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私が失ったものは、両親の命だった。


両親の命を奪った相手の命を奪っても、私の心は満たされそうにない。この暗闇を抜け出すには何が必要なのか、自分に問いかけた。


両親との楽しかった時間を取り戻せば、この暗闇から抜け出せるのだろうか。それなら新しい家族を作るのはどうだろう。


でも、十五歳の私が家族を作る事などできるのだろうか。もちろん誰でも良いなら可能性はあるかもしれない。だが、私が望むのは、最高の家族だ。


最高の家族を作るには何が必要?


一番好きな人。


それは誰?


松本広翔。


今想えば彼に出会ったのは偶然ではなく必然だったのかもしれない。


命を捨てる事を望む人間と命を得ることを望む人間。

私は自分の望みと同時に彼の望みも叶える事が出来る。それによって罰を受けても構わない。私は彼を愛しているのだから。


それが歪んだ愛だということは理解している。でも、この世界でまっすぐな愛などあるのだろうか。


歪み、曲がり、落ち、そこで出会う愛こそ、真実なのではないだろうか……。


彼の網膜に最後に映るのは、私の顔だ。最愛の人の最後の記憶に残れるなんて想像しただけで、身体が喜びで震えた。


たりない物があればそれを補えばいい。それが命であっても。


愛が無ければ、愛をむさぼればいい。


自由はそこらへんにいくらでも落ちている。不自由などこの世界にありえない。もし不自由だと感じたなら、それは自分自身が勝手に作ったルールに縛られているからだ。


他人の目を気にして生きてきた私はもういない。


私は、欲しいものを、欲しいと言える怪物になれたんだ。

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