表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
精霊の星 ~丘の魔王の研究所~  作者: 月見 カラス
第1章 ヴィータ編
1/21

第0話 プロローグ

「わたしは……死ぬの?」

 少女はベッドの上にいた。薄暗い部屋の中で、どこを見ているかも分からぬように(おぼろ)げで、その声は誰かに訴えているようにも、ただのうわ言のようにも聞こえた。

 そんな少女を見下ろしていたのは、白熱電球と、黒いローブを身に(まと)った青年。

「君の能力も、私の能力も、今の君を救えるものではない。少なくとも私はその方法を知らない」

 青年は少女の脈を測りながら、淡々と返した。

「そう……」

 少し間を置いて、しかし答えは分かっていたかのように、少女は呟く。

「アビス、私、ワガママだったよね……。ごめんね、分かってる。全部、わたしのせいだよね。でも……」

 少女は絞り出すように、息も絶え絶えに、か細く願った。

「わたし、生きたい……」


 この後、彼女は死ぬのか?少なくとも言えるのは、転生して奇抜な能力を得て異世界へ、なんて展開にはならない。彼女達は既に特別な力を持っているし、地球と交わりが無いという意味では、異世界と言っても差し支えはないだろう。今のところは。

 なぜそんな事が言えるのか。なぜそんな事を知っているのか。それは私がどこにでも居て、どこかには居ないから。私は空間、又は次元、あるいはそれに近い概念を持つ者。私は精霊、この物語の主人公たる彼女達と同様に。

 これは、地球と似たような進化を辿り、文明を持ち、しかし精霊という奇妙な存在がいる星の話。

 では、物語に戻ろうか。精霊の住むあの星に。


 事の始まりは、少し前に(さかのぼ)る――。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ