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喬木まことの短編

婚約者の親友とデキ婚したら、うだつの上がらない人生が待っていた

作者: 喬木まこと

ヴァカオス 伯爵令息

キーレル 伯爵令嬢

ネトリー 男爵令嬢


エッセイ【 短編の後書きとか解説とか 】にて、

人物紹介やその後の話を公開しました。

 ヴァカオスは国中の憧れ、誉高き王国騎士団の一員である。しかし彼が立つ、その場所は王宮の庭園に繋がる門の一つ。


 ヴァカオスは門番だった。


 しかも、王宮に入城する際には、既に他の騎士が確認を済ませているので、ヴァカオスが立つ門は危険度は非常に低い。


 本来ならここは引退間近の騎士が担当したり、負傷した騎士の傷が癒え、復帰する前の慣らし業務であったりする。


 はっきり言って閑職だ。


「俺はこんな所にいるべき人間ではないのに」


 ヴァカオスは王族に侍る近衛騎士になるはずだった。それが何故こんなどうでも良い場所へと押し込められねばならないのか。


 苛々していると女性達の笑い声が聞こえてきた。今日は王太子妃殿下が親しい友人のみを招き、庭で私的な茶会を開いているという。


 その中に、覚えのある声もあった。


「あの女も来ているな」


 それはヴァカオスの元婚約者にして、現在は侯爵夫人となったキーレル。彼女は特に王太子妃殿下の信頼が厚く、今では社交界の花と言われている。


 ヴァカオスとキーレルが袂を分けたのは3年前。まだ二人が学園に通う学生だった頃。ヴァカオスは婚約者がいるにも関わらず、真実の愛を知ってしまったのだった。


 その相手こそ、キーレルの親友である愛しい妻ネトリー。当時男爵令嬢だった彼女とヴァカオスは、偶然にも学園の裏庭で出会った。新入生の彼女は学園内で迷ってしまったらしく、道案内をしたのがきっかけだった。


 話せばネトリーはキーレルの親友だと言うではないか。以降、二人は何かと言葉を交わすようになる。ネトリーは高位貴族の令嬢らしいキーレルと違い、コロコロと表情を変え、一緒にいて安心する娘だった。


 二人が心を通わせるのに時間は掛からなかった。そして、ネトリーの妊娠が分かったのは、ヴァカオスとキーレルの卒業間近。ヴァカオスは父に殴られ罵倒された。


 キーレルとその父の伯爵との話し合いにて、父はネトリーとの子供は遠縁の家に養子に出すので、婚約の継続をと話だが、キーレルの父に一笑されていた。


「ヴァカオス様はどうなさりたいのですか?」


 キーレルに尋ねられたので正直にネトリーと結婚すると答えた。


「さようですか、では、どうぞご結婚なさって」

「いいのか?」


 アッサリとした答えに驚きつつも、内心ホッとした。もっと縋り付かれると思っていたのだ。


「ええ、ですが一つだけお伝えしたい事が御座います」

「なんだ?」

「ネトリーさんは私の親友では御座いません」

「何て冷たい事を言うのだ!」


 ヴァカオスは憤慨した。きっとネトリーに嫉妬しているに違いない。


「ネトリーさんがどう言った認識で、そのような事を仰ったのか理解できませんが、私とネトリーさんはクラスどころか学年も違い、接点は御座いません。現に、友人としてご紹介した事もないでしょう」

「彼女が下位貴族だからと見下しているのだろう!」

「あら、サイジョット子爵令嬢やデキェル男爵令嬢とは親しくしておりますよ。我が家の園遊会でもご一緒したでしょう」


 キーレルはさらに続けた。


「私は時間を共にし、語らい、敬意を持てる方々を親友と呼びます。ネトリーさんとは、そう言った関係では御座いません」


 どこかでご挨拶は交わしたかもしれませんが、と付け加えた。そして言った。


「ですので、今後、ネトリーさんが親友であると言った話が御座いましたら、私は否定させて頂きますので御了承下さいましね」


 なんて憎たらしい事を言うのだろうか。ここにキーレルの父や自分の父が居なければ、思いっきり罵倒してやったのに。だが、その後、予想外にもキーレルは、父に向き直ると、ヴァカオスとネトリーの婚姻を願ったのだった。


「生まれてくる子に罪は御座いませんもの。どうか、閣下のお孫様からご両親を奪わないで下さいませ」


 まったく、この女の考えている事はサッパリ理解出来なかった。しかし、ヴァカオスとネトリーの仲を認めるならば、慰謝料の減額もするとの事で父も了承した。


 これで、ネトリーを我が伯爵家に妻として迎えられる。そう思っていたが、ヴァカオスは後継者から外され、家を出ろと言われてしまう。


「何故です、父上!」

「当たり前だ、馬鹿者!他家との婚約を蔑ろにし、己の家に不利益をもたらす人間を当主に出来るか!まして、相手は婚約者のいる男に擦り寄る娘だ。その様な貞操観念の低い娘を、伯爵夫人として迎え入れるなどあり得ぬ!」


 父は領地に家を用意してやるので、そこで暮らすよう言い始めた。


「後継者は弟のマジメスだ。お前は、領軍の騎士として生きるがいい」

「嫌です!俺は近衛騎士になる男です!」

「ふざけるな!」


 しかし、どれ程、言葉を尽くしても父を説得出来なかった。あげく、そこまで言うのならば学園を卒業後は伯爵家を出て、己で身を立てろと言われてしまう。


「多少の資金はお渡ししますし、姓を名乗る事は認めます。ですが、我が家とは縁を切って頂きます」


 その場に立ち会っていた弟が淡々と告げた。


「俺から後継者の座も個人資産も奪って、さぞや気分が良いだろうな」

「兄上の個人資産はキーレル嬢への慰謝料になるんですよ、僕のものにはなりません。これから経営難となっている我が家の建て直しに人生を捧げねばなりませんから、手放しには喜べませんね」

「ふん、出鱈目を」

「何が出鱈目なものですか。そもそも、キーレル様の家から援助を受けるための婚約だったのに、兄上のせいで我が家どころか領民も苦しむのですよ」


 そんな話は聞いた事はない。王家からも覚えめでたい我が伯爵家が、そんな惨めな状況下に置かれているはずがない。


「父上、マジメスの言葉を聞いたでしょう。我が家を貶めるような人間に伯爵家を任せて良いのですか?」


 しかし、父はそれに答えず黙ったままだ。弟は冷めた視線を父に向けている。


「この期に及んで、兄上は我が家の事を全く理解しておりません。父上がきちんと兄上に説明しなかったせいで、この様な事態になったのですよ」

「……後はお前に任せる」


 父はマジメスにそう言い放つと部屋を出て行った。父と会話をしたのはそれが最後だった。


 その後、ヴァカオスは本当に伯爵家を追い出されてしまう。仕方なく家を出る際に渡された金で、王都に家を買った。伯爵家のタウンハウスと比べるとかなり手狭だがネトリーは喜んでくれたし、学園在学中に王国騎士団の入団試験に合格しているので、出世したら買い換えれば良いだろう。


 しかし、ヴァカオスが伯爵家の後継から外された事にはネトリーはショックを受けていた。


「ヴァカオス様より相応しい方はいないのに」

「ありがとう、ネトリー。だが、俺が騎士団で出世すれば父上達も考えを改めるだろう」

「そうね。それに、お腹の子が生まれたら、きっと喜んでくれるわ。伯爵家の正当な跡取りだもの」


 身籠っているネトリーは2年生に進級する前に学園を退学する事になった。少々、腹が目立ってきているが結婚式を挙げた。純白のウェディングドレスを身に纏ったネトリーは誰よりも美しかった。しかし、式に参列したのはネトリーの両親と兄だけであったのが、残念であった。


 また式の後、ヴァカオスはネトリーの兄から男爵家を継いで欲しいと言われた。


「私などよりも、ヴァカオス様が継いで下さった方が宜しいでしょう」

「だが……」


 ヴァカオスは男爵で終わるつもりはない。騎士団で出世し、さらに上の爵位を得るつもりだ。どうやって断ったものかと考えていると、ネトリーの父親が言った。


「ヴァカオス様は王立騎士団でご活躍されるだろう。将来的に爵位を賜った場合は、ネトリーの子供達の誰かに継がせれば良いのではないか」

「ヴァカオス様と父上がよろしいのであれば、そのようになさって下さい」


 また、ネトリーの兄は妻の故郷の異国で仕事を始めるので、会うのは最後になるだろうとの事だった。


 こうしてヴァカオスは愛する妻と新居を構え、念願の王立騎士団の一員となった。近衛騎士となったヴァカオスを見たら父や弟も後悔するだろう。


 だが配属先は王都警備でもなく、王族の護衛でもなく、門番だった。これでは出世の機会もない。


 もしや、上層部が気を回して、危険任務から、わざと遠ざけられているのではないだろうか。入団試験の際、審査官をしていた騎士団の重鎮であるローガイン卿に声をかけて貰った事を思い出した。


「うははは!不貞なんぞ、私の若い頃なら当たり前だ!最近の若い者は頭が固い!男は愛人の1人や2人いて一人前なのだ!」


 ネトリーは真実の愛だが、合否に関わるといけないので、黙って聞いていたら気に入られた。


「しかし余計な事をしてくれたものだ」


 また家に帰れば、ここ最近ネトリーが落ち込んでいる。孫が生まれたと連絡したのに伯爵家からは祝いどころか、何の返事もないのだ。おまけに学園時代の友人からも便りはないと言う。


「アタシが一番最初に結婚したから怒ってるのかしら」

「女の嫉妬は嫌なものだな。そんな連中は放っておけばいい。そのうち騎士団の先輩方の奥方達から茶の誘いでもあるだろう」

「ヴァカオス様の先輩って、公爵様や侯爵家様もいるんでしょう?楽しみ!」


 だが騎士団員のご夫人方からの連絡が来る事もなく、ネトリーは慣れない子育てに追われて最近では不満気な顔をしている事が多い。帰宅すれば、愚痴を聞かされる日々にヴァカオスも嫌気がさしてきた。


 そんなある日、王宮が賑わっている事に気が付いた。気になったヴァカオスは同僚の一人に聞いてみた。


「ああ……王太子殿下の従兄弟に当たる公子様のご結婚が決まったんだよ」


 公子は二人いるが、兄はすでに婚姻しており、子もいる。弟の縁談がまとまったらしい。通常ならば貴族の結婚に王族は出席しないが、公子は準王族だ、国王陛下や王太子殿下も夫婦で参列するとの事だ。さらに王宮での夜会でも公子と婚約者は祝われ、その婚姻は国中から祝福される。


 また公子は親戚の子のいない侯爵家に養子となり、後継者となる事が決まった。現侯爵は高齢なため、すぐに継承は行われ、公子様は若き侯爵として婚約者を迎えるらしい。


「慶事が重なっているから、騒がしいのか」

「そのようだ」


 だが、説明をする同僚が気不味そうな顔をしている事が気になったヴァカオスはさらに尋ねてみた。


「なんだ、何かこの縁談に問題でもあるのか?」

「いや、そんな事は一切ない」

「だったら、なんだ、その態度は」


 きつく問い詰めると同僚は答えた。


「公子様の結婚相手はお前の元婚約者殿だ」


 そんな馬鹿な。キーレルはヴァカオスに婚約破棄されて傷物になった女だ。そんな令嬢を公子が選ぶはずはない。


「何かの間違いではないのか?あの女は瑕疵が……!」

「おい!」

「何だ、突然怒鳴るとは失礼だろう!」


 いきなり声を荒げた同僚を咎めると、逆に自分が嗜められてしまう。


「無礼なのは、お前だ。公子様の婚約者殿に不敬な発言をするな!」

「だが!」


 同僚の話では、公子様は長くキーレルを想い続け、彼女への思慕の念を断ち切る事が出来ず、婚約者を決める事が出来ずにいたらしい。しかし、キーレルの婚約はなくなったため、この機を逃してはならないと、すぐに縁談の申し込みをしたと言う。婚約がなくなったばかりだと、キーレルは中々首を縦に振らなかったが、公子は諦めずに友人として交流を続け、この度の婚姻が決まった。


「ご令嬢方だけでなく、社交界から純愛だと評判だ。準王族に名を連ねる方の婚姻に難癖を付けるような真似はするなよ」


 そう言って同僚は立ち去った。


「キーレルが結婚?」


 よりによって準王族と。

 おまけに、婚姻早々に侯爵夫人となるなど。


 学園卒業直前に婚約が破談となったのだ。普通ならばろくな結婚は望めない。歳の離れた男の後妻となるか、せいぜい下位貴族の嫁入りするか、最悪、修道院にでも入るかと思っていたのに、よりによって公子を選ぶなど厚かましい女だ。


 キーレルと公子の結婚の話は王宮内でも話題になっているらしい。そうなると、嫌でもヴァカオスは注目された。


 今日も回廊を通り過ぎようとすれば、女官共が噂をしていた。


「聞きまして?公子様とキーレル嬢のご結婚」

「ええ、運命がお二人を引き合わせたのですね、素敵だわ」

「公子様もご立派な方ですが、キーレル嬢も才色兼備な方ですもの、お似合いなお二人ね」

「あら、あの方は……」


 ペチャクチャと話していた一人がヴァカオスに気付く。


「ええ、そうよ。学園卒業前に、男爵令嬢との間にお子が出来たそうよ」

「あらまあ、そそっかしい方ね」

「ふふ、やあね」


 小馬鹿にした態度が癪に触るが、場所が場所なだけ、怒鳴り付けて追い払う事も出来ない。だが睨み付けてやると、女共は散るように、この場から離れて行く。


「ふん、下らない奴らだ」


 しかし、これでは真実の愛を貫いた誇り高き王国騎士であるヴァカオスが、まるで三下の悪役か道化のようではないか。この不当な扱いをどうにかしなければ。


 一番てっとり早いのはキーレルが説明責任を果たす事だ。当の本人がヴァカオスになんの非もない旨を世間に広めれば良い。しかし、キーレルは婚約破棄になった事を恨んであるだろう。悪評を捏造される恐れがある。やはり、その場にはヴァカオスが立ち会うべきか……


 悩みつつ帰宅すると、久しぶりにネトリーの機嫌が良い。


「どうした?」

「聞いて、ヴァカオス様。キーレルさんのご結婚が決まったのですって!」


 どこから聞いてきたか分からないがネトリーはキーレルの結婚を自分の事のように喜んでいる。やはり、ネトリーは心の優しい女だ。


「きっと、素敵なお式でしょうね!お祝いの夜会にはどのドレスを着て行こうかしら。ああ、侯爵家で行われるのだからドレスを新調した方が良いわね」


 ネトリーの話を聞いていて気が付いた。結婚の祝いの場に自分達が現れ、広い心でキーレルを許してやれば、おのずとヴァカオスの清廉潔白さが知れ渡るだろう。


 嫌味の一つも言ってやりたい所だが、そこは結婚相手の侯爵に免じて祝いの言葉を述べてやる。キーレルは感謝するに違いないし、式に列席する国王や王太子もヴァカオスの高潔さを知って、近衛騎士にと望むかもしれない。


「楽しみね、ヴァカオス様」

「ああ、そうだな」


 だが、ヴァカオス達に招待状が届く事はなく、再びネトリーは不機嫌な態度に逆戻りした。


「せっかく夜会用のドレスを買ったのに!」


 こちらが歩み寄ってやろうとしているのに、なんたる態度なのか。これは許し難い。ヴァカオスは苦情の手紙をしたため、キーレル本人ではなく夫となった侯爵に送り付けた。これでキーレルの本性はばれ、愛想を尽かされてしまえばいい。


 しかし、侯爵家からはなんの謝罪もない。きっと悪どいキーレルが誤魔化しているのだろう。


 ヴァカオスの我慢も限界を超えつつあったある日。王太子妃が友人を招いて私的な茶会を行うと聞いた。親しい者だけを招き、あのキーレルの結婚の祝いをすると言う。


「王太子妃に取り入るとは卑しい女だ」


 ヴァカオスはキーレルと決着を付ける事にした。茶会が終了するのを見計らって、王宮内で待ち伏せし直接話をつける。謝罪させ、詫びとして王太子夫妻にヴァカオスを近衛騎士として推薦させるのも良いだろう。


 ところが……


「オイ!キーレ……うああ!」


 ヴァカオスは元婚約者に手を伸ばそうとした瞬間、他の騎士達によって拘束された。


 そして、現在、尋問を受けている。


「はあ……お前の主張は全くもって受け入れられん」


 上官はヴァカオスの話を聞いて、呆れるばかりであった。そもそも、この男は王国騎士団の入団試験に合格ではなかったのに、退官間近の化石老騎士(ろうがい)の強引な推薦で入る事が出来た。


 案の定、勤務態度はやる気を感じさせず、同僚には高圧的な態度を取り、時には女官や侍女を睨み付け、怯えさせる。評価は著しくない。


 あげく、酷い勘違いと言い掛かりで、王太子妃殿下の客人であり、友人の侯爵夫人に害を成そうとした。


「私は正義を完うしようとしただけです!」

「あのな、侯爵夫人は王太子妃殿下に申し上げたそうだ。もし、お前が入団試験に合格したなら“()()な評価をして欲しい”と」

「は?」


 そう、キーレルのこの言葉がなければヴァカオスは王宮勤めはできなかった。老騎士よりも王太子妃の声の方が影響力があるのは当然だ。キーレルが一言「ヴァカオスを王国騎士団に入れるな」と言えば、この男は不合格であった。


「夫人の言葉通り、お前は()()な扱いを受けている。それほどに恩義のあるお方に、これ以上何を求めるつもりなのだ?」

「し、しかし、現に妻は社交界から締め出されております」

「知り合いでもない、ただの騎士の妻を高位貴族の令嬢や御婦人が誘う訳ないだろう。それに侯爵夫人はお前達に批判的な者達にも、お前達夫婦の事は”()()()してやって欲しい”と言っているそうだぞ。それは私の妻が直接聞いたから間違いない」

「で、ですが……いや、でも」


 だが「公平」な評価の結果が閑職であり、「そっとしてやる」と言う事は、関わらないと言う事でもある。キーレル夫人はここまで、考えていたのだろうか。


 ヴァカオスは座学も剣術も王国騎士団の求める水準を超えているが、思考、価値観、傲慢さ、視野の狭さ、プライドの高さは致命的だ。やはりキーレル夫人はヴァカオスの性格を知った上で、彼の人生を妨害する必要はないと判断したのだろう。


 ヴァカオスが元婚約者に接触しようとした時はまだ、勤務時間中だった。キーレルへの暴挙だけでなく職務放棄も追加されて厳罰となる事は間違いない。


 そもそも、ヴァカオスは伯爵家から籍を抜かれており、平民が騎士爵を得た状態に過ぎない。それを思い上がり、侯爵夫人に害をなそうとしたのだ。


 キーレルが手を下さずとも。

 この男は勝手に堕ちていく。

そこそこ能力があったら、一気に落ちぶれず、ジワジワと来るかなと思いました。


ちなみに、ローガイン卿はヴァカオスのおかげで退官が早まりましたよ。若手は大喜び。

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― 新着の感想 ―
マジメスくんの字面が誤変換されるせいで、困窮した家へ援助を受ける為に高位貴族ド・ヘンタイに菊の花を献上するなんてアホな妄想が浮かんでしまったり…
ちょっと名前ぇw ヴァカオスの弟のマジメスくん、名前の由来はわかっているのだけど、どうしても別のところで切ってしまい、女装が趣味でそこらの令嬢ではかなわないほど可愛らしい令息なんじゃないかと期待してし…
バカ雄…w ネーミングが大変わかりやすくていつも好きです。 しかしこっち視点だと読んでて頭痛くなってきますね。異次元思考。
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