表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
歴史オタクの俺が偉人に転生した結果、歴史書に書かれていない真実を知った〜世界史の裏側を巡る転生ミステリー〜  作者: ズッキー
カエサル暗殺編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

3/4

第3話 暗殺者の会話

ブルートゥスが去ったあと、部屋に静寂が戻った。


俺はしばらく動けなかった。


三日後。

俺は殺される。

それが歴史だ。


だが今、目の前にいた

マルクス・ユニウス・ブルートゥス

は、暗殺者というより——


迷っている男に見えた。


本当にこの男が、俺を刺すのか?


俺は机の上の書簡をもう一度見た。

その中に、もう一つ気になる名前がある。


ガイウス・カッシウス・ロンギヌス。


カエサル暗殺の首謀者。


歴史の本ではそう書かれていた。


つまり。

ブルートゥスではなく、

この男が事件を動かしている可能性が高い。


俺は立ち上がった。


「……少し外に出るか」


宮殿の廊下を歩く。

護衛たちが頭を下げる。


カエサルという男が

どれほどの権力を持っていたのか。

今になって実感する。


その時だった。

廊下の先から、低い声が聞こえた。


俺は反射的に足を止めた。

柱の影から、二人の男が話しているのが見える。


一人は——

間違いない。


ガイウス・カッシウス・ロンギヌス。


もう一人は若い元老院議員だ。


二人は周囲を警戒しながら話している。


「ブルートゥスはまだ迷っている」


若い議員が言った。


「やはり彼を巻き込むべきでは……」


カッシウスは鼻で笑った。


「いや、必要だ」

「彼がいなければ、この計画はただの殺人になる」


俺の背筋が冷えた。


計画。

つまり——

暗殺はすでに決まっている。


若い議員は不安そうに言う。


「ですが……カエサルは民衆に人気があります」

「もし失敗すれば」


カッシウスの声が低くなる。


「失敗はしない」

「三日後の元老院で終わる」


その言葉を聞いた瞬間。

俺の心臓が大きく跳ねた。


やはりだ。

三日後。

ユリウス・カエサル暗殺。


歴史は、すでに動いている。

若い議員が震える声で言った。


「だが……ブルートゥスは本当に刺すでしょうか」


カッシウスは静かに答えた。


「刺さなくても構わない」

「だが、そこに立っているだけでいい」

「それだけでローマは我々を支持する」


俺は柱の影で息を止めた。


なるほど。

そういうことか。

ブルートゥスは象徴。


正義の象徴として

この暗殺に利用されている。


俺はゆっくり後ろに下がった。

そして心の中で呟く。


「面白い」

「つまり——」

「この暗殺は政治劇か」


三日後。

ローマ史上最大の暗殺事件が起きる。


だが今、はっきり分かった。

これは単なる裏切りではない。


ローマそのものを揺るがす陰謀だ。


そして俺は。

その中心にいる。

俺は空を見上げた。


歴史は変えられない。

だが。

真実を知ることはできる。


ならば俺は——

この暗殺の裏側を、最後まで見届ける。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ