恋愛大戦争? そのに!
今回は麦茶視点になります。
~麦茶視点~
……あー、うん。冷静に考えてみると、流石さんの能力の事、完全に信用してたけど、そこまでの信ぴょう性は無いのか……。
でも、能力ありきで進めるしかないよなぁ。
「えーっと?それで、流石さん、俺はどんな感じで立ち回れば、さっちゃんを堕とせるんですかね?」
「ん、そうだな。取り合えず、話を聞いてやりーの……、やっぱよくわからんな!自分で考えてくれ!」
「いや、ちょっと待ってくださいよ!?そこからなんですか?!」
「意外と普段通りでいいと思うぞ?」
「いや、メールでのやり取りはそれこそ、もうちょいで十年行くってくらいしてますよ?けど、現実での付き合いはそれこそ、一か月ちょい?いやもう少ししてるかなぐらいですからね?」
「大丈夫だ。白石と憧成は一か月しか触れあっていないし、小3の頃が最後の付き合いだからな?なめんなよ?」
「いや、なめてないですけど。え、そうなんですか。やっぱり憧さんはすごいですねぇ」
だけど、意外だなぁ。憧さん結構ドライなイメージあったけど……、あーいや、熱い時は熱い人か。
「だけど、そうですかぁ!だったら、俺もやるしかないってわけですね!」
「そういうこったな。精々頑張ってくれよ?」
「わかってますよ!」
そう言って、俺は放送室のドアを開けて、外に出た。
すると、後ろから流石さんに呼び止められ、振り返ったら、何か小さなものを放られた。
受け取ったものを見てみると、小型の盗聴器とイヤフォンだった。
「こまめに指示は出すぜ。質問が合ったら、小声で言いな。答えるからよ」
そう言われ、胸元に盗聴器、右耳にイヤフォンを取り付けた。
開いたドアに改めて目を向けると、上下に真っ二つに割れたのかの様な風景が目に入る。
視界の上方には宙で立っている美少女が一人。視界の下方には先ほどの水の圧力に怯える大勢と仲間を護ろうと美少女を睨みつける少数。
俺がやるべきは……、流石さんの言う事を信じるのならさっちゃんであるあの子を他の人達から隠し、その上で、説得をするといった感じ。
俺の能力は麦茶生成。つまり、茶色く濁った人体に害のない液体を生成し、操作するという能力。
ならば、可能な限り早く、大量の麦茶を生成し、あの子の姿を隠す必要があるだろう。
可能な限り急いで生成した場合にかかる時間は……十分。いや、能力の強化があったことも考慮して五分か。
「流石さん。五分の間、時間稼ぎお願いします」
『オーケー。任せとけ』
そこまで頼もしくない『任せとけ』に全体重を預けて、能力の行使に集中する。
麦茶の生成は実はそこまで難しくない。どう作ればいいのかが感覚的にわかるからだ。だがしかし、全力となるとまた別だ。
何故なら、ただドバドバと麦茶を生み出すだけでは、余りにも周囲への被害が大きくなりすぎてしまうためだ。
今回の麦茶の必要量はアステリオス戦よりは少ないが、アステリオス戦よりも遥かに周囲の被害に気を使っての作業となるのだ。
その為、麦茶を大量に生成する際には、全力疾走をしながら、正円を描き続けるみたいな事をしないといけないのだ。今回の場合は五分間も。
当然疲れるし、やめたくもなる。……何かアナウンスのような物が聞こえた気がする。
ドドドとアナウンスよりもはるかに低く遥かに大きい音が聞こえる。
しばらく経つとその音はぴたりと鳴りやんだ。
そうして、五分が経過した。
麦茶に適当に大きな物を巻き込んで、その上に立つ。そして、麦茶の中にゆっくりと沈みこませつつ、自分には麦茶が付着しないよう操作する。
簡単に言うと、大量の麦茶の中に自分のスペース分だけの泡を作った。そして、その泡と麦茶の境の部分には大量の物体が敷き詰められているって感じだ。
これが俺の最強奥義!巨大スライムの棺桶!
普段使う時は相手を凄まじい量の麦茶と合同な四枚の正三角形の板で作った正四面体に閉じ込めるんだけど、今回は無いから仕方なし。
……自分を棺桶に閉じ込めてるやん!って言いたいのもわかるけど、麦茶は俺の支配下だからね。麦茶の外側から、空気を出せるし、空気を入れられるのよ。
今の俺のスライムは傍から見たら、なんか、気泡いっぱい入ってるんだろうな。
さてと、動きだせ!巨大麦茶スライム!
……待てよ?これ、俺から外、見えなくね?
……さてと、停止せよ!巨大麦茶スライム!
なんてこった。作って操縦してはじめてわかる弱点。外が見えない。
俺はなんて、間抜けなんだ!って誰が間抜けやねーん!
一人漫才してる余裕はない!というか何だ今のネタ寒すぎるだろ!ただでさえ、液体の中にいて少し肌寒いんだからやめろよな!
どうする?どうする?
すると、麦茶の中に四つ何かが放り込まれた。
麦茶を操作している以上、麦茶と感覚が繋がっているのって当たり前だよね!知らんけど。
放り込まれた何かを麦茶を操作して引き寄せる。……中に放り込まれた物は、カメラとスマホだった。
電源を入れると、一つのカメラにだけ録画が残されているようだ。
『麦茶、お前……
ホンットに馬鹿だな!』
「……うっざ!なんだこいつ!マジうっざ!」
わざわざ、録音ではなく録画にしたあたりが余計腹立たしい。だが、有難く使わざるを得ないのがまた腹立たしさを加速させる。
このスマホからは、三つのカメラが写している光景が出力されるみたいだ。しかも、しっかり水中カメラ。
……うーん、抜け目ない。
次回から、こちらも戦闘や腹の探り合い的な内容になります




