生きる
僕は死にたかった。
生まれることを、望まれていなかったから。
僕は死にたかった。
生まれたことが、罪だと言われたから。
僕は死にたかった。
生きる意味を奪われたから。
僕は死にたかった。
愛情を知らないまま、生きれそうにないから。
僕は死にたかった。
夢の中の自分が、幸せそうに笑っていたから。
僕は死にたかった。
こんな僕にも、プライドがあったから。
僕は死にたかった。
何度も、死ねと言われたから。
僕は死にたかった。
何度も、何度も、殴られたから。
僕は死にたかった。
それでも、両親を憎めなかったから。
でも、僕は死ねなかった。
好きな人ができたから。
僕は死ねなかった。
愛する人が、僕に生きていて欲しいと言ってくれたから。
僕は死ねなかった。
愛する人が、いつも隣で笑ってくれたから。
僕は死ねなかった。
愛する人が、僕を愛していると言ってくれたから……。
二十五歳で終わった僕の人生。この言葉は、彼女が僕にくれた最高のプレゼントだった。
「これから先のあなたを、何があっても私は愛して行くから、あなたは今までの自分を、愛してあげなきゃだめだよ……」
僕は生きている。
今でも僕を愛していると言ってくれる彼女と一緒に……。