超人一家!四茅野家!
田舎に超獣は少ないにしても、いないわけではない。
超人は生活を維持するには十分な量の金銭を受け取れるが、
当然それには代償が付く。
超人には、平和維持のための活動が推奨されているのだ。
まあ、あくまで推奨ではあるし、あまり強くない能力の場合は
一般人と同様に扱われるのだが。
しかし、強い能力を持っている超人はその推奨が実質、義務と同義になる。
強い能力を持っているが扱えない場合や心の整理が着いていない場合でも、
関係ない。周囲の視線が政府による推奨という剣と人権という盾を持って
襲い掛かるのだ。
私の避難所ではいなかったが、他の避難所ではその結果一人の超人が
自殺してしまったらしい。能力は『空間転移』だったらしい。
そんな訳で聞いたのだが、私の家族は待ってましたと言わんばかりに
揃いも揃ってニコニコしている。
「じゃ、じゃあ、私からいくね!」
そんな結実のセリフに
「ええ、い~わよ~。こういうのは~後の人の方が~強いものだし~
妥当だと~思うわ~」
「ああ、そうだな!仕方ないよ!結実は力量差を理解できるいい子だもんな!」
なぜか両親が突っかかる!
「う~んそうかなぁ?三人の場合はそうでもなくないかな?
最初に主人公が大きなインパクトを与えて、あとは二人がなあなあな反応をされて
終わるみたいな印象あったんだよなぁ。あ、ごめんね~?
最近のセオリーなんてわからないか~。世代的に一つ前だもんね!」
なぜか結実は煽り返す!
「あらあら~、結実ちゃん~ついに反抗期が~来ちゃったのかしら~?
良い子だった結実ちゃんは~いずこに~」
「そうかそうか。残念だ!あの結実の秘蔵ファイルを公開してもいいんだぞ?
今!この場で!」
母はまだましだが、父が中々に中々なことを言っている。
「お兄ちゃん!お父さんが結実のこと脅すよ~!助けて!」
そう言って、抱き着いてくる。
そろそろこういうところは直していかないといけないな。
一応高校生なんだ。
私が大学生だったころに戻ったかのようで、感慨に浸る。
そのせいか、いつの間にか、そのまま頭を撫でていた。
「えへへ~、懐かしいね!お兄ちゃん!」
「ああ、そうだな。確かあの頃だったか?結実が何故か俺に戻った私に
懐いたのも」
「そうだね~。あの頃だったよね」
「あ、いや、無神経だった。申し訳ない」
「あ~、いいよ?全然気にしないで?ね!もう、…折り合いはつけたから」
そう…か。本人がそういうのならば、私は従うべきだろう。少なくとも今は。
「さてと、話の腰が折れたな。では、本題に戻るぞ?
これ以上話がボキボキになるのもなんだ。私が話す順番を指定するがいいか?」
「いいよ!」「いいわよ~」「いいぜ!」
「では、結実、母、父の順で頼む」
「ん!わかった!えへへ~、お兄ちゃんはやっぱり私と話したいんだね!
えっと!私の能力は冷たい手!
自分の手の温度を絶対零度から普通の体温まで自由に操作することができるよ!
ちなみにそれによって発生する悪影響を自分は一切受け付けないよ!」
「次は私ね~?私の能力は~ほかほかぱんちよ~!
自分の手の温度を~普通の体温以上なら~何度にでも~することが~できるわ~。
当然~それによる悪影響は~一切~受け付けないわ~」
「最後は俺だな。能力紹介、ね!かっこいい響きだし、
中二の頃の俺スタイルでいくぜ!
盟約により、我が陰の掌に発現せし権能《理を抱くは神の腕》。
其は命無き物を意の儘に。
智は識無くとも我が下に。
撫でし物は我が意の下、智を捧ぐ。捧げられぬとあらば服従をもって贖うがいい。
我が司るは森羅。なれば、万象すらも森羅をもって支配せんとす」
「「「…」」」
…どうする?こんなにも反応に困ること無いだろう。く、どうすればいいんだ。
母と結実に視線を送る。
即座に縋るような視線二人前を用意された。
これならアステリオス戦の方がまだ希望があったのではないだろうか?
くそ、どう返すのが正解なんだ。
答えは出ない。存在すらしていないのかもしれない。
父よ、とにかくそのドヤ顔をやめていただきたい。
腹筋がシックスどころかエイトパックになりかねない。
いや、なった方がいいか。いいぞ、もっとやれ。
「どうだった?」
私の父は勇者だったらしい。この状況で感想を求められるその精神力、
尊敬に値する。
「…正直に言わせてもらうが、自分の年齢を顧みることをお勧めする」
「えっと、うん!大丈夫だよ!お父さん!少し仕事で疲れてるんだよね!
これからはもっと優しく接するから!ね!」
「え、ええ。あなたがそんな正気を保っているとは
思えない発言をしてしまうような労働環境だったなんて。
本当にごめんなさい。あなたが時々言っていた有給とるという言葉の
真の意味を考えもせずに今は大変な時期なんだからって叱ってしまって、
私、ダメな妻ね。これからは少しでも良妻になれるように頑張る。
だから、ね?いつもの…あな…たに戻…って…ひう…グス」
「あ、えっと、なんていうか本当にすいませんでした!
夢乃、すまない。別に頭がおかしくなった訳ではないんだ。
会社の労働環境が厳しかった訳でもない。
だから、そのスマホで労働省にパソコンで会社に家庭の設置式電話で実家に
連絡するフルコンボをやめてくれ、今すぐに。頼むから。…ありがとう。
そして、愛してるよ、心配をかけてすまなかった」
「うわあああぁぁぁぁん!あなたのばかぁ!」
なんか母が父をポカポカしてる仲いいな。あの両親。
「お兄ちゃん。お兄ちゃんにもあれしてもいい?」
「やめてくれよ?身体能力上がってるの自覚してないだろ?結実」
先ほどの能力紹介で身体能力が上がったという発言がなかったからな。
妹が正ヒロインでもいいのでは?あ、ほぼ全登場人物に恋愛対象がいます。流石に桃井の執事は別です。
お父さんの能力説明の訳
俺の能力はラゥ・ハンドだ!
自分の手で触れた者の知識を知ることができるんだぜ!
非生物とかの知識がないやつは操ることができるぜ!
基本的にどんな物質でも操れるから、やろうと思えば、エネルギーも操れるぜ!
まあ、こんな感じです。
ちなみに空間転移の能力はとんでもないチート能力。
体積が同じ物体同士を相互に転移させれば問題ないけど、
一方的に物体を転移させると核融合が引き起って爆発します。
更に、エネルギーだけ空間転移させるとかもできるので、
本当にチートです。
そんなチートも精神攻撃には勝てなかったよ…。




