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わーるど ちぇんじ  作者: 焼き黄粉餅
編入編!
6/7

うざい奴

短い・・・ですね。

 今の状況を、改めて説明する。

 俺、宮野蓮(みやのれん)は朝起きると、白い髪の女の子・・・幼女になっていて、家族に見捨てられた。

 その後、敦子さんに拾われて、栗林恋(くりばやしれん)になった。

 見た目的にも仕方なく、小学二年生になった俺は、喋る口調・発音がキザなドS・教師失格男・・・紅善吉(くれなぜんきち)に連れられて教室に向かったが、そこで善吉は名簿を忘れただか言い出して、教務室に戻ってしまった。

 で、水を飲みに行こうとした俺は、


 押し倒された。


 いやいや。ちょっと待てよ。

 もう、チャイムは鳴っただろ?生徒は教室に入るべき時間じゃないのか?

 まぁ、小学二年生なんだ。異性(身体的には)を押し倒しても、まだ気にしない年頃だな。

 ここは、大人の(高校生の)対応をしてやるか。


「・・・邪魔」


 俺は、呟いた。

 ・・・。

 もちろん、他の言い方もある。

 だけど、俺は友達が欲しい・・・訳じゃない。

 小学生の友達なんていらないし、作るわけにもいかない。だって、子供苦手だし。

 それゆえの、じみアピールだ。

 そもそも驚いたが、男に押し倒されてもどうと言うことはない。子供だし。


「う、うるせぇ!お前が飛び出してきたのが、悪いんだろ!」


 起き上がりながら、文句を言う少年。

 いきなり飛び出してきた・・・?

 年甲斐もなく、イラッとしてしまったが、我慢する。


「・・・」


 俺も、立ち上がる。

 その間に「バーカッ!」と言って、少年は走って行ってしまった。

 ・・・本当にイラッとするが、俺は少年の行く先を無視して、水を飲みに行った。


 善吉は、間もなくして戻ってきた。



 ◇ ◇ ◇



「お、お前!」


 ・・・。

 ・・・・・・。

 善吉に呼ばれ、ようやく静かになった教室―――二年二組―――に入った俺をまず迎えたのは、少年の声。

 と、言うか。さっきぶつかった少年だった。


「なんだ?お前らもう仲良くなったのか?」


「ちげぇよ!こいつが―――」


「彼が廊下を走っていたため、ぶつかっただけです」


 嘘はついてない。


「ほぅ?和樹。貴様、また遅れてきたのか?」


「な、なんでそうなるんだよ!」


「先生と別れたのは、チャイムの後ですから」


「そう言うことだ」


「な、・・・ごめんなさい」


「はぁ・・・しょうがない。栗林、席につけ」


 ・・・。

 ・・・・・・?

 は?


「どうした?何か忘れたか・・・あ」


 おい。こいつ・・・。


「・・・栗林、挨拶しろ」


 転入生の挨拶忘れんなよ・・・。

 普通の子供だったら、泣くぞ?


「はい・・・」


 ジド目を向けつつ、俺はチョークを取って、ギリギリ背の届く黒板の真ん中辺りに、『栗林恋』と書いた。

 すると、生徒達がざわつき始めたが、無視しよう。


「ここに書いてある通り・・・」


「おい、栗林。平仮名で書け」


 善吉に言われ、俺は我に帰った。

 今の俺は、小学二年生だ。

 そんな、子供が書ける字なんて、この中じゃ『林』だけだ。

 やっちまった・・・。


「す、すみません」


 俺は、漢字の下に『くりばやしれん』と書いた。

 これなら、問題ないだろう。


「えっと・・・栗林恋です。・・・よろしく?」


「だれがお前となんか!」


「・・・」


 俺は苦笑いを浮かべる。

 あの、和樹という少年。

 なんていうか、・・・うざいな。



 ◇ ◇ ◇



 ・・・疲れた。

 小学生の質問攻めも、授業中の質問攻めも、もう飽き飽きだ。

 まぁ、軽くあしらっていたお陰で、友達はできなかったが。

 強いて言うなら、孤立的な地味な転校生に、俺はなれた。

 ・・・わざとだぞ?


 で、次は体育の授業だ。

 四時間目。給食前。

 男女混合で教室で着替える。小学二年生だしな。

 もちろん、俺は教室の一番端の一番後ろの席で一人で着替える。

 小学生の着替えを覗き見るようなまねはしたくはないので、窓の方を見ながら着替えている。

 俺は、上着を脱いで窓を見直す。


「っ・・・」


 シャツ姿の女の子と目があった。

 というか、鏡に写った俺と目があった。

 う・・・。

 風呂といい、着替えといい、慣れれないな・・・こればっかりは。

 少し緊張して、赤くなった俺は、異常事態に気づいた。

 あれ・・・?体操着は・・・?

 てか、さっき机の上に置いたはずの体操着袋が、なくなっていた。

 罪悪感を覚えながら、俺は教室を見回す。


「くす・・・くふふ・・・」


 犯人を発見した。

 現在犯人は、机の間を這うようにして移動している。

 もちろん、犯人は和樹だ。

 ・・・さすがに、うざすぎる。


「返せ」


 進行方向に立ち、俺は和樹を睨み付ける。


「わかった、よ!」


 立ち上がった和樹は反対方向に、体操着袋を投げた。

 そして、ケラケラ笑いだした。


「・・・」


 無視だ、無視。

 さっさと着替える・・・。


 この時点から、俺と和樹の相性は最悪だな。もし隣になったらどうしよう・・・。とか、俺は被害妄想を始めていた。

 ていうか、やっぱりこいつは、うざい。

 ◇ ◇ ◇  次回予告 ◇ ◇ ◇



和樹「くっそぉ・・・つまんねぇな」


?「どうしたの?和樹君」


和樹「優人(ゆうと)、あの転校生どう思う・・・?」


優人「ぼ、僕は・・・可愛い子だな、って思うよ?」


和樹「そうか?俺はアイツが楽しそうにしてるとムカムカする」


優人「えぇ?和樹君あの子と朝以外話してないじゃん・・・」


和樹「なんか、嫌なんだよ・・・」


二人「次回、望みたい望み」


和樹「アイツ着替えんのおせぇな・・・。よし・・・」


優人「?」

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