です!こんな事してるから、ここに住んでた前の住人が1週間で別のアパートに移り変わったんだ!(大家さん談)


「僕のこと、視えてるの⁉︎」


当たった部分を抑えながら、鬼さんは涙目で聞いてきた。でも、私は敢えてスルーしよう。鬼さんのこと見えてませんよ、声も聞こえませんよ〜。というか一人称は『僕』なんだ。




あとさ、お風呂のことでもう1つある。

それは、お風呂に入る前、私が制服のシャツのボタンを3個くらい外している時に起きた事件。


洗面所の前で服を脱いでいると、またも熱い視線を感じた。横目でお風呂と廊下をつなぐドアを見ると、しっかり閉めたはずのドアが2cmくらい開いていた。おかしいな、音がするくらい閉めたのになぁ。よくよく見ると、そのわずか2cmの隙間から鬼さんの角と漆黒の目が可愛らしく見えた。可愛らしくっていう表現はおかしいか、正確には、ギラギラと輝いていたかな。


この鬼、私が見えないからと思って覗きをしようとしてるな。あっ、あまりの出来事にさん付けしてなかった。

とにかく、人間でも幽霊でも妖怪でも覗きは許せないから私はドアを閉めた。でもまたドアは開く、開いたら閉めて、開いたら閉めての繰り返しをかれこれ6回以上、続いた。

あぁ、もうっ!私は早くお風呂に入りたいんだ!


「このドア、壊れてるのかなー(超棒読み)」

「いだだだだだだだだだっ折れる、折れるっ!!」


鬼さんがドアから身を引くよりも速く、私は鬼さんの角ごとドアを閉めた。当然、角はドアに挟まって抜けないよね。ふんっ!女子高校生の着替え姿を見ようとするからこうなるのだ。壁とドアに手を着いて踏ん張り角を引っこ抜こうとする鬼さん、でも私はまだドアを閉める力を緩めない。だって、昨日も覗こうとしたんだよ。この鬼は、あぁ、またさん付けしてなかったや。


昨日はお風呂上がりを覗こうとしたらしい。でもお風呂から出て来た私はバスタオルを体に巻いていたからセーフ。その時の鬼さんの表情は、とても残念そうだった。


「あれ?このドアは閉まらないのかな」

「ごめんごめんごめんごめんごめんっ!」


これ以上、やると私が鬼みたいだからやめよう。鬼さんはドアの前で角を抑えてうずくまっているからもう覗く気は無いらしい。さて、お風呂に入るか。


とこんな感じだった。その事件以来、鬼さんは覗きをしようとしてこなかったから良しとしようか。やり過ぎだって言われれば、そうかもしれないけど、これはしょうがないよね。だって覗きをしようとする鬼さんの方が当然、悪いでしょ?



* * *



3つ目、勝手に料理を食べる。

家では朝ご飯と夕ご飯を食べるんだけど、主に夕飯の時。その日は、肉じゃがを作った。私は幼い頃から料理を作ってて、料理にはかなりの自信がある。


「よしっ、こんなもんか」


鍋に入っている肉じゃがの味見をして、お風呂を沸かしに少しの間、鍋から目を離したのがいけなかった。お風呂から台所に戻ってくると、鍋の蓋が開いていて中身が、作った内の半分しか残ってなかった。


「えっ?」


いやいや、確かに私は明日、お弁当に入れる用に肉じゃがを多めに作ったはず。なのに、こんなに少なくなるなんて。

犯人は、あいつか!


美味(うま)かったー」


とても幸せそうに呟いて私のベッドで寝転ぶ鬼さん。肉じゃがが減ったのは頂けないけど、そうか美味しかったのか。うん、なぜか悪い気はしない。どうせ、また朝ご飯も夕飯もつまみ食いをするんだろうな。


よしっ、明日から少し多めに作るか。

キャラクター説明 ~第1弾~


宮川(みやがわ) 萌香(もえか)】15歳

・本編の主人公

・身長155cm (自称) でも実際は148cm

・身長について悩んでいる

・幼顔でさらさら黒髪セミロング

・中学までは肩までのショート

その内、切るのが面倒さくなってきたので

放置した結果、セミロングになった

・ぱっちり二重の大きなタレ目

・前髪は2:8で分けている

・清楚系で可愛い

・料理や家事が得意



【鬼さん】名前はこれからの物語で出します

・身長180cmくらい

・見た目は黒髪黒目の爽やか青年

・黒い長袖のVネックとダメージジーンズを

履いている

・容姿は『角』以外ほぼ人間と変わらない

・萌香曰く19歳くらいに見えるらしい


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