プロローグのプロローグ
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俺は、宮野蓮。
普通で普通の、高校生だ。
もちろん、男子高校生。間違っても、今から述べる姿ではない。
腰まで伸びた、新雪のように綺麗な白髪。パッチリと開いた、水晶のように透き通った紫の瞳。顔のパーツはどれも綺麗で、驚いている顔をしていても、可愛らしい。
ダボダボで、肩まで見える、と言うよりずり落ちている黒いジャージを上だけ着ている。微かに膨らんだ、ほとんど平面な胸。下半身は何も着ていないらしく、正直言って、そういう性分の人が見たら危なそうな格好だ。
小学生低学年程度だと思われる、可愛らしい美少女。いや、美幼女と呼んだ方がいいのだろうか?
俺の、やけに小さく白い右手と、全く同じサイズの左手を、冷たいガラス越しに俺と合わせあっている。
違う。俺の部屋にガラスは一枚しかない。
その一枚は、二階であるこの部屋の外と繋がっている。
俺の目の前にあるのは、体の半分くらいのサイズしかない、無駄に小さく、体積的には大きい、使い勝手の悪い、今はやけに大きく見える置き鏡だけだ。
鏡。つまり俺の体を写す物。
俺の目の前にある、置き鏡には、さっき説明した美少女が写っている。
俺の額に一粒の汗が流れる。
それに合わせたかのように、鏡の少女の額にも汗が流れる。
俺は、鏡に思わず触れていた右手を顔に当てる。
返ってくるのは柔らかい、生まれたての子供のような感触。
そして、鏡の少女も同じ動きをする。
俺の、鼓動が高まる。
嫌な、あり得ない予感がする・・・。
「う、うそだろ・・・」
俺の口から出た声は、まだ呂律の周りきっていない、幼い少女の声。
小さいが、よく通る声。
その時点で、俺の予感はほとんど確信になってしまいつつあった。
だが、まだ認めたくない。そもそも、あり得ない!
俺はそう思い、自分の姿を確認する。
鏡ではなく、外の姿を確認する。
認めないため、認めたくないため、確かめる。
そして、頭の中が真っ白になった。
俺は、鏡の中の少女と全く同じ格好をしていた。
いつも俺が使っていたジャージは、服としての意味を果たしていない程にサイズが違っている。
視線にチラチラと入るのは、白い紐・・・いや、白い髪。背中を触って確認したが、腰までは伸びているだろう。
体全て・・・。腕も足も何もかも、小さくなっている。
股間の、感触もなくなっている。
いや、今触ってハッキリした。
信じられなかったから、見たりもした。
だけど、完全に俺の『ブツ』は無くなっていた。
男の象徴が消えて、女の象徴になっていた。
「うそ・・・だよな?」
か細く、消え入りそうな女の子の声が、俺の口から零れる。
泣いているような鼻声に、俺は俺が泣き目になっていることに、初めて気づいた。
もちろん、鏡の中の少女も、その目に涙を浮かべていた。
俺は、どんどん追い詰められる。
事実をハッキリさせて、今の現状を否定する為に動いて、今の現状を肯定してしまう。
俺は、宮野蓮、なんだよな・・・?
その事実すら、俺の中では崩れ始めてきた。
どうして、こんな事に・・・?
俺が何をしたって言うんだよ・・・。
俺は、思い出していた。
走馬灯のように、目を背けるように、俺は昨日までの出来事を、思い出した。
俺に何が起こったのか、俺は、結論を先延ばしていた。
◇ ◇ ◇ 次回予告 ◇ ◇ ◇
蓮「俺が・・・次回予告すればいいのか?」
蓮「えっと、次回。プロローグ」
蓮「どうやら、今回の前日の話のようだな」
?「そう。そして、それが君の最期になる」
蓮「うぁっ!?誰だよ!お前!」
?「私は、誰だろうね?」
?「1、君の恋人。2、君の先輩。3、君の主。4、君のトレーナー。5、君の・・・」
蓮「・・・。いきなり現れるような奴、俺は知らない。そもそも、トレーナーとか、何だよ・・・」
?「蓮、11万ボルト」
蓮「・・・」