戸定梨香が性犯罪を誘発する?
全国フェミニスト議員連盟の公開質問状から引用する。
「本動画は、女児を性的な対象として描いており、女性の定型化された役割に基づく偏見及び慣習を助長しています。
戸定梨香というVTuber(アニメキャラクター)は、セーラー服のような上衣で、丈はきわめて短く、腹やへそを露出しています。
体を動かす度に大きな胸が揺れます。
下衣は極端なミニスカートで、女子中高生であることを印象づけたうえで、性的対象物として描写し、かつ強調しています。
国連女性差別撤廃委員会の勧告(2016 年)は、日本政府に対して「固定観念と有害な慣行」として「メディアが、性的対象とみなすことを含め、女性や女児について固定観念に沿った描写を頻繁に行っていること」に懸念を表明しています。
公共機関である警察署が、女児を性的対象とするようなアニメキャラクターを採用することは絶対にあってはならないことです。 」
しつこいくらい戸定梨香が性的であることを強調している。
「女児を性的な対象として描くキャラクターを採用することは、性犯罪誘発の懸念すら感じさせるものですが、採用決定過程においてどのような検討をされたかお答えください」
今回の動画が「女児はこんなに性的です!みなさん性犯罪をしましょう!」というメッセージを発しているという意味ならば「そんなわけないだろ」という話である。
それとも今回の動画を見た者が「おっ、このキャラクターはエロいやんけ。よっしゃ、ムラムラしたけんいっちょ性犯罪しにいったろ!」と思うのだろうか?
仮に思ったとしたら、私はその人の心に重大な問題があるとしか考えられない。
そしてこれが重要なポイントなのだが、女性を狙った犯罪はメディアが登場する前からあったということだ。
たしかにサンピエトロ大聖堂ならば、聖なる童貞の総本山だから止めれるのもやむなしの格好だが、ここはバチカンではなく日本だ。
市井の女性がへそを露出し、ミニスカートをはき、胸をどれだけ揺らしても違法にはならない。
ついでに中高生ではなく、18歳以上の女性がセーラー服を着たいと願うならば、私個人がどう感じるかはともかく、それは尊重されるべきだと思うよ。
今回の件はゾーニングの問題だという意見は全国フェミニスト議員連盟の擁護派から多くでた。
ゾーニングはいくつかの意味がある言葉だが、こういう表現物の場合は、いわゆるR指定の事を指す。
レンタルビデオショップでアダルトビデオだけ暖簾で仕切られた別の部屋に、外から見えないように陳列してあるのを想像したらいい。
(最近はレンタルビデオ店も少なくなっているからこの表現で読者に伝わるか作者は心配だ)
だが、ちょっと待ってほしい。
本当に戸定梨香が「女児を性的対象としたキャラ」で、「女性への偏見を助長」し、「性犯罪すら誘発」するのなら、警察以外でも活躍は容認できないはずだ。
なんならプライベートですらダメという方が理にかなっている。
それを視聴することで「女性への偏見を助長」し、「性犯罪すら誘発」するのなら、家で見ても同じことだからだ。
でもさすがにそれを主張するのは個人の権利を侵害しすぎると思うのか、そこまで主張する全国フェミニスト議員連盟の擁護派は見られなかった。
実はほぼ同じ時期にアフガニスタンのタリバン政権が公共にある女性表象を破壊する活動をしており、フェミニストに対して「タリバンと同じだ」という批判があったため遠慮したのかもしれない。
どちらにしても、全国フェミニスト議員連盟が主張するような「戸定梨香およびその活動そのものを否定しているわけではない」という意見は、支離滅裂なものなのである。ここで言う『ゾーニング』とは、結局は『排除』と同義でしかないのだ。




