悪役?令嬢の日記
私は庭園で優雅にティータイムを過ごしていた。
「はあ…今日も暇ですわ、何か面白いことはないかしら」
そう思って周囲を見渡すも面白そうなものは何も無い。
ただ華美なだけの統一感のない庭園が広がっているだけだ。
(まったく、ご先祖さまはどういう趣味をしてらしたのかしら、私ならもっと美しい貴族の庭園を作れますのに)
人差し指にハマっている豪華な宝石の装飾された指輪を見て、また憂鬱な気持ちになる。
公爵家の令嬢である私の元には日々公爵家と懇意になりたい輩が宝飾品やらなんやらを送ってくるが、そんなに送って来られても困る。
(午前は座学、午後は社交界の練習…つまらない毎日だわ)
だが、そんな私も最近楽しみを見つけた。
辺境から王都に出てきたばかりの貧乏貴族の令嬢をいじめるのだ。
令嬢とは言っても、私から見れば田舎者に過ぎない、周りの貴族も皆同じく思っているらしく、何をしてもや許される。
(昨日は何をしましたっけ…そうそう。お茶に誘って、限界まで角砂糖を入れた紅茶をご馳走して差しあげたんですわ。嫌そうな顔をしなかったけど…まあ、それは私が公爵令嬢だから我慢してたんですわ。そうに違いありません。まあ、そっちの方がいじめがいがあっていいじゃない)
今日の午後の社交界の練習に彼女も来る。それを思い出しただけで、気分が上がってきた。
(さて、今日は何をしましょうかしらね…そうだお茶のお菓子を1人だけホールケーキにして差し上げましょう。きっと食べきれなくて困るはずよね。我ながら名案ですわ!)
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後、完食されてしまった。
(なんで………なんで食べ切れるの…)