第2話:グリフォンの背中
ルベルは机の上に置いてあったバックを取ると、裏口から裏庭に出た。
『フリージア!おいで』
『あ、はいっ』
急に名前を呼ばれたフリージア驚きながらも小走りで裏庭に出た。
グリフォンの背中にサドル付けながらルベルは言った。
『俺がまだ子供の時に密猟者の罠に捕まってるのを助けたんだ。それから凄くなついてね。助けた時は手のひらに乗るぐらいのサイズだったのに、今ではこんなに大きく成長したんだ』
『とても人懐っこいんだよ。ほら首の横を撫でられるのが好き何んだ。触ってごらん』
ルベルはグリフォンの首を触りながらフリージアに言った。
『えぇ、大丈夫なの?』
ルベルは優しい表情で頷く。
『うんっ』
フリージアはゆっくりとグリフォンの首元に手を伸ばし、首に触れると優しくゆっくりと撫でた。
撫でられたグリフォンは目を瞑り、首を動かす。くすぐったいのか気持ちいいのかそんな狭間のような表情だ。
『かわいいわね』
『そうだろう。きっと君の優しさに気づいたんだろう。とても気持ちよさそうだ。』
ルベルが笑顔で答えた。
『そろそろ、街へ向かおうか』
そういうとルベルはグリフォンの背中に乗った。
『さぁ、手を!』
ルベルはフリージアに手を伸ばし、ルベルの後ろに引っ張るようにして乗せた。
『しっかり捕まって!』
そうルベルが言うと、グリフォンは翼を広げザッと1振りすると浮き上がった。
揺れに驚いたフリージアは無意識にルベルに抱き着いていた。
『あ、ごめんなさい』
そういうとフリージアはルベルのお腹に回していた手をほどこうとした。
『そのままで、こっからはもっと揺れるから』
ルベルはフリージアがほどこうとした手に触れてもう一度強く握ることを促す。
『君の街はあっちの方角だね』
ルベルが地平線に指を指し、フリージアに聞いた。
『ええ、そうよ』
フリージアの返事を聞くとグリフォンはルベルが指さしていた方角に飛んだ。
グリフォンの翼が激しく上下する。地上から遠く離れ、風のような速さで空を飛んでいる。
『とても美しい景色ね』
そうルベルに伝えようとしたが、グリフォンの翼の音と風を切る音で聞こえないようだ。
『耳元で話して!!』
そう大声でルベルが叫んだ。
その声に驚いたフリージアだったが、ルベルが言う通りに耳元で言った。
『とても美しい景色ね!』
『ああ、そうだろう!飛ぶのは初めてかいっ?』
またしてもルベルは大声で叫ぶ。
『ええ初めてよ!』
フリージアは今度は耳元ではなく、風を感じながら大声で答えた。
ルベルはフリージアに見えるように親指を立て返答した。
その後、数分にわたり沈黙が続いた。
沈黙を最初に破ったのはフリージアだった。
『どうして、手伝ってくれるの?あなたにメリットがあるの?』
『僕は悪魔を祓うのが仕事だ』
『お金は?私お金は持って来たわ』
『君が払う必要は無いよ。然るべき所から貰うから大丈夫さ』
『どの依頼も今回みたいにすぐに受けるの?』
『いいや、君だからすぐに動いたんだ』
きっとまたルベルが私をからかって言ったのだと思いながら、とぼけて聞いた。
『どういうこと?』
『そのうちわかるよ』
『君の街に着く前に、1つよりたい所があるんだ。見えてきた。あそこだ。』
ルベルは地上を指さして言った。
指の先には、平原の中に大きく佇むお城のような建物が見えてきた。
『あれは何?』
フリージアが尋ねる。
『ヴァンパイアを祓うための道具を調達する場所だ!』
素人の書いた小説ですが、皆さんの心に何か響くものを届けられたら嬉しいです。
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