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Prologue.

ある日、きみの人生を変えるような出来事が起きる


小説や映画でよく見かけるこの謳い文句を、鳴海潤はずっと信じていなかった。

満員電車の中、鳴海の目の前にはその言葉が書かれた映画の広告がある。この冬公開予定、今話題の女優が主演する恋愛映画だ。創作では、恋に落ちることがよく“人生を変える出来事”として描かれる。もちろん、事故や事件などもそれに当たるのだろうが、恋愛に関することは特にそう表現されがちだ。

そうした出来事があることで、物語は動き出す。けれど、普通に生きていて、そんなことに本当に出会うのだろうか?

遅刻だと焦ってパンをくわえ、住宅街や街中の角という角を曲がれば、そんな出来事に出会えるのだろうか。

「馬鹿らしい」

小声でつぶやいた言葉は、満員電車のざわめきに紛れて消えた。あと十分もすれば、鳴海が通う高校の最寄駅だ。少しでも寝ようと目を閉じ、今日も始まる変わらない日常を迎える準備をした。

少ししたら、鳴海の身に“人生を変えるような出来事”が起こるとも知らずに。

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