首都
超大事なことを伝え忘れてました。立華の能力名を変更しました。
能力昇華⇒萌芽昇華
謝罪も込めて、後書きに設定をポロリ。
それから残りの三日間は白石と親睦を深めたり、忘れていた流石や愛召の両親への挨拶をしたりしていた。
さて、今日が最終日。この間にも色々とありはしたが、総括して楽しい思い出だったと小学生並みの感想を述べておこう。
両親や結実、長野に手を振り、家を後にする。
「それでは、お別れだ。また、帰ってくる!」
「テレビで~見てる~わよ~?」
「定期的に連絡頂戴ね!お兄ちゃん!くれなくても、こっちからかけるから!というか、寧ろこっちがメインで掛けちゃうから!」
「おうおう!我が息子よ!美人な白石さんとバイクで二人乗りたぁ、良い身分じゃねぇか!……いや待てよ、憧成は国に祭りたてられるレベルの超人つまり、元からいい身分……?」
「憧成おじさん!結局俺の事名前で呼ばないんですね!いやはや、流石!御見それしましたよ!そんなに、やがて自分と同じ苗字になる可能性を排除したいですか!もう、俺はこの三日間で先輩に告白してフラれたんで!それも割とこっぴどく!俺もう無敵状態なんで!お兄さんに認められるまで頑張るんで!」
……長野め。よくも私が折角消そうとしていた記憶を掘り出してくれたな。
そう、長野はこの三日間で結実に愛の告白をした。まぁ、今の話でわかる通り、割と盛大にフラれたらしく、一時間くらい手のつけようのないくらいに落ち込んでいた。しかし、流石というべきか何というべきか、この男、凄まじい復帰力を見せつけたのである。
その時の長野のセリフがこちら。
『俺は諦めねぇ!絶対に絶対に!先輩を幸せにするんだ!俺が!誰よりも!だから、勝負だ!おっさん!おっさんは白石さんを俺は先輩を幸せにする!どっちがより幸せにさせられるかなぁ!?』
中々に酷い。私だったら到底立ち直れそうにないだろう。自分のセリフのせいで。
自分の中で長野への憂さを晴らした後に最後に一言残していく。
「私はおっさんではない!!お兄さんだ!だが!お前にお兄さんと呼ばれる筋合いはない!」
そんな自分で後から聞いたら、捨て台詞この上ない事を言ってその場を去った。
バイクでしばらく走り、かつて夜の影と戦った場所にやってきたが、当然ながら、立華とその仲間たちがいたであろう場所は無人になっていた。
そうして、帰ってくる。都会の中で世界トップクラスの安全性を誇る場所、対超獣中心軍事拠点に。
多くの人に迎えられ、軽くお祭り騒ぎ状態になっている。だがしかし、盛り上がり過ぎて、主役であるはずの私の周りには逆に人がいなくなってしまった。
まぁ、なんだかんだで私は他の人たちに対して、かなり上の位置にいるのもあって、相談のできる人程度には信頼があっても友人という位置を確立できていないしな。
それにしても、私の後ろに白石がいるのに、無視か。チーム内での信頼が高すぎるが故の弊害だな。外部に対して興味のない内向的な集団になってしまった。
すると、視界の端で見知った顔がちょいちょいと手招きをしていた。することもないので、誘われるがままに近づいていく。
「「「「おかえり!」」」」
「ああ、ただいま。みんな」
そう返すと、麦茶がニシシッといった様子で笑った後に、私の後ろの結実を見ながら、私に質問した。
「あの~、その女の人って誰っすか?憧成さん、もしかして彼女いたんすか!それとも既婚者すか!」
その質問を聞いた瞬間、愛召がキュピーンという効果音が付きそうな挙動をした後、こんなことを宣った。
「それはね、麦茶君?憧成が生粋の女たらしだからだよ~?」
それに反論をしてやろうと空気を大きく吸い込んだ瞬間、流石がどう考えても予め考えていたとしか思えないような反応で下らない事を言う。
「そうだぞ、麦茶、よく聞け?憧成はな?ブラコンの可愛い妹がいるのに、他の女に手ぇ出しちゃうような奴なんだ」
そんな言葉に反応するかのように、もふもふがこんなことを言う。
「え~と、『女たらし』は、『誑しこむを語源とする言葉。複数の女性に対して、甘い言葉を言ったり、紳士的な態度をとることで女性に自分に好意を抱いているのではと錯覚させる男性。意識的、無意識的は本来無関係であるが、最近では無意識的での意味の方が強くなってきている』だよ~!」
もふもふの言葉の機関銃に体が撃ち抜かれ、上手く言葉を挟めなかったが、ようやく言葉の連射がストップして、私のターンが来た。
「私が女たらしなはずないだろう……?もし、私が女たらしだったとしたら、今頃、付き合っている女性の一人や二人できたこともあっただろう。しかし、事実私は年齢と彼女いない歴は完全に一致している」
私の言葉を麦茶が恐ろしいものを見たとでも言いたげな様子で聞いたのち、口を重そうに開く。
「……マジっすか?婚活パーティーとか行かないんすか……?絶対引っ張りだこっすよ!本格的に女たらしになれるんじゃないっすかね?つーか、そんなことはどうでもいいんすよ。その人誰なんすか?」
「ああ、そうか。その後の言葉のインパクトが強すぎて、失念していた。この人は白石嶺亜。超人だ。これから、細部の能力の実験をして、その後能力に見合った訓練を施したら、実践に投入できるような能力だと思っている」
その言葉を流石が興味深そうにうなずきながら聞いている。
「ほ~ん?白石ね。ま、いっか。ああ、そうだ。後で俺に能力について詳しく教えてくれないか?白石さん」
白石は私と流石を見た後、若干言葉を選びつつ、了承をした。
「えぇっと、わかった、よ?」
そこからは、大した会話もなく、解散した。
その後は、白石が呼ばれたので流石の所に行くというので、自分も聞きたいことがあると思い、付いて行くことにした。
拠点のテレビからはここ一週間で急速に増えてきている襲夜速報が鳴り響いている。
闇を生み出す超獣の蝙蝠の群れ、『最悪な夜』。それの移動開始と次の予想される被害地を知らせるというものだ。これまでの被害はニューヨーク半壊、ヨーロッパの主要都市で普段の超獣騒ぎでも一切落ちなかったライフラインの一時的切断。そして、現在ロシア横断中であり、ここは次の次かさらにその次か程度に被害に遭うとされている。
全くたまったものではない。
白石嶺亜
能力:空気砲・仮
性能:その瞬間の自身の呼気に含まれている窒素・酸素・二酸化炭素の比率と完全に一致した比率の窒素・酸素・二酸化炭素を創造、射出する。その時の空気はその空気のみで呼吸できる程度には、水分も含まれている。その形状は直径三十センチメートル程度の球体。威力は成人男性を吹き飛ばす程、当然速度もそれに付随する。掌から、空気の球までには1センチメートルほどの隙間があり、体に掌を直接当てて、行使すれば、相手を爆発させるという事も可能。クールタイムは30秒ジャストであり、大量の超獣を相手取るには不足している。
それにしても、ホントになんで、あんなミスしたんだろ。謎過ぎる。




